レビュー著者: 漫画よしあし
最終更新日:
ふつつかな悪女ではございますが ~雛宮蝶鼠とりかえ伝~ の感想と評価(良いところ、悪いところ)
ふつつかな悪女ではございますが ~雛宮蝶鼠とりかえ伝~
連載: 月刊コミックZERO-SUM
ジャンル: 後宮・宮廷/コメディ/入れ替わり/中華ファンタジー
評価: 9.2/10
あらすじ
『殿下の胡蝶』と謳われる美しく病弱な名家の雛女・黄玲琳は、宮中一の嫌われ者である朱慧月の手によって肉体を入れ替えられ、その犯人として死を目前にする。だが、常に死と隣り合わせの超病弱生活を送ってきた玲琳の精神(メンタル)は鋼鉄そのもの! むしろ健康な身体を手に入れたことを大喜びし、幽閉先を楽園に変えるほどの逞しさで過酷な逆境を次々と打破していく。尾羊英の美麗な作画で描かれる、宮中に渦巻く陰謀と愛憎、入れ替わりの真相を巡る謎解きを盛り込んだ、かつてない『鋼メンタル悪女(中身は聖女)』の後宮入れ替わり逆転中華ファンタジー!
読む前に確認したい相性
向いている人
- 病弱ゆえに培われた鋼のメンタルでどんな逆境もポジティブに乗り越えるヒロインの痛快さに笑える人
- 後宮を舞台にした入れ替わり設定と、それによって二人の関係に生じる変化や意外な絆を楽しめる人
- コメディと後宮の権力闘争が混在する、読み応えのある中華ファンタジーを求めている人
向いていない人
- 序盤の明るいコメディが巻数と共にシリアスな権力闘争・複雑な設定へ移行すると付き合いにくくなる人
- 原作小説を読んでいないとキャラクターの行動理由が省略されて唐突に感じやすい人
- 鋼のメンタルで何でも解決してしまうため、物語の緊張感やハラハラ感を強く求める人
良い感想・レビュー
- 私は病弱な体から健康な肉体を手に入れて大喜びし、幽閉先の過酷な環境を「楽園」にしてしまう玲琳の圧倒的な鋼メンタルにガチで惚れた。雑草を美味そうに食べて体力をつける逞しさが面白すぎて最高!
- 単なる復讐劇じゃない。玲琳の健康に感謝するピュアな心と、彼女の元の身体がいかに壮絶に病弱で苦しかったかを思い知る慧月の葛藤の対比が秀逸。二人の奇妙な絆と心の成長に本当に感動させられる。
- 尾羊英先生の描く、きらびやかな中華後宮の調度品や美しい刺繍、キャラクターたちの華やかな衣装の圧倒的な描き込みが素晴らしい。1コマ1コマの美しさに見惚れて、物語の世界観に深く没入できる。
- 玲琳の常識外れなタフさに翻弄される女官の冬雪や、最初は冷たかった尭明殿下たちが彼女の本質に触れてどんどん惹かれていく過程が尊い。誰もが彼女の野生的な魅力に毒されていくサクセス劇が面白い。
- 最新8巻での玲琳の過去の病弱生活の凄惨な詳細が明かされる回想シーンと、彼女の本質に気づいた尭明殿下の心の動きの繊細な描写に本当に泣かされた。ちゃんと積み上げた伏線を回収する、丁寧な物語構造が素晴らしい。
悪い感想・レビュー
- 「お嬢様がバグレベルの鋼メンタルで何でもポジティブに解決する」というお決まりのコメディパターンが基本的にずっと続いていくため、一気読みすると少しワンパターンに感じてマンネリ化する部分がある。
- 後宮を舞台にした「女同士の陰湿な嫌がらせや、他の雛女たちのよくある足の引っ張り合い」のドロドロした描写が、僕には少しテンプレ的で退屈だった。もっと初期の、玲琳と慧月二人のやり取りを深く見たかった。
- 月刊連載なのもあって、物語の全体の謎(なぜ入れ替わりが起きたのか、黒幕の目的)の進行が非常にスローペースでじれったい。新刊が出るまでに時間があくので、途中で話のテンポが冷めてしまうのが本音。
- 主人公の玲琳が、何でもかんでもポジティブに捉えて周囲を無理やり感化していく無敵の聖人っぷりに、少し現実味がなさすぎて冷めてしまう瞬間があった。もう少し、彼女自身の生々しい弱さや失敗が見たい。
- コミカライズ版は非常に丁寧で綺麗なんだけど、原作小説の持つ、言葉の細かな駆け引きや中華ファンタジーならではの重厚な設定解説が、漫画だと少しマイルドに削られている。原作の深い文章を好む人には物足りない。
良い感想・レビュー
悪い感想・レビュー
私は病弱な体から健康な肉体を手に入れて大喜びし、幽閉先の過酷な環境を「楽園」にしてしまう玲琳の圧倒的な鋼メンタルにガチで惚れた。雑草を美味そうに食べて体力をつける逞しさが面白すぎて最高!
「お嬢様がバグレベルの鋼メンタルで何でもポジティブに解決する」というお決まりのコメディパターンが基本的にずっと続いていくため、一気読みすると少しワンパターンに感じてマンネリ化する部分がある。
単なる復讐劇じゃない。玲琳の健康に感謝するピュアな心と、彼女の元の身体がいかに壮絶に病弱で苦しかったかを思い知る慧月の葛藤の対比が秀逸。二人の奇妙な絆と心の成長に本当に感動させられる。
後宮を舞台にした「女同士の陰湿な嫌がらせや、他の雛女たちのよくある足の引っ張り合い」のドロドロした描写が、僕には少しテンプレ的で退屈だった。もっと初期の、玲琳と慧月二人のやり取りを深く見たかった。
尾羊英先生の描く、きらびやかな中華後宮の調度品や美しい刺繍、キャラクターたちの華やかな衣装の圧倒的な描き込みが素晴らしい。1コマ1コマの美しさに見惚れて、物語の世界観に深く没入できる。
月刊連載なのもあって、物語の全体の謎(なぜ入れ替わりが起きたのか、黒幕の目的)の進行が非常にスローペースでじれったい。新刊が出るまでに時間があくので、途中で話のテンポが冷めてしまうのが本音。
玲琳の常識外れなタフさに翻弄される女官の冬雪や、最初は冷たかった尭明殿下たちが彼女の本質に触れてどんどん惹かれていく過程が尊い。誰もが彼女の野生的な魅力に毒されていくサクセス劇が面白い。
主人公の玲琳が、何でもかんでもポジティブに捉えて周囲を無理やり感化していく無敵の聖人っぷりに、少し現実味がなさすぎて冷めてしまう瞬間があった。もう少し、彼女自身の生々しい弱さや失敗が見たい。
最新8巻での玲琳の過去の病弱生活の凄惨な詳細が明かされる回想シーンと、彼女の本質に気づいた尭明殿下の心の動きの繊細な描写に本当に泣かされた。ちゃんと積み上げた伏線を回収する、丁寧な物語構造が素晴らしい。
コミカライズ版は非常に丁寧で綺麗なんだけど、原作小説の持つ、言葉の細かな駆け引きや中華ファンタジーならではの重厚な設定解説が、漫画だと少しマイルドに削られている。原作の深い文章を好む人には物足りない。




