レビュー著者: 漫画よしあし
最終更新日:

九龍ジェネリックロマンス の感想と評価(良いところ、悪いところ)

九龍ジェネリックロマンス

九龍ジェネリックロマンス

著者: 眉月じゅん

連載: 週刊ヤングジャンプ

ジャンル: ミステリー恋愛青年マンガSF

評価: 8.7/10

あらすじ

東洋の魔窟と呼ばれた「九龍城砦」を思わせるノスタルジックな街を舞台に、不動産会社で働く30代の男女・鯨井令子と工藤発の日常を描くミステリー・ラブロマンス。最初は同僚への密かな恋心を描く微笑ましい日常モノとして進むが、令子自身に過去の記憶がないことや、空に浮かぶ謎の巨大構造物「ジェネリックテラ」、そして自分と瓜二つの「鯨井B」の存在など、徐々に不穏なSF要素が顔を出し始める。なぜこの街が存在するのか、自分は何者なのか。日常の裏に隠された残酷な真実と、切なくも美しい純愛が交錯する。圧倒的な画力と緻密な心理描写で描かれた「優しいディストピア」の物語に、誰もが心を奪われる傑作!

良い所

  • 香港の九龍城砦のノスタルジックな雰囲気が本当に素晴らしくて、細かく描き込まれた街並みや美味しそうな中華料理にすっかり魅了されました。絵が綺麗でずっと眺めていたくなります。
  • 最初は30代男女の微笑ましいオフィスラブかと思って読んでいたら、途中からクローンや記憶喪失などのSFミステリー要素が絡んできて、先の読めない展開に一気に引き込まれました!
  • 鯨井さんと工藤さんの不器用で大人の恋愛模様が焦れったくて、胸がギュッと締め付けられます。何気ない日常の中に潜む不穏な空気感のバランスが絶妙で、大好きな作品になりました。
  • 『恋は雨上がりのように』の作者さんということで読みましたが、キャラクターの繊細な感情表現が今回も秀逸です。謎が少しずつ明かされていく構成が見事で、最新刊まで読む手が止まりません。
  • 空に浮かぶジェネリックテラや複製された人間たちなど、独特のSF設定と昭和レトロな雰囲気が見事に融合していて面白いです。切なくてミステリアスな世界観にどっぷりと浸れます。

悪い所

  • 謎が多すぎる上に、少しずつしか解明されないので読んでいてモヤモヤしてしまいます。SF設定や専門用語も複雑で、一気読みしないとストーリーを理解するのがかなり大変だと感じました。
  • 純粋な大人のラブコメディを期待して読んでいたのに、途中からSFやミステリー要素が強くなって重い展開が続くため、自分の読みたかったジャンルとは少し違っていて戸惑ってしまいました。
  • 全体的にタバコを吸うシーンが多くて、喫煙者が苦手な私には少し受け入れがたい描写が目立ちました。工藤さんのちょっと昭和っぽいおじさんくさい言動も、好みがはっきりと分かれる気がします。
  • クローン人間や記憶のバックアップなど、SFとしては少しありがちな設定で新鮮味に欠けます。登場人物たちの行動原理もよく分からない部分が多くて、なかなか感情移入して読むことができません。
  • 日常パートとミステリーパートの切り替わりが唐突で、物語のテンポが少し悪く感じてしまいました。雰囲気はとてもお洒落で好きなのですが、漫画としてのスッキリとした面白さには欠ける気がします。

同じジャンルの漫画