レビュー著者: 漫画よしあし
最終更新日:
おやすみプンプン の感想と評価(良いところ、悪いところ)
おやすみプンプン
著者: 浅野いにお
連載: 週刊ヤングサンデー/週刊ビッグコミックスピリッツ
評価: 9.3/10
あらすじ
落書きのようなヒヨコの姿で描かれる主人公・プンプンが、機能不全な家庭環境や初恋の少女・愛子ちゃんへの執着に翻弄されながら大人へと成長していく物語。浅野いにおが圧倒的な写実描写とシュールな演出で描き出す、純粋すぎるがゆえに壊れていく少年の残酷なクロニクル。自己意識の暴走、性的衝動、そして救いのない現実との乖離。思春期特有の痛みを鋭くえぐり出し、読む者の心に拭い去れない傷跡を残す、異形にして至高の青春群像劇。自分の心の奥底に隠したはずの闇を容赦なく引き摺り出す、トラウマ必至の衝撃作にして人間賛美の傑作!
良い所
- プンプンだけが落書きのような姿で描かれる独創的な表現に、一瞬で心を奪われました。緻密な背景描写とのコントラストが凄まじく、現実と幻想が入り混じる唯一無二の世界観にどっぷりと浸れる素晴らしい名作です。
- 誰にも言えない心の闇や卑屈さをここまでリアルにえぐり出した漫画は他にありません。読むたびに自分の嫌な部分を突きつけられますが、それが不思議と救いになり、深い共感と共に魂を激しく揺さぶられました。
- 初恋の少女・愛子ちゃんへの狂気すら感じる執着心が、美しくて残酷で涙が止まりませんでした。思春期の危うい感性や痛々しさが丁寧に描かれていて、一生忘れられないトラウマ級の感動を私に刻みつけてくれました。
- 浅野いにお先生の圧倒的な画力と、文学的で鋭いセリフの数々に終始圧倒されっぱなしでした。絶望のどん底を描いているはずなのに、どこか優しさを感じる不思議な読後感があり、人生のバイブルとして大切にしています。
- ページをめくるたびに、忘れかけていた青春の鋭利な痛みを思い出して胸が苦しくなりました。人間の醜さも美しさも全てをさらけ出す誠実な作風に痺れます。読む人を選びますが、刺さる人には一生モノの傑作です。
悪い所
- 全編を通して救いがなく、あまりにも絶望的な展開が続くため、読んでいて精神的にかなり病んでしまいました。心が元気な時じゃないと最後まで読み進めるのは本当にキツく、体力をゴリゴリ削られる作品です。
- 性的で過激な描写や、理不尽な暴力シーンが想像以上に多くて、正直に言って引いてしまいました。倫理的に受け入れがたい場面もあり、万人に勧められる内容ではありません。読み終わった後の後味の悪さが凄いです。
- 後半に進むにつれて物語が抽象的かつ哲学的になりすぎて、私には難解で理解が追いつきませんでした。初期のノスタルジックな雰囲気が好きだった分、急激な超展開や宗教的な要素には少し戸惑いを感じてしまいました。
- 主人公のプンプンが自意識過剰で卑屈すぎる行動をとるため、共感するどころかイライラしてしまう瞬間が多々ありました。もう少し前向きな成長が見たかったのですが、ひたすら堕ちていく姿を見るのはしんどかったです。
- 落書きのようなキャラ造形に最後まで馴染めず、真面目なシーンでも冷めた目で見てしまうことがありました。背景は綺麗なのに人物だけ浮いている違和感が気になり、物語の世界に深く没入できなかったのが残念です。
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