レビュー著者: 漫画よしあし
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デトロイト・メタル・シティ の感想と評価(良いところ、悪いところ)
良い所
- 「やりたい音楽」と「評価される音楽」の圧倒的なミスマッチが生む笑いの爆発力が凄いです!ヘタレな根岸と、ステージで豹変するクラウザー様の落差が激しすぎて、毎話ゲラゲラと笑わされること間違いなし。
- ステージ上のクラウザー様が放つ、読者さえも圧倒される「悪魔特的なカリスマ性」が最高にシュールです。根岸の意思とは裏腹に、ファンが勝手に伝説を作り上げ、それが更なる勘違いを呼ぶ構造が天才的に面白い。
- 根岸が日常で味わう「報われない苦労と二重生活の悲哀」に、爆笑しつつも少しだけ同情してしまいます。正体がバレそうになってテンパる彼のリアクション芸が秀逸で、シチュエーションコメディとして完璧なキレ。
- デスレコーズ社長をはじめとする、周りを固めるキャラクターの濃さが物語をハチャメチャに加速させています。無茶苦茶な暴言や暴力さえも、作品のハイテンションなノリの中で「最高のスパイス」に昇華されています。
- 「オシャレな曲を作りたい」という根岸の情熱が、ことごとく残酷な形でクラウザー様の伝説に変換される無常観。自分の殻を破れないもどかしさが、ステージで突き抜けてしまう爽快感に変わる瞬間が堪りません。
悪い所
- 下ネタ、暴力描写、過激な暴言のオンパレードなので、読む人を極端に選びます。これらを「ギャグ」として許容できない人には非常に不快な作品であり、耐性がない読者には全くお勧めできない「劇薬」のような漫画です。
- ヘヴィメタルに対するステレオタイプな誤解や偏見を助長するような描写が多く、メタルファンからは反感を買う可能性があります。あくまでパロディだと割り切れないと、その攻撃的なノリに付いていくのが難しいです。
- 根岸というキャラクターが、「可哀想な主人公」というよりは「自己評価が高くクズな一面」が強いため、純粋に応援できないことがあります。彼の自業自得な側面も多く、読んでいてイライラを感じてしまうことも。
- ネタのパターンが一定のため、中盤以降にマンネリを感じてしまう時期がありました。また同じように勘違いされて終わる、という展開の繰り返しを「安定感」と捉えるか「飽き」と捉えるかで評価が分かれるところです。
- 勢いとインパクトを重視している分、「物語としての深みや着地点」には期待しづらいです。完結まで一気に読むと、そのハイテンションな毒の強さに当てられて、精神的にかなり疲弊してしまう、読み疲れの激しい作品。





