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レビュー著者: 漫画よしあし
最終更新日:

東京ESP の感想と評価(良いところ、悪いところ)

東京ESP

著者: 瀬川はじめ

連載: 月刊少年エース

ジャンル: 超能力SFアクション

評価: 8.3/10

あらすじ

突然、超能力(ESP)に目覚めた人々が東京に溢れ始めた。壁をすり抜ける能力を持つ女子高生・漆原稟花(白鳩)は、謎のESPer組織の陰謀に立ち向かっていく。瀬川はじめが描く、超能力ヒーロー・アクション。『喰霊』の世界と繋がるクロスオーバー、光る魚を飲み込んで能力が発現するユニークな設定、そして泥臭い努力と仲間への想いで前進する白鳩の成長物語が展開する!

良い所

  • 壁をすり抜ける白鳩の能力が、バトルとドラマの両方で鮮やかに活用されるのが面白い!攻撃を透過して避けたり敵の内部に干渉したりという使い方の工夫に、能力バトル漫画としての醍醐味があります。
  • 『喰霊』世界と繋がるクロスオーバーがあって、両作品を読んでいると「あの人が出た!」という興奮が味わえます。瀬川先生のファンなら両作を絶対セットで読むべき、という繋がりの作り方が本当に上手い。
  • 「光る魚を飲み込んでESPが覚醒する」という突拍子もない発現設定に最初は笑いましたが、読み進めると東京中に能力者が溢れる世界の広がりにどんどん引き込まれていきました。
  • 普通の女子高生が超能力者として泥臭く成長する白鳩の過程が王道で気持ちいいです。特別な出自ではなく、仲間への想いで前進する姿に素直に感情移入できて、応援に力が入りました。
  • 正義と悪の構図がシンプルではなく、ESPer同士が互いの「正しさ」のために戦う描写に深みがあります。「誰がヒーローで誰がヴィランか」という問いが芯に通っていて、単純な勧善懲悪にならない点が好きです。

悪い所

  • 中盤に差し掛かるとページをめくる手が鈍くなりました。序盤の「ESPが覚醒した世界の驚き」という鮮度が薄れてからの新しい軸がなかなか立ち上がってこず、物語の牽引力の落ちを感じてしまいます。
  • 一部の敵キャラクターの動機が薄く感じられて、「なぜそこまで悪に徹するのか」が伝わりにくかったです。白鳩が感情移入できる分、対峙する相手の背景の薄さが余計に目立つのが惜しい。
  • アクションシーンで何が起きているか分かりにくいコマが散見されます。『喰霊』でも感じた視認性の課題が本作でも完全には解消されていないと感じ、激しい戦闘を追うのに苦労しました。
  • クロスオーバーを楽しむには『喰霊』の知識がほぼ必須で、東京ESPから瀬川作品に入った人は重要なキャラクターが登場しても誰か分からず、置いてけぼりを食らってしまうのが難点です。
  • ラストに向けての収束が急足で、「もっと丁寧に終わらせてほしかった」という気持ちが残ります。白鳩たちへの愛着が育っていただけに、駆け足な幕引きには悔しさを感じました。

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