レビュー著者: 漫画よしあし
最終更新日:
信長のシェフ の感想と評価(良いところ、悪いところ)
信長のシェフ
完結連載: 週刊漫画TIMES
評価: 8.6/10
あらすじ
現代のフレンチシェフ・ケンが、気づいたら戦国の世にいた。記憶のほとんどが飛んでいるのに、料理の腕だけが残っている。刀鍛冶の娘・夏に助けられ、生き延びていくうちに、やがて織田信長のお抱え料理人となる。「おぬしが戦を終わらすのじゃ」と無茶な頼みを押し付けてくる信長に、ケンは包丁ひとつで答えていく。比叡山との対立、武田信玄との対峙、外交の席。そのたびに現代の料理がひとつの武器となり、武将たちの腹を満たし、心を動かし、少しずつ歴史を変えていく。腹が鳴るほどうまそうな料理と、血の通った戦国の男たちが交わる、味と戦のもてなし合戦!
読む前に確認したい相性
向いている人
- 現代の料理が歴史を動かしていくという、斬新な発想のタイムスリップ時代劇にワクワクしながら読みたい人
- 緻密な時代考証に基づくストーリーと、思わず食べたくなる美味しそうな料理描写の両方を堪能したい人
- 一皿の料理が政治的な駆け引きへ繋がっていく、知的な興奮を味わえる重厚な展開が好きだと感じる人
向いていない人
- 途中から増えていく政治や戦の描写より、料理そのものを楽しむ純粋なエピソードを中心に求めている人
- 現代知識で歴史が都合よく動く演出を、ご都合主義やリアリティ不足と感じてしまいやすいタイプの人
- 登場人物が多く情報量も多い作品で、手軽に状況を把握しながらテンポよく読み進められることを望む人
良い感想・レビュー
- ケンが出す現代の料理に、戦国の人たちが見せる顔がいちいちうまそうだった。読みながら俺の腹まで鳴ってしまい、この飯テロ濃度の高さにやられっぱなしだった。
- 織田信長の引きつける力がとにかくすごい。「ケンを呼べ」のひと言にこもった信頼が伝わってきて、このたまらない信長像に俺はすっかり惚れてしまった。
- 明智光秀も武田勝頼も、ケンの目を通すと血の通った一人の男として立ち上がってくる。歴史で習った名前が生きた人間に変わる感覚が好きで、この人間くさい描き方に俺はうなった。
- 美味しんぼとるろうに剣心をごっちゃにしたみたいな濃い一作で、最後まで楽しめた。料理と戦が共存するこのごった煮の熱量に最後まで並走できて、俺は大満足だ。
- 本能寺を回避して信長が生き延びる結末が面白く、切なくも幸せな気持ちになった。ここまでやり切った突き抜けたハピエンに俺は最後まで付き合えてよかった。
悪い感想・レビュー
- 料理の味だけで戦が止まり、大名が考えを変える展開が何度も繰り返される。私にはこの万能すぎる料理という設定が、中盤からだんだん重荷に感じられてきた。
- 現代人がどんどん増えて話が込み入るにつれ、最初の「料理で信長の胃袋をつかむ」という純粋な面白さが私には薄れていった。この素朴な面白さがずっと続いてほしかった。
- 原作者が途中で抜けたせいか、後半になると話の運びやセリフの間が明らかに落ちた気がした。後半のテンポの鈍さが俺にはずっと引っかかり、最後まで気になってしまった。
- タイムスリップの謎が最後まで一切明かされないままだった。SFっぽい落としどころをずっと待ち続けていた俺としては、この消化不良な結末が今でも引っかかる。
- 後半になるほど歴史改変ファンタジーの色が濃くなって、料理がどんどんおまけ扱いに見えてくる。料理人の枠を超えていくケンの万能さが俺には正直しっくりこなかった。
良い感想・レビュー
悪い感想・レビュー
ケンが出す現代の料理に、戦国の人たちが見せる顔がいちいちうまそうだった。読みながら俺の腹まで鳴ってしまい、この飯テロ濃度の高さにやられっぱなしだった。
料理の味だけで戦が止まり、大名が考えを変える展開が何度も繰り返される。私にはこの万能すぎる料理という設定が、中盤からだんだん重荷に感じられてきた。
織田信長の引きつける力がとにかくすごい。「ケンを呼べ」のひと言にこもった信頼が伝わってきて、このたまらない信長像に俺はすっかり惚れてしまった。
現代人がどんどん増えて話が込み入るにつれ、最初の「料理で信長の胃袋をつかむ」という純粋な面白さが私には薄れていった。この素朴な面白さがずっと続いてほしかった。
明智光秀も武田勝頼も、ケンの目を通すと血の通った一人の男として立ち上がってくる。歴史で習った名前が生きた人間に変わる感覚が好きで、この人間くさい描き方に俺はうなった。
原作者が途中で抜けたせいか、後半になると話の運びやセリフの間が明らかに落ちた気がした。後半のテンポの鈍さが俺にはずっと引っかかり、最後まで気になってしまった。
美味しんぼとるろうに剣心をごっちゃにしたみたいな濃い一作で、最後まで楽しめた。料理と戦が共存するこのごった煮の熱量に最後まで並走できて、俺は大満足だ。
タイムスリップの謎が最後まで一切明かされないままだった。SFっぽい落としどころをずっと待ち続けていた俺としては、この消化不良な結末が今でも引っかかる。
本能寺を回避して信長が生き延びる結末が面白く、切なくも幸せな気持ちになった。ここまでやり切った突き抜けたハピエンに俺は最後まで付き合えてよかった。
後半になるほど歴史改変ファンタジーの色が濃くなって、料理がどんどんおまけ扱いに見えてくる。料理人の枠を超えていくケンの万能さが俺には正直しっくりこなかった。



