レビュー著者: 漫画よしあし
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宇宙兄弟 の感想と評価(良いところ、悪いところ)
宇宙兄弟
著者: 小山宙哉
連載: モーニング
評価: 9.2/10
あらすじ
2025年、幼い頃に「二人で宇宙へ行く」と約束した兄弟、南波六太(むった)と日々人(ひびと)。弟・日々人は約束通り宇宙飛行士となり、日本人初の月面着陸を目指していた。一方、兄・六太は会社をクビになり、鬱々とした日々を送っていたが、日々人からのメールをきっかけに再び宇宙飛行士への夢を追い始める。30歳を過ぎてから過酷な試験に挑む六太と、月面でトラブルに見舞われながらも戦う日々人。固い絆で結ばれた二人の兄弟を中心に、宇宙を目指す人々の熱き人間ドラマを描く。
良い所
- 「人生の教科書」と呼ぶにふさわしい名言の宝庫。失敗や挫折を経験した大人にこそ響く言葉が多く、読むたびに前向きなパワーをもらえる素晴らしい作品。
- 宇宙開発という壮大なテーマを扱いながら、描かれているのは極めて泥臭く瑞々しい人間ドラマ。キャラクター一人ひとりに人間味があり、全員を応援したくなる。
- 笑いと涙のバランスが絶妙。六太のコミカルな独り言やシュールなギャグに笑わされた直後、心臓を鷲掴みにされるような感動的なシーンがやってくる構成が見事。
- NASAやJAXAの協力によるリアルな宇宙開発の描写が圧巻。専門的な知識がなくても分かりやすく説明されており、知的好奇心を刺激される面白さがある。
- 兄弟の絆はもちろん、ライバルや先輩、家族との関係性が非常に丁寧に描かれている。悪人が登場せず、皆がそれぞれの信念で宇宙を目指す姿に心打たれる。
悪い所
- 連載が非常に長く続いており、物語のテンポがゆったりとしている時期がある。月面編などが長期間に及ぶため、一気に進展を見たい人には少しじれったいかも。
- キャラクターの心理描写が非常に深いため、一話読み進めるのにエネルギーを使う。軽い気持ちで読み流すことができず、重厚な読書体験を求める人向けかもしれない。
- 専門的な用語や宇宙工学に関する記述が増える巻もあり、純粋なエンタメアクションを期待している読者には少し難解に感じられる可能性もある。
- 主人公の六太が非常に悩みやすく、考え込みすぎる性格のため、展開が停滞しているように感じられる場面も。彼の「うじうじ」した部分を許容できるかによるか。
- 物語がクライマックスに近づくにつれ、感動させようとする演出がやや強く感じられるという意見も。長年の読者からすれば嬉しいが、人によってはあざとく感じるかも。





