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怪獣自衛隊 の感想と評価(良いところ、悪いところ)

怪獣自衛隊

怪獣自衛隊

著者: 井上淳哉/白土晴一(企画協力)

連載: コミックバンチKai/月刊コミックバンチ

怪獣サバイバル軍事パニックSF

評価: 8.7/10

あらすじ

令和X年、太平洋で海底地すべりによる大津波が発生し、その後、巨大な怪獣が現れる。ヒーローはいない世界で、自衛隊、防衛大学校出身の新人などが“怪獣災害”に対応し、国や政府の混乱、命を守るための矜持、社会の葛藤を描きながら人類が生き残りをかけて戦っていく物語。

良い所

  • 怪獣の描写が非常に迫力があって、ただ破壊するだけでなくその存在感と恐怖感がリアルに伝わってくる。
  • 自衛隊や政府の対応が緻密に描かれており、政策・指揮系統・人間の弱さが見えることで物語に厚みがある。
  • 主人公たちがただ強いわけではなく、それぞれにバックボーンや迷いがあり、“守る”という責任を背負って行動する姿が感動的。
  • 災害と怪獣という2つの脅威を重ねて描いていて、自然の怖さ+未知の敵への恐怖という構図が読者に刺さる。
  • 話の展開がスリリングで、巻が進むごとにスケールが大きくなっていき、次が気になって手が離せない。

悪い所

  • 登場人物が多く、それぞれの立場や思惑が入り組んでいるせいで、誰が何をしているか分かりにくく感じる章がある。
  • 怪獣が出てこない導入・準備期間が長く、アクションを早く見たい人には物足りないと思われる部分がある。
  • 政府・政治的な描写が増えてくると、話の焦点が怪獣戦だけでなくなるため、怪獣バトルを求める読者にはペースが遅く感じることがある。
  • 一部で“ご都合主義”的な展開があり、自衛隊が思ったよりスムーズに活躍する場面などでリアリティを疑ってしまう場面がある。
  • ヒルコ編など大きな戦いが一区切りつく巻では、勝利感・収束感があるが、その後の展開で新しい敵・設定が立て続けに投入されて少し疲れる。

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