レビュー著者: 漫画よしあし
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永世乙女の戦い方 の感想と評価(良いところ、悪いところ)
永世乙女の戦い方
著者: くずしろ
連載: ビッグコミックスペリオール
評価: 9/10
あらすじ
高校2年生の早乙女香が将棋の頂点を目指して戦う、くずしろ原作の将棋漫画。女流棋士という珍しい題材を扱いながら、盤上での激しい心理戦とキャラクターたちの濃い個性を丁寧に描く。登場人物はほぼ全員が独特のクセを持つ強烈なキャラクターばかりで、コミカルな掛け合いと真剣勝負の緊張感が交互に押し寄せる展開が読む手を止めさせない。将棋のルールを知らなくても楽しめる作りになっており、読了後に将棋を始めた読者が多いほど将棋の魅力も伝わってくる。「4月のライオン」とも比較される将棋漫画の新たな傑作として、高い評価を得ている。将棋への入門作品としても機能する、女流棋士を主人公にした漫画の傑作。
良い所
- 出てくる人ほぼ全員ネジがぶっ飛んでいて、しかもそれぞれ違う方向でぶっ飛んでいるのが非常にいい。将棋漫画なのにキャラの濃さで読ませてくる吸引力が半端じゃなくて、読み始めたら止まらなかった。
- 将棋を全く知らない状態で読み始めたが、主人公の熱意がとにかく素晴らしくて将棋のことが好きになってしまった。読了後に実際に将棋を始めるほどこの作品の将棋への熱量に引き込まれてしまった。
- 女子高生の将棋漫画という設定がすごく面白くて、絵もかわいいし読みやすい。盤上での対局シーンのヒリヒリした緊張感と日常パートのコミカルさの振り幅がたまらなくてずっと読んでいたくなる。
- 4月のライオンも素晴らしかったが、これも本当に良い。くずしろ先生の描く作品は読みやすくてキャラクターの個性が強くて、将棋の知識がなくても面白いという意味で最高の将棋漫画だと思う。
- スイッチの切り替えがすごくかっこよくて好きだ。普段はコミカルなキャラたちが対局になった瞬間に豹変する様が格好よくて、絵が綺麗で読みやすいのも加わって本当に夢中になれる作品だった。
悪い所
- キャラクター全員が個性的すぎて、好みが分かれるかもしれない。くずしろ先生らしいやや癖のある個性の強いキャラが連続で出てくるので、最初はキャラを覚えるのが少し大変に感じてしまった。
- 将棋漫画として読むと対局のルール説明が少なく、棋力が低い読者には盤面の意味がわかりにくい部分もあった。キャラと雰囲気で楽しめるが、将棋の醍醐味まで味わうには知識が必要かもしれない。
- 続きが気になりすぎて連載を追っているのだが、更新ペースが遅く感じる時がある。夢中になれる作品だからこそ次が読みたくてうずうずしてしまい、待っている間がとても長く感じてしまう。
- 登場人物が増えてくると各キャラクターの対局や背景を追いきれなくなる場面があった。キャラが魅力的なだけに、もう少し一人一人に焦点を当てたエピソードが増えてほしいと思う部分もある。
- 将棋漫画として期待するとキャラの個性の強さが前面に出すぎる印象もある。将棋の深みを丁寧に描くよりキャラクターで読ませる漫画なので、戦術や棋譜の面白さを求める人には少し違うかもしれない。




