レビュー著者: 漫画よしあし
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ちはやふる の感想と評価(良いところ、悪いところ)
良い所
- 「静」のイメージだった百人一首が、これほどまでに熱く、激しいスポーツだったのかと、一気に世界観が変わりました!札を払う瞬間のスピード感や指先の緊張感が、末次先生の美麗な筆致で描かれ、鳥肌が止まりませんでした。
- 千早、新、太一の3人の、かるたを通じた深い絆と切なすぎる恋愛模様に、毎巻心をかき乱されました。特に太一の、才能の壁にぶつかりながらも千早のために必死に足掻く姿には、全読者が涙したのではないでしょうか。
- 主人公だけでなく、対戦相手や大人たちの「かるたに懸ける人生」まで丁寧に描かれているのが本当に素晴らしい。どの試合も単なる勝ち負けではなく、それぞれの誇りがぶつかり合うドラマとして完璧に成立しています。
- 末次由紀先生の描く、和の美しさとキャラクターの瑞々しさが融合した画面構成がとにかく美しい。言葉一つ一つの選び方も繊細で、古典文学としての百人一首の魅力も再発見させてくれる、知的な興奮も味わえる名作です。
- 長期連載の最後、名人戦・クイーン戦の着地点があまりに綺麗で、読み終えた後は大きな感動と清々しい達成感に包まれました。50巻という長さを全く感じさせない、一生大切にしたいと思える最高の青春物語でした。
悪い所
- 千早が「かるたバカ」すぎて、周囲の好意や気遣いにあまりに鈍感なところに、たまにイライラしてしまう場面がありました。真っ直ぐなのは良いのですが、もう少し人間関係の機微に配慮して!ともどかしくなることも。
- 50巻というボリュームは、読み始めるのにかなりの勇気が必要です。かるた部の日常をもっとコンパクトにまとめても良かったかなと思う回もあり、途中で展開が停滞しているように感じる時期が少しありました。
- かるたのルールや札の覚え方などの専門的な解説が非常に多いので、興味がない人には少し説明過剰に感じられるかもしれません。スポーツ漫画として楽しめますが、和歌の解釈にまで踏み込むと少しハードルが高く感じることも。
- 一部の対戦相手のキャラクターが、少しステレオタイプというか記号的に感じられることがありました。メインキャラの描写が深すぎるだけに、使い捨てのような扱いをされている脇役がいるのが、少し勿体ない気がします。
- 恋愛要素の決着について、自分の「推し」が報われなかったことへのショックが大きく、しばらく最終巻を受け入れられませんでした。非常に納得のいく着地ではありますが、感情が追いつかないほど切ない展開でした。





