レビュー著者: 漫画よしあし
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宇宙兄弟 の感想と評価(良いところ、悪いところ)
宇宙兄弟
著者: 小山宙哉
連載: モーニング
評価: 9.5/10
あらすじ
2025年。かつて兄弟で宇宙を目指すと誓い合った南波六太と日々人。弟・日々人は約束通り宇宙飛行士となり、月面長期滞在クルーとして脚光を浴びていた。一方、兄・六太は会社をクビになり無職のどん底。しかし、弟からのメールと母の独断で送られたJAXAの願書を機に、30歳を過ぎてから再び夢への挑戦を決意する。緻密な取材に基づくリアルな宇宙開発の舞台裏と、挫折を繰り返しながらも一歩ずつ進む六太の姿を圧倒的な熱量で描く。「俺の敵は、だいたい俺です」――数々の名言が胸を打つ、大人が夢を追うことの尊さを教えてくれるヒューマンドラマの金字塔!
良い所
- 「俺の敵は、だいたい俺です」という名言に震えました。失敗ばかりのムッタが、知恵とユーモアで道を切り拓く姿に、何度も勇気をもらいました。大人になってから夢を追うことの尊さを教えてくれる、最高のバイブルです。
- 弟の日々人は天才だけど、兄のムッタの泥臭い努力にこそ強く共感します。JAXAやNASAの描写が細部までリアルで、知的好奇心が刺激されるのも素晴らしい。家族や仲間との絆に、読むたびに涙が止まりなくなります。
- シャロンさんやせりかさんなど、脇を固めるキャラクターたちの人生も丁寧に描かれていて、群像劇として完璧です。ただの宇宙漫画ではなく、人間としての誇りや優しさを思い出させてくれる、一生大切にしたい名作です。
- 緻密な伏線回収と、静かに熱く燃えるストーリー展開に引き込まれました。厳しい選抜試験を共に戦った仲間たちが、かけがえのない友になっていく過程が本当に尊い。読んだ後は、いつも空を見上げたくなります。
- プロとしての覚悟や技術、そしてそれを支える情熱の描き方が秀逸です。絶望的な状況でも「楽しむこと」を忘れないムッタの姿勢には、仕事に疲れた日常を救われました。全人類に読んでほしい、温かくて熱い大傑作です。
悪い所
- 1つのエピソードに数巻を費やすことが多く、物語のテンポが非常にゆったりとしているため、少し間延びしているように感じました。早く月や火星に行ってほしい私には、試験や訓練の描写が長すぎて少し疲れました。
- 40巻を超える長期連載なので、最初から読み返すのがかなり大変です。最近は休載も増えてきたので、次の巻が出るまでに前の話を忘れてしまうことも。もう少しサクサクと物語を進めて完結させてほしいのが本音です。
- 登場人物が皆、基本的に善人で人格者ばかりなのが、少し綺麗事すぎるように感じてしまいました。現実の競争社会ならもっとドロドロした醜い嫉妬もあるはず。もう少しリアリティのある人間の汚い部分も見たかったです。
- 専門用語や科学的な説明がびっしりと詰まっているページがあり、じっくり読まないと理解が追いつかないことがありました。漫画らしい勢いを求めている時には、説明臭いパートが少し退屈に感じてしまう瞬間があります。
- キャラクターたちが達観しすぎていて、たまにセリフが説教臭く聞こえてしまうことがありました。名言が多いのは良いのですが、狙いすぎている感があって、素直に心に響かないエピソードもいくつか存在しました。





