レビュー著者: 漫画よしあし
最終更新日:
リクドウ の感想と評価(良いところ、悪いところ)
リクドウ
マークダウンで表示著者: 松原利光
連載: 週刊ヤングジャンプ
評価: 9/10
あらすじ
父の首吊り自殺、実母からのネグレクト、そしてヤクザの襲撃。地獄のような幼少期を過ごした少年・芥生リクが、自分を救ってくれた元ボクサーのヤクザ・所沢京介の『人を守れる強い拳』に憧れ、馬場ジムの門を叩く。リクにとってボクシングとは、ただのスポーツではなく、自らがこの世に生きて存在する証明そのものだった!神代や兵動といった宿命のライバルたちと、魂を削り合いながら這い上がっていく泥臭いサクセスストーリー。飛び散る汗とインクの熱量が凄まじい超絶的な作画。どれほど世界が残酷でも、幼馴染の苗代晴菜たちとの純粋な愛を糧に立ち向かう、ダークボクシングドラマの最高峰!
良い所
- 俺、リクが「自分が生きている証」として、魂を削りながら神代や兵動と拳をぶつけ合う死闘に本気で熱くなった。ただのスポーツ根性モノじゃない、生きるか死ぬかのサバイバルのような緊迫感が堪らない。
- 松原先生の一打の重さや飛び散る汗、インクが掠れるほど迫力のある格闘作画に度肝を抜かれた。ボクサーたちの歪む顔や筋肉の生々しさが凄まじくて、紙面から放たれる圧倒的な闘気に毎回シビれる。
- 施設育ちの幼馴染である苗代ちゃんと、リクが過酷な現実の中で不器用に純愛を育む姿に涙が止まらない。凄惨な世界だからこそ、二人が手を取り合って人間らしい優しさを取り戻していく姿に本気で救われた。
- 不器用ながらも親代わりとしてリクを陰から見守り続ける元ヤクザ・所沢との擬似親子のような深い絆に胸が熱くなる。所沢に憧れて這い上がってきたリクのボクシング人生は、究極の師弟愛のドラマだわ。
- 最終巻の世界王者デイヴィッド・カーンとのイギリスでのエキシビション決戦と、その後の救いのあるハッピーエンドが本当に完璧。すべてを出し尽くした彼らの静かな余生が見られて、最高の読後感だった。
悪い所
- 第1巻の父親の自殺や実母のネグレクト、目の前での強姦などのあまりに胸糞悪すぎる地獄のような序盤展開が、僕にはヘビーすぎてきつかった。ボクシングが始まるまでの数巻は、読むのにかなり体力がいる。
- リクの強さの説得力や、一部の試合展開において「格闘技の実体験」からすると少しご都合主義が強いファンタジーに感じる場面があった。もっとリアルで泥臭いスポーツとしての厳しさを期待していると冷める。
- 全23巻で綺麗に完結しているものの、カーン戦からエピローグにかけての展開が少し駆け足に感じられて、俺は少し物足りなさを感じた。もっと所沢の過去の深掘りや、トレーナーたちとの余韻を見たかったな。
- リクがボクシングをする動機が過去の凄惨なトラウマと直結しすぎているため、終始ピリピリして重苦しい空気感が続く。たまにはもっと普通の高校生らしい、明るい日常シーンやギャグも読みたかったのが本音。
- 相手ボクサーたちもみんな重い過去を背負いすぎていて、「救いようのない悪人」か「凄惨な被害者」の極端なキャラばかりで少しお腹いっぱいになる。もう少し普通の、清々しい好敵手との青春の死闘が見たかった。





