レビュー著者: 漫画よしあし
最終更新日:
夜廻り猫 の感想と評価(良いところ、悪いところ)
夜廻り猫
マークダウンで表示著者: 深谷かほる
連載: コミックDAYS
評価: 9.5/10
あらすじ
「泣く子はいねがー。涙の匂いはせねがー」。Twitterでの連載から大反響を呼び、手塚治虫文化賞に輝いた8コマ猫漫画。頭に猫缶の帽子を載せたオッドアイの野良猫・遠藤平蔵が、夜の街を廻り、人知れず心で涙を流す孤独な人々にそっと寄り添い、優しく話を聴く。病気、介護、貧困、日常のちょっとした寂しさ。平蔵と彼を慕う片目の子猫・重郎たちの温かい交流は、読者の冷え切った心をぽかぽかと温め、生きる勇気を与える。コピー用紙にフェルトペンで描かれた素朴で優しいタッチの作画。今を生きるすべての人に捧げる、涙と優しさ、そして心の再生を描いた極上のハートフル猫ドラマ!
良い所
- 私は、誰にも言えない孤独や介護の疲れで心で泣いている時に、平蔵さんがただ隣で話を聞いてくれる優しさにガチで救われた。説教やアドバイスじゃなく、涙をそのまま肯定してくれる最高の心のデトックス。
- コピー用紙にフェルトペンで描かれたという、あえて定規を使わない手作りの温かみがある素朴な作画タッチが本当に素晴らしい。線の不揃いさや歪みの中に、作者の人間に対する温かい眼差しが溢れている。
- 平蔵さんと、一生懸命について回る片目の子猫の重郎の、おにぎりやチュールを分け合う健気なやり取りが本当に愛おしい。ワカルやモネなど、おバカだけど憎めない猫たちの個性豊かな日常に癒やされる。
- 基本的に1話8コマで完結するお話なので、どこから読んでもすっと物語に入り込めて、毎回優しい涙が流せる安心感が良い。おじさんや主婦、子供まで、誰の日常にもそっと寄り添ってくれる最高のご褒美本。
- 病気や貧困、失恋など、誰もが抱えるありふれた日常の寂しさや苦悩にスポットを当てて寄り添う視線がとにかく尊い。綺麗事ばかりの世の中で、この漫画だけは自分の「情けなさ」を優しく包み込んでくれる。
悪い所
- 1話が短いぶん、描かれている人生の過酷さや、孤独死、病気、虐待などの救いのない重い現実が胸にダイレクトに突き刺さる。精神的に弱っている時に一気読みすると、心が沈んでしまい読むのがキツい。
- 作者の個人的な手描き感を活かした絵柄なのは分かるが、カチッとしたデジタル作画に慣れている僕には少しラフすぎる(落書きっぽい)と感じた。背景やキャラクターの顔の歪みが、最初は少し気になった。
- 毎回「誰かが泣いている→平蔵が来て話を聴く→少し救われる」という1話完結の定番のオムニバス展開の繰り返しなので、長年読んでいるとマンネリを感じる。もう少し大きなストーリーの起伏が欲しかった。
- 最初はワカルの乱暴な態度や、モネの我が儘で自分勝手な行動に、読んでいて少しイライラしてしまった。平蔵さんや重郎たちが健気で我慢強いだけに、身勝手なキャラクターのワガママが少しノイズに感じた。
- WEBでの不定期更新ということもあり、単行本が出るスパンが年に1回近く空く刊行ペースの遅さが少しじれったい。一気読みしたいタイプなので、毎回次の巻が出る頃には前の話を忘れてしまうのが不満。
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