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レビュー著者: 漫画よしあし
最終更新日:

氷菓 の感想と評価(良いところ、悪いところ)

氷菓

著者: タスクオーナ西屋太志米澤穂信

連載: 月刊少年エース

ジャンル: ミステリー日常青春ドラマ学園

評価: 9.2/10

あらすじ

省エネ主義の高校生・折木奉太郎は、姉の命令で廃部寸前の『古典部』に入部する。そこで出会ったのは、圧倒的な好奇心を持つ名家のお嬢様・千反田えるだった!『私、気になります!』。えるの一言をきっかけに、奉太郎は日常に潜む些細な『違和感』を抜群の観察眼とロジックで鮮やかに解きほぐしていく。アニメ版のデザインを踏襲しつつ、米澤穂信の原作小説『古典部シリーズ』の緻密な心理描写を一切の妥協なく紙面に落とし込んだ最高峰のコミカライズ。最新17巻『ふたりの距離の概算』編で、大切な人のために自ら走り、成長していく奉太郎の姿を描く、ほろ苦くも美しい青春ミステリーの金字塔!

読む前に確認したい相性

向いている人

  • 「やらなくてもいいことはやらない」と公言していた主人公が、ある人のために走り出す静かな成長に感動できる人
  • 殺人事件なしで会話だけで謎を解く、日常の中の繊細な思考過程を丁寧に楽しめる人
  • 瑞々しくて丁寧な青春漫画らしい作画の美しさと、ほろ苦い青春の空気感が好きな人

向いていない人

  • 単行本が出るスパンが長く、新刊を読むたびにこれまでの謎を忘れてしまうのが不満な人
  • 学校の部室で淡々と会話だけで思考するプロセスがメインな展開が、地味で退屈に感じてしまう人
  • 殺人や大掛かりなトリックなど、動きのあるミステリーを求める人

良い感想・レビュー

  1. 俺、「やらなくてもいいことなら、やらない」と公言していた奉太郎が、大好きな千反田えるのために自ら考えて走り出す静かな成長劇にガチで感動した。青春のほろ苦さと、彼の内面的な逞しさが本当に尊い。
  2. 京都アニメーション版の西屋太志先生による瑞々しくて可愛いキャラクターデザインが完全リスペクトされていて感動。えるの大きな瞳や、奉太郎の冷めた表情の書き込みがとにかく丁寧で眼福すぎる。
  3. 凄惨な殺人ではなく、「どうして鍵がかかっていたのか」などの日常の些細な違和感から人間関係の歪みを見抜く謎解きが秀逸。誰も悪くないのに、切なくすれ違ってしまう結末のビターな余韻がたまらない。
  4. 最新17巻の『ふたりの距離の概算』編で、仮入部の大日向が千反田を拒絶した真相を、奉太郎が20kmを走りながら解き明かすカタルシスが完璧。これまでの人間関係が全て収束するプロットのキレに震えた。
  5. 原作小説の心理描写や情景、古典部のメンバーたちの複雑な対比を、タスクオーナ先生が丁寧に漫画として再構成している。ただのビジュアル本じゃなく、原作の持つ重厚な空気感をそのまま味わえる傑作。

悪い感想・レビュー

  1. とにかく単行本が出るスパンが遅すぎて(最新17巻も前巻からかなり空いた)、新刊を読むたびにこれまでの謎を忘れてしまうのが不満。情報量が多い漫画なだけに、毎回1巻から読み直す必要があってしんどい。
  2. 殺人や大掛かりなトリックはないので、学校の中や部室で淡々と会話だけで思考するプロセスがメインな展開が、サクサクと派手なミステリーを楽しみたい僕には、少し地味というか起伏が薄くて退屈に感じてしまった。
  3. 京アニ制作の伝説的アニメ版を至高とする私からすると、白黒の漫画版はどうしても静的で、えるの「気になります!」のダイナミックな演出に比べるとこじんまり見えて、アニメの鮮烈さに比べると物足りない。
  4. 奉太郎が「省エネ」を理由にして、周囲の人々の熱意や頑張りに冷めた態度をとるシーンに、時々少しイライラしてしまった。一生懸命な千反田や里志が魅力的なだけに、彼のウジウジした受け身感が苦手。
  5. 「ふたりの距離の概算」編での大日向と千反田の些細なボタンの掛け違いによる確執が、少し回りくどくて、謎解きのための強引な設定に見えて冷めてしまった。もう少しスッキリとした、分かりやすい事件が見たい。

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