レビュー著者: 漫画よしあし
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神さまのつくりかた。 の感想と評価(良いところ、悪いところ)
良い所
- 「神道・仏教的要素と、現代兵器やSFが融合した独自の世界観」に圧倒されました!生神様として育てられた小春の無垢さと、彼女を取り巻く大人たちの冷酷な策略の対比が、物語に凄まじい緊迫感を与えています。
- 伏線回収の精度が高く、「時間のズレやパラドックスを活かした緻密な構成」が素晴らしいです。中盤の何気ないエピソードが、最終局面で小春の出生の秘密と繋がる瞬間のカタルシスは、まさに傑作の証と言えます。
- 90年代のガンガン作品らしい、「シリアスなバトルと涙ありのドラマの黄金バランス」が堪りません。小春を支える八歳や弥十郎など、キャラクターの個性が際立っており、彼らの献身的な愛に何度も胸を打たれました。
- 「神さまとは人為的に作られるもの」という大胆なテーマに、哲学的な深みを感じます。人間が超越的な存在を管理しようとする傲慢さと、それに翻弄される小春の悲哀が、物語全体を通じて重厚に描き出されています。
- 完結まで一気に読ませる「衝撃の展開とペース配分」が見事です。特に敵である遊風稜との関係が明らかになるシーンの衝撃は忘れられず、ファンタジーの枠を超えた人間ドラマとしての完成度の高さに唸らされました。
悪い所
- 初期の絵柄にかなりクセがあり、現在の洗練された作風と比べると好みが分かれるかもしれません。キャラクターの描き分けが曖昧な箇所や、90年代特有の独特なタッチに慣れるまで、少し時間がかかる印象があります。
- 物語が中盤でやや長期化し、展開が大雑把に感じる時期がありました。壮大な設定を消化するために説明台詞が増え、バトルシーンの爽快感よりも「設定の理解」に疲弊してしまう箇所があったのが少し惜しい点です。
- 最終的な物語の落とし所(結末)が、かなり好みの分かれる形になっています。壮大に広げた風呂敷を畳み切ったとは言えますが、救いがあるようでいて非常に切ない幕引きに、不完全燃焼感や寂しさを覚える読者も。
- 専門用語や宗教的な概念が多く、「物語の本質を理解するためのハードル」がやや高いです。注釈なしでは分かりにくい設定もあり、ライトなファンタジーを求めている人には、その重厚さが重荷になる可能性があります。
- 女性キャラクターたちの運命が「あまりに過酷で理不尽」な描写が多く、読んでいて精神的に辛くなる場面がありました。彼女たちが自己犠牲を強いられる展開が続くため、もう少し救いのあるシーンが見たかったです。





