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レビュー著者: 漫画よしあし
最終更新日:

血と灰の女王 の感想と評価(良いところ、悪いところ)

血と灰の女王

血と灰の女王

著者: バコハジメ

連載: マンガワン/裏サンデー

ジャンル: ファンタジーアクションサスペンス

評価: 8.8/10

あらすじ

富士山の噴火を機に、人知を超えた力を操る「吸血鬼」へと変貌した人々。バコハジメが描く、日本の支配権を巡る血塗られたトーナメントバトル。平凡な少年・ドミノが、圧倒的なカリスマを持つ少女・ゼノビアと出会い、自らも修羅の道へと身を投じていく。王道的でありながら、凄まじい熱量とスタイリッシュな暴力、そして「戦士としての覚悟」を問い直す重厚な異能力アクション。

良い所

  • とにかくバトルシーンの熱量が凄まじい!バコハジメ先生の描くキャラクターたちが、命を懸けて「正義」や「野望」をぶつけ合う姿に魂を揺さぶられます。中だるみがなく、常にクライマックスのような緊張感があります。
  • 王道の能力バトルものですが、構成が非常に緻密。キャラクター一人一人の背景描写がしっかりしているため、敵役であっても散り際に美学を感じます。伏線の回収も見事で、ストーリー漫画としての完成度が非常に高い。
  • 描写がスタイリッシュで格好良い。能力の使い方が独創的で、ただの力押しではない戦略的な面白さもあります。特に主人公ドミノが絶望的な状況を「覚悟」と「知略」で打破する瞬間は最高にスカッとします。
  • 一言一言のセリフに重みがあり、作家の情熱がダイレクトに伝わってきます。最近の漫画には珍しい、泥臭いまでの熱血さと、洗練されたアクションが同居している点に強く惹かれました。
  • 後半に向かうにつれて物語のスケールがどんどん大きくなりますが、個人の心情を決して疎かにしないのが素晴らしい。読むたびに「自分も何かのために全力で戦いたい」と思わせてくれるようなパワーがある作品です。

悪い所

  • 作品全体を通して、かなり残虐でグロテスクな描写が多用されています。手足の損壊や凄惨な死に様が頻発するため、そうした暴力表現に耐性がない方には、物語を楽しむ以前に心理的なハードルが高いかもしれません。
  • バトルのテンションが常に最高潮なので、勢いに圧倒されてしまい、冷静に物語を追いたい時には少し疲れてしまうことも。もう少し日常パートや、緩急のある展開を好む人には不向きなエネルギー量かもしれません。
  • 初期の、もう少し地に足のついたサスペンス要素を好んでいた身としては、後半の超巨大スケールなインフレバトルに対して、少し置いてけぼりを感じてしまう場面がありました。王道バトルに振り切った感があります。
  • 一部のキャラクターの思想や行動原理がかなり過激で、共感しづらいというか、理解の範疇を超えていると感じる瞬間もありました。ある程度の「狂気」を受け入れられる読者でないと、深く入り込むのは難しいかも。
  • 掲載媒体の関係か、最新話に追いつくまでのスピードが非常に早いため、じっくり一コマ一コマを読み込みたい身としては、物語の展開の速さに置いていかれそうになることが稀にありました。

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