レビュー著者: 漫画よしあし
最終更新日:
それでも歩は寄せてくる の感想と評価(良いところ、悪いところ)
それでも歩は寄せてくる
マークダウンで表示著者: 山本崇一朗
連載: 週刊少年マガジン
評価: 8.8/10
あらすじ
自称・将棋部部長の高校2年生・八乙女うるしと、彼女を慕って入部した将棋初心者の1年生・田中歩。歩の目的はただ一つ。『将棋で先輩に平手で勝ったら、告白する』。無表情のまま『先輩は可愛いです』とド直球の口説き文句を放つ歩と、その不意打ちに毎回真っ赤になって動揺するチョロ可愛いうるし先輩。盤上と日常で繰り広げられる、もどかしすぎる二人の恋の王手(王手飛車)の掛け合い。おでこがチャームポイントのうるし先輩の表情豊かな可愛さと、ダラダラ引き伸ばさず卒業式の日までを駆け抜ける全17巻の美しい構成。からかいの系譜を継ぐ、純度100%の青春将棋ラブコメディの金字塔!
良い所
- 私は無表情の歩から放たれるド直球の「先輩、可愛いです」という攻めと、それに対していちいち赤面して悶えるうるし先輩のやり取りに悶え死んだ。この純度100%の尊さは日々のストレスに効く最高のサプリ。
- 山本崇一朗先生の描く「おでこ部長」こと、うるし先輩のコロコロ変わる表情と赤面顔が反則レベルで可愛い!高木さんとは違って、攻めようとして自分が自爆して照れまくる先輩の姿に、毎回ニヤニヤさせられる。
- 全17巻で無駄なくきれいに完結したのが本当に素晴らしい。うるし先輩の高校卒業と、約束通りの「告白を懸けた最後の一戦」を描く最終回の王道さは、第1話の対局の伏線も見事に回収していて、ガチで感動した。
- ただのいちゃいちゃ漫画じゃなく、後輩の凛ちゃんの切なすぎる片想いエピソードなど、脇を固めるメンバーの人間関係もしっかり描かれている。甘酸っぱい「これぞ青春」という空気感を存分に楽しめる傑作。
- 将棋のルールをよく知らなくても、「将棋で勝つまで告白しない」という歩の頑固なこだわりが一本筋が通っていて応援したくなる。盤上での静かな戦術の駆け引きが、二人の恋愛の距離感と重なっていて面白い。
悪い所
- 基本的には「歩が口説く→先輩が照れる→将棋を指す」というショート発祥ならではの定番パターンの繰り返しなので、17巻を一気に通して読むと、良くも悪くも変化が少なくて少しマンネリに感じてしまった。
- 将棋部が舞台のわりには、対局中の指し手や盤面の詳細な解説が非常に大まか。戦術や本気の棋士の死闘を期待して読むと、「将棋はただいちゃつくための口実(背景)にすぎない」と肩透かしを食らうかも。
- 歩を健気に想い続けていた後輩の凛ちゃんが失恋して身を引く決着が、私的にはちょっと切なすぎて可哀想だった。メインカップルのためとはいえ、彼女の恋が少しあっさり整理されすぎたようで心が痛んだ。
- 歩が頑なに「勝つまで告白しない」と引き延ばすため、お互いの気持ちが丸分かりなのに中々関係が進まないじれったさに、せっかちな僕は少し退屈した。もっと早く付き合ってからのノロケが見たかったな。
- 女の子たちがおでこや特定のパーツを強調した山本先生特有の「いつもと同じ美少女デザイン」に見えてしまい、前作の高木さんとのキャラ的な新鮮味が薄い。違う作風のヒロインも見てみたかったのが本音。





