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しょせん他人事ですから ~とある弁護士の本音の仕事~ の感想と評価(良いところ、悪いところ)

しょせん他人事ですから ~とある弁護士の本音の仕事~

しょせん他人事ですから ~とある弁護士の本音の仕事~

著者: 左藤真通清水陽平

連載: コミックDAYS

ジャンル: 社会ヒューマンドラマ

評価: 8.6/10

あらすじ

「しょせん他人事ですから」。そう言い放つ変わり者の弁護士・保田理。彼は、SNSでの誹謗中傷、情報開示請求、ネット炎上など、現代特有の「ネットトラブル」を専門に扱う。左藤真通と富士屋カツヒトが贈る、冷徹かつ論理的なリーガルドラマ。依頼人の感情に流されず、法的な損得のみを追求する保田が導き出す、残酷なまでにリアルな解決策とは。現代を生きるすべての人への、警告と救いの物語!

良い所

  • ネットトラブルの手続きが非常に具体的で、実用書としても通用するほど勉強になります。開示請求のプロセスやプロバイダの対応など、監修の弁護士が入っているからこそのリアリティが他の追随を許しません。
  • 主人公の保田弁護士が、「いい人」を演じず淡々と職務を遂行する姿が最高にクールです。綺麗事ではなく、法的なメリットとデメリットを明確に提示するスタイルは、プロとしての誠実さを強く感じさせます。
  • 誹謗中傷をした側の心理や、その後の悲惨な末路がリアルに描かれているのが衝撃的でした。「匿名だから何を言ってもいい」という幻想を打ち砕く展開は、現代社会への強い警告になっていて引き込まれます。
  • 助手(パラリーガル)との軽妙な掛け合いが、重いテーマの中での良い清涼剤になっています。法的な解説も噛み砕いて説明されているので、難しい法律知識がなくても物語をスムーズに楽しむことができました。
  • ネットの悪意に曝された被害者の絶望から、法的に正当な権利を勝ち取るまでのカタルシスが凄いです。「しょせん他人事」という言葉の裏にある、保田なりのプロフェッショナリズムに、最後は感動すら覚えます。

悪い所

  • 物語が常に冷静かつ淡々と進むため、熱血系の法廷ドラマを期待する人には少し物足りなさを感じるかもしれません。劇的な逆転満塁ホームランのような演出よりも、地道な事務処理の積み重ねがメインです。
  • ネット上の醜悪な悪意や、加害者の卑屈な心理描写が非常にリアルなため、読んでいて気分が沈んでしまうことがあります。現実世界の嫌な部分をまざまざと見せつけられるので、ある程度の精神的覚悟が必要です。
  • 主人公があくまで「法的な解決」を優先するため、被害者の心のケアや救済については二の次にされがちです。心情的な救いを求めている読者にとっては、少し突き放されたようなドライさを感じる可能性があります。
  • 設定やトラブルの内容がSNSに特化しているため、デジタルツールに疎い世代には用語の理解が難しいかもしれません。ある程度、現在のネット文化を知っていることが前提となっている作風だと感じました。
  • エピソードによっては、解決策が法的な事務手続きだけで終わってしまうため、物語としての華やかさに欠ける部分があります。もっと、法廷での舌戦や駆け引きが見たいという人には、少し地味に映るかもしれません。

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