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レビュー著者: 漫画よしあし
最終更新日:

リアル の感想と評価(良いところ、悪いところ)

リアル

著者: 井上雄彦

連載: 週刊ヤングジャンプ

ジャンル: 医療人間ドラマ日常スポーツ

評価: 9.8/10

あらすじ

骨肉腫による右足切断、バイク事故での深い自責、不慮の事故による下半身不随。過酷な現実(リアル)に直面した戸川清春、野宮朋美、高橋久信の3人が、車いすバスケットボールとの出会いを経て、ボロボロに傷つきながらも再び『己の人生』を立ち上げる大河ヒューマンドラマ。障害の絶望や排泄麻痺、リハビリの先の見えない苦悩を美化せず描く圧倒的なリアリズム。井上雄彦が放つ静謐かつ魂を揺さぶる画力によって、立ち上がろうとする男たちの微かな光と生への執念を、一コマ一コマに凝縮して描き出す。読む者すべてに、生きることの覚悟を問いかける魂の傑作!

良い所

  • 俺は骨肉腫で片足を失った戸川が、コートを爆走して勝ちにこだわるあの圧倒的な闘志に魂が震えた。単なる同情を誘う物語じゃなく、一人のアスリートとしての意地とプライドが泥臭く描かれていて本当に熱い。
  • エリートだった高橋が、排泄障害や感覚麻痺という惨めな現実を受け入れ、少しずつ前を向くリハビリ描写のリアルさに涙が止まらない。人間の脆さと、そこから再び這い上がる心の強さに何度も救われた。
  • 井上雄彦先生の、台詞のない無音の1コマで登場人物たちの凄まじい涙や感情を爆発させる圧倒的な画力に圧倒される。高橋が泣きながらシュートを放つ場面など、一生モノの感動をくれるコマが多すぎる。
  • バイク事故で少女を歩けなくさせてしまった野宮の、深い罪悪感を背負いながらも不器用にプロを目指す生き様に胸を打たれる。ダメ男に見えて、誰よりも他人の痛みに寄り添える彼の人間臭さが大好きだ。
  • 車いすバスケの戦術描写が本当に緻密。競技用車いす同士がバチバチにぶつかり合う激しい音やスピード感が伝わってきて、障害者スポーツへのイメージが完全に覆る、知的で最高に熱いスポーツ漫画だと思う。

悪い所

  • とにかく単行本が出るスパンが遅すぎて(最新17巻が出るのも1年半以上空いた)、新刊を読むたびにあらすじを忘れるのが辛い。物語の先が気になるけれど、未完のまま終わるんじゃないかと不安になる。
  • リハビリの絶望や褥瘡の恐怖、失ったプライドの惨めさなど、直視するのが辛いほど「重く痛みを伴う現実」が生々しく描かれる。娯楽として気軽に読める内容じゃないので、読むのにかなりの覚悟が必要。
  • 不定期連載なので仕方ないけど、物語全体を貫く大きな山場や決着がなかなか見えず、ストーリーの進み具合に少しもどかしさを感じる。彼らの完全な救いや結末を見届けるまでに、あと何年かかるのか心配。
  • 最新17巻が900円を超えるなど、一冊あたりの価格がかなり上がっていてお財布に痛かった。内容が素晴らしい傑作なのは大前提だけど、昔からのコミックス購入者としては時代の値上げをリアルに感じてしまう。
  • 高橋の元陸上部時代の傲慢さや、他人を見下していた酷い性格の描写が最初の方はあまりに生々しすぎて、僕には少し不快だった。彼が事故に遭ってからのリハビリは応援したいけど、昔の態度に引いてしまう。

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