レビュー著者: 漫画よしあし
最終更新日:
セブンブリッジ の感想と評価(良いところ、悪いところ)
セブンブリッジ
マークダウンで表示著者: 板橋しゅうほう
連載: 月刊スーパーアクション
評価: 8.5/10
あらすじ
劇団を率いる養父のもと、旅役者として暮らす夏子とタクの姉弟。だが、彼らの前に現れたウサギ面の怪人カニンガムによって、夏子がすべての平行宇宙の中心『水晶界』の女王であることが明かされる!彼女を捕らえようとする刺客から守るため、次元を超えて立ち上がったのは、不気味ながらも愛らしい7体の半機械生命体『セブン・ブリッジ』だった。1980年代後半、アメコミ調の美しく緻密な描線と、映画的なカメラワークでSF界に衝撃を与えた板橋しゅうほうの最高傑作。時空と並行世界を股にかけ、自らのルーツと世界の平穏を求めて旅する、王道スペースファンタジーアドベンチャー!
読む前に確認したい相性
向いている人
- 陰影の深いアメコミに影響を受けた圧倒的に美麗なペン画タッチに惚れ込める人
- 劇団旅役者の姉弟が宇宙的な陰謀に巻き込まれる、スケールの大きなSFアドベンチャーを楽しめる人
- 時代を先取りしすぎた斬新なバトルアイデアと独自の世界観を持つ埋もれた名作を掘り起こしたい人
向いていない人
- 1980年代特有の劇画調のキャラ顔に、今の絵柄に慣れた目では最初に時間がかかる人
- 初期の旅役者たちの人情あふれるロードムービー感が好きで、後半のSFスケール化に寂しさを感じる人
- 児童劇団の日常という序盤の設定から、宇宙全体まで急速にスケールアップする展開についていけなくなる人
良い所
- 俺、アメコミに多大な影響を受けた板橋しゅうほう先生の、陰影の深い圧倒的に美麗なペン画タッチに一瞬で惚れた。メカや岩肌、キャラクターの無骨な線画の説得力が、今のデジタル作画とは一線を画す。
- 体を本のように切り開いてページ状にして戦う能力者「ブックマン」の、ジョジョ4部のヘブンズドアーより遥か昔に描かれた斬新な戦闘描写に痺れた!作者の時代を先取りしすぎたアイデアの豊かさにただ脱帽。
- 夏子を守るために戦うセブンブリッジという7体のちっこいロボットみたいな半機械生命体たちの愛嬌がたまらない。普段はおちゃらけているのに、いざという時は自己犠牲を厭わず戦う絆の描き方が熱い。
- ただの宇宙戦争じゃなく、主人公の夏子たちが児童劇団の旅役者として各地を巡る、昭和の哀愁を孕んだ導入が本当に好き。SFガジェットの不気味さと、ノスタルジックな日常の対比が凄く不思議な魅力を放っている。
- 平行世界を渡り歩く、スター・ウォーズのような壮大かつ映画的なカメラワークとコマ割りのセンスが完璧。1980年代後半の作品とは思えないほど、SFとしての先見性とビジュアルのキレが半端じゃない傑作。
悪い所
- 昔の月刊スーパーアクション連載作だから仕方ないけど、1980年代特有のやや古臭い劇画調のキャラクターの顔立ちやノリに、今の線の細い流行に慣れている私には、最初は物語に入るのに少し時間がかかった。
- 中盤以降、物語のスケールが地球から宇宙全体へと急激に広がりすぎて、「児童劇団の日常」という初期の魅力的な設定が完全にフェードアウトしてしまったのが寂しい。あのロードムービー感がもっと見たかった。
- 様々な平行世界を巡る設定は面白いけど、後半に進むにつれて設定の解説が多く、ストーリーのプロットが少しごちゃついて見えた。もう少し初期のような、シンプルなカニンガムとの追走劇の緊張感が欲しかった。
- 作者が非常に丁寧に1コマ1コマを描き込みすぎているせいか、キャラクターの動きや戦闘シーンの構図が、どこか静止画(絵画)的で硬い印象を受けることがあった。もう少し疾走感や動的な滑らかさが欲しい。
- 歴史的な名作であるにもかかわらず、長期にわたり絶版状態が続いており、紙の単行本(全7巻)をリアルで全巻揃えるのが非常に難しい。電子書籍で読めるのはありがたいが、やはり紙で手元に置いておきたい。





