レビュー著者: 漫画よしあし
最終更新日:
機動戦士ガンダム サンダーボルト の感想と評価(良いところ、悪いところ)
機動戦士ガンダム サンダーボルト
マークダウンで表示連載: ビッグコミックスペリオール
評価: 9.1/10
あらすじ
宇宙世紀0079年、一年戦争末期。残骸が漂うデブリ海域『サンダーボルト宙域』を舞台に、フリー・ジャズを愛する地球連邦軍のイオ・フレミングと、両足を失ったジオン公国軍の狙撃手ダリル・ローレンツの、宿命の死闘が幕を開ける!フルアーマー・ガンダムとサイコ・ザクの激突、空間戦闘の極限、そして独自の軍事技術や宗教国家『南洋同盟』の台頭を、ガンダム正史の枠を超えたパラレル宇宙世紀として描く大河ミリタリーSF。腱鞘炎を乗り越えた太田垣康男の圧倒的執念と、戦争がもたらす肉体的・精神的な狂気を容赦なく曝け出す人間ドラマ。13年の連載を経て、可変MSサンダーボルト・ガンダムの登場と共に堂々完結した、ガンダム外伝の最高峰!
読む前に確認したい相性
向いている人
- 戦争の残酷さや兵士たちの心身の損耗を一切美化せずに描く、重厚で骨太な物語を求める人
- 好きな音楽を聴きながら繰り広げられる、スタイリッシュで狂気に満ちた死闘に痺れたい人
- 細密に描き込まれた人型兵器の重厚なギミックや変形のかっこよさにじっくり見惚れたい人
向いていない人
- 肉体の欠損や陰鬱な悲劇が延々と続く重い読み味が苦手で、明るく爽快な娯楽を楽しみたい人
- 正史との設定の整合性を重んじ、大胆に再構成されたパラレルな世界観を受け入れにくい人
良い感想・レビュー
- 俺はフルアーマー・ガンダムとサイコ・ザクが、デブリの海でジャズとカントリーを背景に激突する死闘にガチでシビれた。今までのガンダムにはない、狂気とスタイリッシュさが融合した最高のバトル描写。
- 手足を失った兵士たちの「リビング・デッド師団」など、戦争の五体損壊や精神的な損耗をリアルに抉るダークな世界観に圧倒された。綺麗事のヒーロー戦記じゃない、本物の泥臭い戦争の痛みが胸に深く刺さる。
- コミックス最終27巻で登場する可変型モビルスーツ「サンダーボルト・ガンダム」の圧倒的なギミックとカッコよさに最後にして興奮マックスになった!太田垣先生のメカへのこだわりが最後まで炸裂している。
- 南洋同盟の僧兵たちとの死闘や、ニュータイプを『宗教』として利用する独自の組織設定の作り込みが恐ろしいほど緻密で面白い。正史のファーストからZへの流れを大胆に再構築したIF展開のキレが素晴らしい。
- 太田垣先生が深刻な腱鞘炎を患いながらも、作風や作画法を変えて13年間連載を完結させた執念の軌跡に、一人のファンとして涙が出た。イオとダリルの結末を見届けられて、本当に大きな満足感がある名作。
悪い感想・レビュー
- 腱鞘炎のために途中で太田垣先生の画風が、超緻密な劇画調からデジタル併用のラフな太いタッチに激変したのが残念。初期のあの狂気じみた書き込みが好きだった僕としては、線の簡略化に少し寂しさを感じた。
- シロッコやタイタンズといった設定が登場するが、宇宙世紀のガンダム正史(Zガンダムへの繋がり)から完全に乖離したパラレル展開なので、整合性を気にするコアなガンダム信者の自分には受け入れがたかった。
- 全27巻と長編だけど、最終章からキャラクターたちの後日談を描く結末にかけての展開が少し急ぎ足に感じてしまった。もう1巻分くらい費やして、イオとダリルの余生をじっくり見せて欲しかったのが本音。
- 戦争の凄惨さや、お互いの肉体を欠損しながらも殺し合いを続けざるを得ないキャラクターたちの狂気が重すぎて、読んでいてかなり鬱になる。暗く陰鬱な悲劇ばかりが続くので、気楽なエンタメを求める日には不向き。
- 「サイコ・ザク」の技術がチートすぎて、ガンダムの技術体系のリアリティラインを大幅に崩しているような気がした。オデッサやア・バオア・クーの時代にこれがあるのは、さすがにやりすぎに思えて白けてしまった。
良い感想・レビュー
悪い感想・レビュー
俺はフルアーマー・ガンダムとサイコ・ザクが、デブリの海でジャズとカントリーを背景に激突する死闘にガチでシビれた。今までのガンダムにはない、狂気とスタイリッシュさが融合した最高のバトル描写。
腱鞘炎のために途中で太田垣先生の画風が、超緻密な劇画調からデジタル併用のラフな太いタッチに激変したのが残念。初期のあの狂気じみた書き込みが好きだった僕としては、線の簡略化に少し寂しさを感じた。
手足を失った兵士たちの「リビング・デッド師団」など、戦争の五体損壊や精神的な損耗をリアルに抉るダークな世界観に圧倒された。綺麗事のヒーロー戦記じゃない、本物の泥臭い戦争の痛みが胸に深く刺さる。
シロッコやタイタンズといった設定が登場するが、宇宙世紀のガンダム正史(Zガンダムへの繋がり)から完全に乖離したパラレル展開なので、整合性を気にするコアなガンダム信者の自分には受け入れがたかった。
コミックス最終27巻で登場する可変型モビルスーツ「サンダーボルト・ガンダム」の圧倒的なギミックとカッコよさに最後にして興奮マックスになった!太田垣先生のメカへのこだわりが最後まで炸裂している。
全27巻と長編だけど、最終章からキャラクターたちの後日談を描く結末にかけての展開が少し急ぎ足に感じてしまった。もう1巻分くらい費やして、イオとダリルの余生をじっくり見せて欲しかったのが本音。
南洋同盟の僧兵たちとの死闘や、ニュータイプを『宗教』として利用する独自の組織設定の作り込みが恐ろしいほど緻密で面白い。正史のファーストからZへの流れを大胆に再構築したIF展開のキレが素晴らしい。
戦争の凄惨さや、お互いの肉体を欠損しながらも殺し合いを続けざるを得ないキャラクターたちの狂気が重すぎて、読んでいてかなり鬱になる。暗く陰鬱な悲劇ばかりが続くので、気楽なエンタメを求める日には不向き。
太田垣先生が深刻な腱鞘炎を患いながらも、作風や作画法を変えて13年間連載を完結させた執念の軌跡に、一人のファンとして涙が出た。イオとダリルの結末を見届けられて、本当に大きな満足感がある名作。
「サイコ・ザク」の技術がチートすぎて、ガンダムの技術体系のリアリティラインを大幅に崩しているような気がした。オデッサやア・バオア・クーの時代にこれがあるのは、さすがにやりすぎに思えて白けてしまった。




