呪術廻戦 の感想と評価(良いところ、悪いところ)
呪術廻戦
著者: 芥見下々
連載: 週刊少年ジャンプ
評価: 8.9/10
あらすじ
人間の負の感情から生まれる呪いと、それを祓う呪術師の戦いを描くダークバトル。虎杖悠仁は「両面宿儺の指」を取り込んだことで呪術界に足を踏み入れ、伏黒恵、釘崎野薔薇、五条悟らとともに過酷な任務へ向かう。戦闘は能力の派手さだけでなく術式解釈と判断の速さが勝敗を分け、死生観の揺らぎが物語全体に重く響く。救いを簡単に与えない展開と、わずかな希望が刺さる演出の振れ幅が大きく、読む側の感情を強く揺さぶる。残酷さと優しさが同居する、熱量の高い現代呪術譚。
本音のガチ長文レビュー(ネタバレ有)
0巻~30巻まで一通り読了しての感想です。 アニメなどは見ていないです。 正直、そんな話題になるほど面白いか?というのが感想。 良かったと思ったのは、 序盤と、最終の勢いのある畳みかけ感。 序盤はこれからどうなっていくんだろう!というワクワク感がすごい。 先の展開がわからず、能力もいろんなパターンが出てきて、続きがすごく気になる展開だった。 最終戦は状況がすぐに入れ替わって、正直着いていけない場面も多いんだけど、 そのあたりの細かい理解を置き去りにしても面白味のある勢いだった。 ただ、これらのオモシロは最初の5巻と最後の3巻ぐらい。 それ以外は何が面白いのかあんまりわからなかった。 つまらない訳ではないんだけど、 イチイチ理解するのが面倒な設定が多すぎる。 この練られている感が呪術廻戦の良いところでもあるんだろうけど、 ヒカルの碁は囲碁のルールわからなくても楽しめるし、 嘘喰いやカイジはゲームの細かいルールがわからなくても楽しめるっていうことを考えると、 わからない事による面白味の減り方が大きい。 中盤あたりはストーリーがあんまり進まないのと、 唐突な場面転換や回想が入ってきて、いちいち集中できない。 新しい敵キャラが出てきて、そいつの能力を諸々説明して、 そこに新しい仲間キャラが出てきて、そいつの能力を諸々説明して、 戦いながら追加の説明をして、 最終的に五条かスクナが出てきて終わるっていう繰り返しの印象で、またこの流れかとなった。 その能力の説明を理解しながら、 どういう駆け引きや展開になるんだろうという楽しみ方ができる人は、この漫画の感想変わると思う。たぶん。 小難しい能力よりも結局シンプルな能力が活躍してた印象なので、 考察勢の人はそのあたりどうなんですかね。 自分はどちらかというと、長い説明文を熟読して理解するタイプではなく、 画を追って楽しむタイプなので、漫画がつまらないというより、合わなかった、が正しいかも知れない。 新しいキャラが中盤以降はどんどん出てくるので、 各キャラに思い入れがないというのも微妙な感想の一因。 戦闘シーンがメインで続くので、日常会話がなく能力の説明に終始しがちなのがその要因だったと思う。 登場したときの第一印象しか残っていないので、 死なずに生き残ったキャラが後から久々に出てこられても、似たようなスタンスのキャラと被って、こいつどこの誰だっけ…?となってしまった。 最後の死滅回遊とか、根本のルールを難しくしたのもあまりしっくりこなかった。 細かいルールとか結局関係ない終わり方だったし、 全国展開した意味もあまり感じなかったので、 もっとシンプルなほうがストーリーがスッと入ってきたのかなぁと思う。 ただ、このあたりも設定をしっかり作ってあるので、 設定や能力の理解や考察を楽しめる人には合っているのだろうとも思う。 好みはわかれるところ。 という感じで批判的な感想を書いたものの、 あまりストーリーの展開がないのに30巻もあって、 細かい理解もしていないくせに結局最後まで読んじゃったのは、 戦闘が次々に展開しくリズムの良さなのだろう。 1つ1つの戦闘はあまり長くなく、どんどん次の戦闘が始まるので、 読み止めるタイミングが少なくて、それに合わせてついつい読み進めちゃう。 あと飽きてきそうなタイミングで、 お前死ぬんかい!っていうのも良かったと思う。 みんなアッサリ死んでいくけど、 死んだことに意味があることが多いので悲壮感だけが残るいったことが無いのが良かった。 10巻ぐらいまで読んで、なんか合わないなと思った人はそこで読みやめて良いと思います。 良くも悪くもそれが最後まで続きます。 あと、0巻の雰囲気を期待していると全然違います。 何度も読み返すと設定やキャラへの理解度が上がるだろうから、 アニメとか週刊連載で軽く触れたことがあるという人は、 あらためて読んでみたら新たな発見をしつつ楽しめるかもしれません。
良い所
- 一話目から命の重さを突きつけてくる迫力が凄く、読み進めるほど覚悟を試される感覚に痺れた。虎杖の選択が毎回苦しく、それでも目を逸らせなかった。
- 術式と領域の駆け引きが緻密で、理解した瞬間に一気に視界が開ける快感がある。難しいのに面白いという体験が強烈で、何度でも読み返したくなる。
- 五条や宿儺の圧倒的な存在感だけでなく、脇の人物まで信念が強くて心を掴まれる。推しが増えるほど戦いの一手一手に感情が揺さぶられてしまう。
- 作画のキレが尋常ではなく、打撃の重さや空間の歪みが紙面から飛び出してくる。静と動の切り替えも上手く、読んでいるだけで鼓動が速くなっていく。
- 救いを簡単に与えない展開だからこそ、わずかな希望の場面で涙が出る。残酷さと優しさが同居する物語で、読み終わったあとも感情が長く残り続けた。
悪い所
- 専門用語と情報量が多い章では、理解が追いつかず一度で飲み込めない場面があった。勢いで読める反面、細部を追うには何度も読む体力が必要だった。
- 主要人物でも容赦なく傷つき退場するため、感情移入するほど読むのがつらい。緊張感は強いが、重い展開が連続する巻では心がかなり削られてしまう。
- 戦闘の密度が高いぶん、場面転換が続く局面では何が同時進行しているか掴みにくい。特に終盤は理解に集中力を要し、疲れる回が確実に出てくる。
- 魅力的なのに掘り下げ切る前に前線を離れる人物がいて、もっと背景を知りたい気持ちが残る。物語の非情さだと分かっていても惜しさがとても強い。
- 全体の緊張が高いからこそ、軽い会話が差し込まれる場面で温度差を感じることがある。息抜きとしてはありがたいが、没入が切れる瞬間も正直あった。



