レビュー著者: 漫画よしあし
最終更新日:
この音とまれ! の感想と評価(良いところ、悪いところ)
この音とまれ!
著者: アミュー
連載: ジャンプスクエア
評価: 9.2/10
あらすじ
時瀬高校箏曲部の先輩たちが卒業し、たった一人の部員となってしまった倉田武蔵。四月になり必死で新入部員の勧誘に励むものの、部の存在すら知られていない有様。そんな彼の前に、見るからに不良で和楽器とは縁の無さそうな新入生・久遠愛(くどおちか)が現れ、突然入部したいと言い出す。さらに、箏の家元の娘であり圧倒的な天才少女・鳳月さとわも入部し、バラバラだった部員たちが集まり始める。それぞれの複雑な過去や心の傷を抱えながらも、「箏(こと)」という一つの音楽を通じてぶつかり合い、絆を深め、全国大会という大きな夢に向かって突き進む。漫画から音が聴こえてくるような圧倒的な演奏描写と、涙なしには読めない熱き青春音楽群像劇が開幕!
良い所
- 不良少年の愛や、箏の天才少女であるさとわ、気弱な部長の武蔵など、バラバラだった部員たちが『箏』を通して絆を深め、全国大会を目指す姿に何度読んでも泣けました。胸が熱くなる青春群像劇の最高傑作です!
- 演奏シーンの作画表現が本当に素晴らしく、読んでいるだけなのに漫画から箏の音が聴こえてくるような迫力と感動がありました。音楽を絵で表現するアミュー先生の圧倒的な画力に鳥肌が立ちます。
- 登場人物一人ひとりの過去のトラウマや人間関係の悩みが非常に丁寧に描かれていて、深く感情移入してしまいました。周囲の支えを得て成長し、音を合わせていく彼らの姿に毎回号泣しています。
- 最初はただの不良漫画かと思いきや、愛が箏に向き合う真摯な姿勢と、仲間を大切にする不器用な優しさにすっかり惚れ込みました。嫌なキャラクターがいない優しい世界観で、ずっと応援したくなります。
- 部活に懸ける情熱だけでなく、高校生らしいほのかな恋愛模様も描かれていてキュンキュンします。部員たち全員が自分の弱さを乗り越えて一つの音楽を作り上げた時のカタルシスは、言葉では言い表せません。
悪い所
- 序盤の不良が部室を荒らす展開や、愛の過去にまつわる暴力事件などの描写が、少し一昔前の不良漫画のようでベタすぎると感じてしまい、最初は読むのをためらってしまいました。導入部分のノリが少し古いです。
- 各キャラクターの抱える家庭環境や心の傷がかなり重くシリアスなため、そうした葛藤の描写が続く場面では読んでいて精神的に少し疲れてしまいます。明るい青春ものを期待していると重苦しく感じるかもしれません。
- 部員同士のほのかな恋愛要素もあるものの、あくまでメインは部活と人間ドラマであるため、恋愛の進展が非常に遅くて焦れったく感じてしまいます。もっとラブコメとしての甘い展開もたくさん読みたかったです。
- 演奏シーンの心理描写や回想が長引くことがあり、試合(コンクール)のテンポが少し遅く感じられる巻がありました。感動的ではあるのですが、もう少しサクサクと結果を見せてほしいと思う時があります。
- 登場人物たちがみんな良い子すぎて、逆に少し綺麗事やご都合主義のように見えてしまう瞬間がありました。現実の部活ならもっとドロドロした嫉妬や対立があってもおかしくないのになと、少しリアリティに欠けます。
同じジャンルの漫画
該当作品はありません。
