レビュー著者: 漫画よしあし
最終更新日:

氷菓 の感想と評価(良いところ、悪いところ)

氷菓

氷菓

著者: タスクオーナ西屋太志米澤穂信

連載: 月刊少年エース

ジャンル: ミステリー少年マンガ青春学園

評価: 8.8/10

あらすじ

省エネを信条とする高校一年生の折木奉太郎は、姉の命令で廃部寸前の「古典部」に入部することに。そこで好奇心旺盛な名家のお嬢様・千反田えると出会い、彼女の「私、気になります!」という一言に巻き込まれる形で、日常に潜む様々な謎を解き明かしていく。福部里志、伊原摩耶花といった個性豊かな仲間たちと共に、奉太郎の推理力が冴え渡る。米澤穂信のデビュー作であり、大人気「〈古典部〉シリーズ」をコミカライズした本作は、単なるミステリーにとどまらず、ほろ苦くも瑞々しい青春群像劇として描かれる。アニメ化もされた大ヒット日常ミステリー漫画!

良い所

  • 「私、気になります!」でお馴染みの古典部シリーズのコミカライズ。アニメの美麗なデザインを漫画に落とし込んでいて、作画のクオリティが非常に高いです。日常の謎解きが面白く、サクサクと読み進められます。
  • 省エネ主義の主人公が、ヒロインの好奇心に巻き込まれて渋々謎を解くという構図が最高です。ただの謎解きだけでなく、高校生ならではの人間関係やほろ苦い青春の悩みも描かれており、物語に深みがあります。
  • アニメ版のファンでしたが、漫画版も独自の魅力があって素晴らしいです。各キャラクターの心理描写が丁寧で、アニメでは描ききれなかった細かなニュアンスも伝わってきます。美麗な絵柄にうっとりしてしまいます。
  • ミステリーとしての出来が良く、血生臭い事件は起きない「日常の謎」というジャンルが心地よいです。奉太郎の推理力と、えるの無垢な好奇心の組み合わせが絶妙で、飽きずに最後まで楽しんで読むことができます。
  • 原作小説の空気感を壊さず、漫画という媒体で見事に表現しています。里志や摩耶花といった古典部のメンバーたちも個性的で、彼らの掛け合いや成長していく姿を見るのが毎回楽しみになる、素晴らしい作品です。

悪い所

  • 日常の謎を扱うため、殺人事件などの派手なミステリーを期待して読むと肩透かしを食らいます。謎自体が少し地味でスケールが小さいため、人によっては退屈で盛り上がりに欠けると感じてしまうかもしれません。
  • 主人公の奉太郎が斜に構えた「やれやれ系」のキャラクターなので、最初は少し親しみにくいと感じました。彼の無気力な態度や冷めた言動に共感できないと、物語の世界観に深く入り込むのが難しいかもしれません。
  • アニメ化や原作小説を先に知っていると、どうしても比較してしまいます。漫画独自のオリジナルな展開というよりは忠実なコミカライズなので、すでに内容を知り尽くしている人には新鮮味がないかもしれません。
  • 千反田えるの「私、気になります!」という強引な態度が、少し自分勝手でイライラしてしまう瞬間があります。奉太郎が彼女のペースに振り回されすぎるのを見て、気の毒に思えてストレスを感じることがありました。
  • 各エピソードの解決編で、理屈っぽい説明が長く続く場面があり、セリフの文字数が多くて読むのが少し疲れます。小説なら良いのですが、漫画としてのテンポが少し悪くなっている箇所があるのが気になりました。

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