レビュー著者: 漫画よしあし
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ビッグオーダー の感想と評価(良いところ、悪いところ)
良い所
- 各キャラクターの願いが能力になるというコンセプトがユニークで、能力同士のぶつかり合いに異能バトルとしての楽しさを感じます。「その願いがその能力になるのか」という発見が毎回あって面白かったです。
- 次の展開が全く読めないスピード感はえすの先生ならでは。デスゲームとは違う「支配vs反乱」という構図の中に、著者らしい引きの強さがあって、次巻を読まずにいられなくなります。
- 妹の瀬奈を守るためだけに戦うエイジという一本筋の通った動機が、世界規模の能力を持つ主人公に人間的な温かさを与えています。デカい力を持つ主人公に共感できるのはここのおかげです。
- 敵キャラの「願い」の背景が明かされるシーンは、単なる障害として見ていた相手が突然リアルな人間として見えてきて、ハッとさせられます。能力よりも動機の掘り下げを見せてくれる部分が一番好きでした。
- 短い巻数で大きな世界観を描ききろうとする密度は荒削りながら熱量があって、えすの作品ならではの「カオスに乗っかる楽しさ」を愛せる人には確実に刺さります。
悪い所
- バトル中に能力ルールをキャラクターが延々と説明するのが読んでいて本当につらくて、アクションの勢いを毎回そこで削がれる感じがしました。テンポの悪さは最後まで気になり続けました。
- 能力の解釈が場面によって広がりすぎて、「それはさすがに無理があるのでは」と覚めてしまう展開がいくつかありました。ご都合感が強い箇所は、折角の心理戦の面白さを台無しにしています。
- シリアスなシーンのはずなのに笑えてしまう間の悪さがあって、作品に乗り切れないまま読み進めてしまったのが正直なところです。ギャグとシリアスのトーンが噛み合っていない感覚が続きました。
- キャラクターへの愛着が生まれる前に話が進んでしまうので、能力のトリックは面白くても誰かを応援する気持ちが生まれにくかったです。もっとキャラクターを温めてから動かしてほしかった。
- 物語の収束が急すぎて、「え、もう終わり?」という消化不良感が残ります。伏線の丁寧な回収を期待していただけに、キャラたちの「その後」を見ないまま終わってしまう寂しさが大きかった。




