レビュー著者: 漫画よしあし
最終更新日:
鉄のラインバレル の感想と評価(良いところ、悪いところ)
鉄のラインバレル
完結連載: チャンピオンRED
評価: 7.8/10
あらすじ
工事現場の見学中、落ちてきた巨大な人型兵器の下敷きになった中学生が、ひとりの少女の願いで息を吹き返す。三年後、有り余る力を手にした少年は自分を「正義の味方」と言い放ち、粋がったまま敵をなぎ倒していく。その独りよがりが、止めに入った親友の命を奪う。打ちのめされたまま組織に身を寄せ、力の使いどころを一から問い直しながら戦場へ戻っていく。やがて明かされるのは、敵の正体だけでなく、この地球の前提そのものを覆す事実。装甲の線一本まで描き込まれた機体がぶつかり合い、話は月面での最終決戦へなだれ込む。粋がりの果てに人であることまで手放した少年が選び取る、まっすぐすぎる正義の行き着く先!
この作品が載っている特集
読む前に確認したい相性
向いている人
- 手に入れた力に溺れる主人公が、痛い目を見ながら少しずつ変わっていく過程をじっくり追いたい人
- ロボットの造形にこだわりがあって、装甲の線一本まで描き込まれた絵を見開きで存分に浴びたい人
- 世界の前提そのものがひっくり返る大仕掛けを、後半の畳みかけまで込みで楽しみたい人
向いていない人
- 白黒の紙面でも、誰が何をどう壊したのか一目で追える戦闘の絵でないと入り込めない人
- 大仰な言い回しの台詞が続くと気恥ずかしくなり、登場人物の八つ当たりが長引く展開に付き合いきれない人
- 驚かせる仕掛けを何度も重ねる構成より、まっすぐ筋の通った話をゆっくり味わいたい人
良い感想・レビュー
- ためらいなく人を見下す嫌らしさが後々まで消えない主人公で、力を得たとたん粋がりだす序盤にはかなり面食らった。痛い目を見ながら変わっていく道のりが、そのぶん重く響いてくる。
- 味方も敵も機体の造形が凝っていて、見開きで並んだだけで手が止まった。装甲の線一本まで描き込まれた重さの伝わる絵なのに、コマの中ではきちんと動いて見える。
- 後半に入ると、散らばっていた設定が次々につながりだす。世界の成り立ちごとひっくり返されるような種明かしにはうなったし、前のほうを読み返したくてページを戻した。
- 宇宙まで出て戦う場面が好きです。守るものを背にしてようやく、粋がるだけだった少年の顔つきが変わります。力そのものより使い道のほうが問われると気づいていく流れが丁寧でした。
- 終盤、自分に刃を向けてきた相手すら赦してみせる姿は、粋がっていた頃と同じ人物とは思えない。相手の想像をはるかに超えた気迫の啖呵が続けざまに飛び出し、最後の決戦まで熱が落ちない。
悪い感想・レビュー
- 戦闘のたびに、どの機体とどの機体がぶつかっているのか見分けられなくなる。線が細かすぎて敵味方の区別すらつかないので、途中から戦いの場面は流し読みになった。
- どちらが攻撃して何が壊れたのか、白と黒だけの絵から読み取るのはきつかったです。動きの速さを紙の上で追いきれないもどかしさがあり、大事な見せ場ほど置いていかれました。
- 人としての体を手放して決着をつける締め方には、どうしても引っかかりが残った。後から足された後日談も、話を丸く収めるための付け足しに見えてしまう。
- 台詞まわりが大仰で、笑ってしまう場面がいくつもあった。急に何年も先へ話が飛ぶうえ、こじらせた登場人物の八つ当たりが延々と続くのがしんどく、読む手が重くなる。
- ロボット漫画をあまり読まないせいか、戦闘の運びには最後までなじめませんでした。何より、イキった主人公の態度が鼻につき、序盤がかなり長く感じられました。










