レビュー著者: 漫画よしあし
最終更新日:
同居人はひざ、時々、頭のうえ。 の感想と評価(良いところ、悪いところ)

同居人はひざ、時々、頭のうえ。
マークダウンで表示連載: COMICポラリス
評価: 9.2/10
あらすじ
他人に心を閉ざし、孤独に暮らす人嫌いのミステリー作家・朏素晴。ひょんなことから、お供え物のキャットフードをきっかけに、一匹の過酷な野良時代を過ごしたサバトラ猫・陽(ハル)を拾うことに。人間(素晴)と猫(ハル)のそれぞれの視点(W視点)から交互に紡がれる、不器用で愛らしいすれ違い日常ドラマ。素晴を『放っておけない不器用な奴』として姉御肌で看病しようとするハルと、彼女の行動に隠された愛に気づき、少しずつ他人に心を開いて社会と繋がっていく素晴の静かな成長。お互いをかけがえのない存在として育んでいく、涙と優しさに満ちた最高のキャットライフ・ストーリー!
良い所
- 私は「前半の素晴視点での戸惑いが、後半のハル視点で『実は彼を看病していた』と回収されるW視点の見事さ」に毎話ボロ泣きした。ただの猫の擬人化じゃなく、不器用なすれ違いが本当に愛おしい。
- 他人に心を閉ざしていた素晴が、ハルのお世話やフードの購入を通じて、周囲の人間(編集者や店員)の優しさに気づく成長劇に感動。ただの猫自慢マンガじゃない、不器用な男の再生ドラマとして秀逸。
- ご飯をねだる時の鳴き声や突然の猛ダッシュなど、美化しすぎない「リアルな猫の生態や仕草」の圧倒的な解像度が素晴らしい。猫を飼っている人なら絶対に120%共感できるシーンばかりで本当に愛おしい。
- 野良時代の亡くなった弟妹たちを想うハルの健気な回想と、素晴を「自分が守らなきゃいけない不器用な家族」と認識する姉御肌に涙が止まらない。お互いがお互いを必要とし合っている距離感に心が洗われる。
- 12巻の10周年エピソードも読んだけど、最初はお互いよそよそしかった二人が、今や完璧に心が通じ合って穏やかに暮らす日常が本当に尊い。こんなに長く愛がぎゅっと詰まったまま続いていて本当に大満足。
悪い所
- 他人の親切を邪険にしたり過剰に引きこもる、初期の素晴の極端な人嫌いと偏屈な性格に、僕は少しイライラしてしまった。人間としてあまりに面倒くさすぎて、最初の数巻は感情移入するのに少し時間がかかった。
- 前半の出来事を後半でハル視点でもう一度なぞるため、「1話ごとのストーリーの進展が非常にスローペースで、同じ場面の重複が多い」のが残念。一気読みすると、やや展開が遅くてマンネリに感じてしまう。
- 線の細い綺麗なイラストで、登場人物がみんな美形でお洒落に描かれすぎている女性向け漫画のノリが、硬派な日常系を期待していた僕には少し合わなかった。どこかファンタジーな「あざとさ」が少し気になる。
- ハルはとても可愛いけれど、実生活での「吐き戻しや粗相、抜け毛の掃除」といった猫を飼う本当の過酷さがややマイルドに美化されて描かれている。もう少し泥臭い、お世話の大変さにスポットを当ててほしい。
- 大きな事件やスリリングな宿敵とのバトルといった派手なストーリーの山場はないため、ただのほほんとした日常が続だけで退屈。一気に読むと起伏が薄く感じてしまうのが正直な本音。
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