レビュー著者: 漫画よしあし
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九龍ジェネリックロマンス の感想と評価(良いところ、悪いところ)
良い所
- 九龍城砦の街並みの描写がとにかく美しいです。生活感とノスタルジーが同居したこの独特の世界観に、一度読むと完全に魅了されます。絵柄のレトロな雰囲気も最高。
- ただのオフィスラブだと思って読んでいたら、途中からSF的なミステリー要素が絡んできて、全く先の読めない展開に引き込まれました。設定の奥深さに驚かされます。
- 鯨井さんと工藤さんの、大人ならではの絶妙な距離感と、不器用な愛情表現にキュンとします。恋愛漫画としての心情描写が非常に繊細で丁寧です。
- 「私」という存在の不確かさや、記憶、クローンといった重いテーマを扱いながらも、全体を包み込む優しい雰囲気が失われておらず、読後感がとても良いです。
- 作中に散りばめられた伏線や謎(ジェネリックテラなど)を考察しながら読むのが楽しく、何度も読み返したくなるスルメのような魅力があります。
悪い所
- 物語の核心に迫るまでの謎の提示が断片的で、展開が非常にゆっくりしているため、ミステリーとしてテンポの良さや明確な答えを早く求める人にはもどかしく感じられるかもしれません。
- 世界観(九龍とジェネリックテラ)の設定が複雑で、SF的な要素のハードルが高いため、純粋なラブロマンスだけを楽しみたい読者には途中から話が難しく感じられるかも。
- 「クローン」や「過去の記憶」といった要素が絡む恋愛になるため、主人公が抱えるアイデンティティの喪失感や悲哀が重く、ハッピーで明るい恋愛漫画ではありません。
- 工藤さんの性格が少しぶっきらぼうで、過去の恋愛(元の鯨井さん)への未練が強く見える場面があるため、現在の主人公への態度に少しイライラしてしまう読者もいるようです。
- 絵のタッチが非常に独特で、特にキャラクターの顔の描き方(目の描き込みなど)に癖があるため、好みがはっきりと分かれる作風だと思います。





