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最終更新日:

ザ・シェフ の感想と評価(良いところ、悪いところ)

ザ・シェフ

著者: 加藤唯史剣名舞

連載: 週刊漫画ゴラク

ジャンル: ドラマ料理人情グルメ

評価: 8.1/10

あらすじ

特定の店を持たず、法外な報酬と引き換えに依頼人のどんな無理難題な料理でも完璧に作り上げる放浪の天才シェフ・味沢匠。冷徹で拝金主義の悪漢に見える彼は、しかし料理を通して崩壊寸前の家庭を立て直し、失いかけた料理人の誇りを呼び覚ます「食の治療師」だった。一流フレンチの調理技術や格調高いおもてなしの精神、料理を介して傷ついた人の心を再生していく極上の人情劇。加藤唯史の描くシリアスで重厚な劇画作画と、巨匠・手塚治虫の『ブラック・ジャック』へのオマージュを散りばめた極めて完成度の高いストーリーテリング。バブルグルメブームの熱気の中で描かれた、グルメ人情劇漫画不朽の最高峰!

良い所

  • 特定の店に属さず、法外な報酬で依頼を解決する天才料理人・味沢匠の孤高のヒーロー像が最高に格好いい。冷徹そうに見えて、料理を介して傷ついた人の心や料理人のプライドをそっと救う人情劇に感動した。
  • 単なる技術勝負やグルメ対決ではなく、料理を通じて人間の温かい心の再生を描く人情劇が本当に秀逸だ。毎回、深い苦悩や崩壊寸前の家庭を救う極上の一皿の説得力に、私自身読むたびに何度も深く涙した。
  • 加藤唯史先生の描く、シリアスで男らしい劇画調の作画と美しい料理の描写が素晴らしい。味沢の鋭い眼光や無駄のない包丁さばきの躍動感が格好よく、1980年代のクラシカルなフレンチの世界に深く引き込まれる。
  • 一流フレンチの調理技術や、おもてなしの精神など、プロフェッショナルとしての厳しい職人魂に深く感銘を受けた。お料理の美味しさだけでなく、料理人が背負うべき誇りや哲学がとても高い熱量で描かれている。
  • 1話完結のオムニバスとして毎回お話の起承転結が非常に綺麗にまとまっており、サクサクと読めて非常に完成度が高い。どこから読んでもハラハラしつつ、最後にはホッとできる大人のための贅沢な名作だと思う。

悪い所

  • 無頼の天才が法外な報酬を吹っ掛けて人を救う設定が、名作「ブラック・ジャック」の二番煎じにしか見えなかった。オマージュというよりはほぼそのまま料理に置き換えただけのパクリ感に、少し白けてしまった。
  • 1985年の連載開始なため、当時のサラリーマン像や、1食に数千万円を平気で支払う富豪たちのバブル期の非現実的な金銭感覚に戸惑った。現代の常識から見ると、時代遅れな人間関係や価値観が鼻につく。
  • 長期連載ながら、味沢が冷たく吹っ掛けて美味しい料理で人を救い去っていくというお決まりの展開の繰り返しで飽きが早い。一気にまとめて読むと、あまりにも同じパターンの連続で少し退屈に感じてしまった。
  • 最近の非常にクリアなデジタルグルメ漫画に慣れていると、白黒のスクリーントーンによる料理の作画の簡素さに物足りなさを覚えた。解説は詳しいが、肝心の料理に美味しそうなしずる感や迫力が少し足りない。
  • 基本的に1話完結の事件解決ものなので、作品全体を通したストーリーの大きな進行や縦軸が皆無だ。もっと長期的なライバル関係や、主人公の人生が劇的に変わっていくような大きな人間ドラマを読みたかった。

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