レビュー著者: 漫画よしあし
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レッドブルー の感想と評価(良いところ、悪いところ)
良い所
- 主人公の青葉が、いわゆる「格好いいヒーロー」ではなく、嫉妬や劣等感、相手を引きずり下ろしたいというドロドロした負の感情を原動力に戦っているのが非常にリアルで面白い。格闘技漫画の新しい地平を感じます。
- 総合格闘技の技術解説が非常にマニアックで丁寧。単なる力押しではなく、寝技の攻防や関節技の極め方など、論理的な駆け引きが描かれているので、格闘技ファンも納得のいく読み応えがあります。
- 波切先生の描くバトルの迫力が凄まじい。汗や吐息が伝わってくるような生々しい描写に、ページをめくる手が止まりません。特に青葉が「一矢報いる」瞬間のカタルシスは格別です。
- 赤沢という圧倒的なライバルの存在感が秀逸。彼に対する青葉の屈折した感情が、物語に強い緊張感を与え続けています。爽やかな青春ものでは味わえない、人間の本能を刺激する泥臭さがこの作品の魅力です。
- 周囲のキャラクターたちも一癖も二癖もあり、それぞれの格闘技にかける想いや執念が描かれているのが良い。単なる主人公の成り上がりだけでなく、MMAという厳しい世界のリアリティを多角的に楽しめます。
悪い所
- 主人公・青葉の性格がかなり屈折しており、言動に共感できないという読者もいるかもしれません。彼の「負のエネルギー」に寄り添えるかどうかが、この作品を楽しめるかどうかの最大の分かれ目だと言えます。
- 格闘技の描写が生々しいため、骨が折れる音や流血、激しい打撃といった描写に耐性がない人には、読んでいてかなりきついと感じるシーンも少なくありません。ある程度の覚悟が必要な作品です。
- 技術的な解説が非常に細かいため、全く格闘技のルールを知らない人が読むと、バトルの攻防が何を目的に行われているのか少し理解しづらいと感じてしまう場面があるかもしれません。注釈や読み込みが必要。
- 全体的に「爽やかさ」がほぼ皆無なので、読後感に清々しさを求めている時には、少しドロッとした感情が残りすぎて重く感じてしまうことも。あくまで「執念の結末」を見届けるための覚悟が求められます。
- 青葉の成長スピードがいくらなんでも早すぎて、時々ご都合主義に感じてしまうのが不満。特定の技一つで大逆転するのではなく、もっとお互いの戦略が泥沼にハマるような、ギリギリの死闘をじっくり読みたかった!





