レビュー著者: 漫画よしあし
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あおのたつき の感想と評価(良いところ、悪いところ)
あおのたつき
著者: 安達智
連載: ゼノン編集部
ジャンル: ファンタジー/ヒューマンドラマ/時代劇/青年マンガ
評価: 8.6/10
あらすじ
江戸最大の遊郭・新吉原。生者と死者の情念が渦巻くこの街で、売れっ子遊女のあおは、不思議な神社「鎮守の社」に迷い込む。そこは、強く救いを求める者だけが辿り着く、浮世と冥土のはざま。あおは社の宮司・楽丸とともに、悲しい過去を背負って亡くなった遊女たちの魂を救うため、彼女たちの人生を紐解いていく。日本画を彷彿とさせる繊細で美しい筆致で描かれる、美しくも残酷な吉原の真実。過酷な運命に翻弄された女性たちの未練を解きほぐし、魂の救済を描く鎮魂の物語。江戸の情緒と切ない人間模様が交錯する、珠玉の和風ファンタジーの傑作!
良い所
- 江戸・吉原という過酷な舞台で、遊女たちの切ない想いを救う物語に毎回号泣してしまいました。あおちゃんの凛とした強さと、時折見せる優しさが本当に美しくて、心が浄化されるような感覚になれる最高の作品です。
- 日本画や浮世絵を思わせる圧倒的に美しい作画に一目惚れしました!着物や小物の描き込みが細部まで丁寧で、まるで贅沢な画集を眺めているような気分になれます。江戸の情緒とファンタジーの融合が見事な傑作です。
- あおと宮司の楽丸、二人の絶妙なバディ関係に癒やされます。重いテーマを扱っていますが、二人の掛け合いが適度なスパイスになっていて、暗くなりすぎず読み進められるバランス感覚が素晴らしいと感じました。
- 遊女の悲しい過去を知るたびに、胸が締め付けられるほどの感動を覚えます。単なる怪異譚ではなく、人間の業や愛を深く描いた重厚な人間ドラマ。私にとって、読み終わるたびに大切にしたいと思える特別な漫画です。
- 吉原の歴史や風習についても細かく描かれており、知的好奇心が刺激される面白さがあります。当時の女性たちが何を思い生きていたのかを真摯に描く作者の熱意に圧倒されました。一気に最新刊まで読み耽るほど夢中です。
悪い所
- 遊女たちの悲惨な境遇や凄惨な最期の描写がかなりリアルなので、読んでいて精神的に削られる時がありました。吉原の闇を直視する覚悟が必要なほど重い作品なので、心が元気な時じゃないと正直読むのがしんどいです。
- 江戸言葉や当時の専門用語が多用されているため、慣れるまではセリフが読みづらく感じました。物語の雰囲気は抜群に良いのですが、内容を正確に把握するのに少し時間がかかってしまい、私は少し疲れを覚えましした。
- 絵柄が非常に個性的で芸術性は高いですが、キャラクターの見分けがつきにくい瞬間がありました。全員が和装なのもあって、誰がどのキャラだか混乱することがあり、もう少し明確な描き分けが欲しかったです。
- 魂の救済を一人ずつじっくり描くスタイルゆえに、物語の展開がゆったりしすぎている気がしました。サクサクと大きなストーリーの進展を期待している私には、少しテンポが遅く感じられてヤキモキしてしまいました。
- 怨念や情念といったドロドロした要素がメインなので、全体的に暗い空気感が漂っています。救いはありますが、救われるまでの過程が辛すぎる話も多い。もう少し明るい日常のエピソードも増やして欲しかったのが本音です。





