レビュー著者: 漫画よしあし
最終更新日:
住みにごり の感想と評価(良いところ、悪いところ)
住みにごり
著者: たかたけし
連載: ビッグコミックスペリオール
評価: 8.5/10
あらすじ
29歳の夏、会社を休職し数年ぶりに実家へ帰省した末っ子の「僕」。しかし、久しぶりに再会した家族は、どこか決定的に壊れていた。全く働かず言葉も発しない35歳の兄、怪しげな行動を繰り返す父、過干渉な母、そして秘密を抱える姉。一見どこにでもある「実家」という閉鎖空間に漂う、生理的な不快感と底知れない不気味さ。何気ない日常の会話や視線の端々に、家族という名の怪物の正体が透けて見える。たかたけしが圧倒的なリアリティと人間観察眼で描き出す、逃げ場のない実家の闇。平穏な日常が濁り、澱んでいく恐怖から目が離せない、新時代の不穏なホームドラマ!
良い所
- 実家に漂う逃げ場のない不気味さが凄まじいリアリティで描かれていて、一気に引き込まれました。家族の何気ない一言に背筋が凍るような、新感覚のサスペンス体験に夢中です!
- 全く言葉を発しない兄の存在感が圧倒的で、底知れない気味の悪さが癖になります。派手な事件は起きないのに、視線の違和感だけでここまで恐怖を煽る演出力は、まさに唯一無二の傑作です。
- 家族の「負の側面」を直視させられるような、強烈な没入感に圧倒されました。人間の醜さも不器用さも全てさらけ出すような鋭い観察眼に脱帽。読むほどに中毒性が増していく素晴らしい漫画です。
- 有名人が絶賛するのも納得の、圧倒的な人間描写に痺れました。どこか懐かしいのに決定的に異常な実家の空気感が完璧に再現されていて、ページをめくる手が最後まで止まりませんでした。
- 誰にも言えない実家の秘密を覗き見しているような、背徳的な面白さがあります。ただ不気味なだけでなく、時折見せる家族への情愛がより一層怖さを引き立てていて、魂を激しく揺さぶられました。
悪い所
- 家族の生々しい闇がこれでもかと描かれるので、読んでいて精神的にかなり削られました。救いのないドロドロした展開が続くため、心が元気な時じゃないと最後まで読み進めるのは本当にしんどいです。
- 登場人物のビジュアルや行動が、私には生理的に受け付けないほど不気味で不快でした。家の中の描写もどこか不潔な感じが漂っていて、読み進めるのが苦痛になり、途中で断念してしまいました。
- 物語のテンポが非常にゆったりしていて、明確な解決や救いがなかなか見えません。ずっと澱んだ空気の中に放置されているような感覚になり、サクサクと展開を追いたい私には、少し退屈で気が滅入りました。
- キャラクターが全員どこか壊れているので、誰にも感情移入できず置いてけぼりな気分です。家族というテーマをここまで歪んで描く必要があったのか疑問で、私には共感できるポイントが一つもありませんでした。
- 不穏な演出が過剰に感じられてしまい、少し疲れました。日常の中に潜む不気味さを狙いすぎている感じが鼻についてしまい、もっと自然な人間ドラマを期待していた私には、少し期待外れな読後感です。
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