レビュー著者: 漫画よしあし
最終更新日:
フラジャイル 病理医岸京一郎の所見 の感想と評価(良いところ、悪いところ)
フラジャイル 病理医岸京一郎の所見
連載: 月刊アフタヌーン
評価: 8.8/10
あらすじ
「僕の言葉は10割だ。」 傲岸不遜で変人、常に毒舌をまき散らすが、他のすべての医師たちが頭を下げて意見を仰ぐカンファレンスの絶対的王者、病理医・岸京一郎。病理医とは、患者から採取した細胞や組織片から顕微鏡を通して「最終診断(=病名の決定)」を下す、患者とは直接顔を合わせることのない「ドクターズドクター」。臨床医のずさんな憶測による誤診を容赦なくカンファレンスで論破し、命の瀬戸際にある患者を守り抜く。新人病理医の宮崎智尋や、優秀だが臨床検査技師の現実に苦悩する森井久志ら、病理部の熱い仲間たちが医療の限界や倫理、病院のどろどろとした裏事情に直面しながらもプロとしての誇りを手に入れていく、医療漫画の歴史を塗り替えた傑作!
読む前に確認したい相性
向いている人
- 執刀医ではなく病理診断という縁の下の力持ちを主役に据えた、本格社会派医療ドラマが好きな人
- 傲岸不遜だが絶対の信念と責任感を持つ、曲者キャラクターの圧倒的な格好良さに惹かれる人
- 命と医療倫理、病院の裏事情にまで踏み込んだ、硬派でリアルな人間ドラマを読み込みたい人
向いていない人
- 専門的な細胞診・製薬の解説が多く文字量が多い、重厚な医療漫画を難解で疲れると感じる人
- 主人公の毒舌や攻撃的な言動が延々と続くことに、読んでいて強い疲労感を覚えてしまう人
- 外科手術などの派手な医療アクションシーンがなく、会議での議論中心の展開に地味さを感じる人
良い感想・レビュー
- 執刀医ではなく顕微鏡を覗いて細胞から正しい病名を決定する「病理医」という裏方のプロを描く視点が凄く面白い。患者を救う最後の番人としての病理部ならではの重要性と、強いプライドが克明に伝わる。
- 傲慢で毒舌を吐きまくるけれど「命を絶対に死なせない」という信念を持つ岸京一郎の圧倒的格好良さに心奪われた。自らの診断に絶対の責任を負い、カンファで他診療科を論破していく無双感がたまらない。
- 臨床医との派手な衝突だけでなく、新薬の治験プロセスや病院の裏事情にまで深く切り込む本格派のストーリー展開が非常にリアルだ。医療の綺麗事だけで終わらない、大人のための硬派な社会派ドラマだ。
- 新人の宮崎先生や技師の森井くんが、それぞれの立場でもがきながらプロとして自立していくプロセスに熱く共感した。厳しくも確かな指針を背中で示す、岸の厳格でありながら愛のある指導が素晴らしい。
- 恵三朗先生の描く、登場人物たちの感情豊かな説得力ある表情描写がとにかく大好きだ。特に不敵な笑みを浮かべる岸の表情や、緊迫した診断シーンでのキャラクターたちの眼の描き込みに毎度ゾクゾクさせられる。
悪い感想・レビュー
- 専門的な細胞診の解説や製薬、治験プロセスなど、説明文の文字量が多く理解が大変だった。医療知識が全くないと話の流れや薬学的な議論についていくのが少し難しく、サクサク読めずに疲れる部分がある。
- 主人公が傲慢すぎて他医師を見下すセリフや、宮崎先生に対してのパワハラとも思える過激でトゲだらけなブラック言動に読んでいて少々疲れてしまった。現実の医療崩壊を思わせる過酷な激務描写も重い。
- 外科医がメスを持つようなオペシーンがほとんどないので、医療ドラマとしては地味で静的に感じられた。カンファでの論破に終始する傾向があり、直感的なアクションや派手なドラマが欲しい私には少し退屈だ。
- 作者の絵柄が非常に精密で緻密な分、線が多くて全体的に画面が硬く見える。近年のすっきりとしたクリアなデジタル絵に慣れている若い世代にとっては、やや取っ付きにくさを覚えるかもしれない。
- 一話完結や患者ごとの各パートは抜群の面白さだが、長年連載されているため全体のストーリー進展にマンネリを覚えてきた。同じようなカンファ論破シーンが定番化していて、先が読みやすく驚きが減った。
良い感想・レビュー
悪い感想・レビュー
執刀医ではなく顕微鏡を覗いて細胞から正しい病名を決定する「病理医」という裏方のプロを描く視点が凄く面白い。患者を救う最後の番人としての病理部ならではの重要性と、強いプライドが克明に伝わる。
専門的な細胞診の解説や製薬、治験プロセスなど、説明文の文字量が多く理解が大変だった。医療知識が全くないと話の流れや薬学的な議論についていくのが少し難しく、サクサク読めずに疲れる部分がある。
傲慢で毒舌を吐きまくるけれど「命を絶対に死なせない」という信念を持つ岸京一郎の圧倒的格好良さに心奪われた。自らの診断に絶対の責任を負い、カンファで他診療科を論破していく無双感がたまらない。
主人公が傲慢すぎて他医師を見下すセリフや、宮崎先生に対してのパワハラとも思える過激でトゲだらけなブラック言動に読んでいて少々疲れてしまった。現実の医療崩壊を思わせる過酷な激務描写も重い。
臨床医との派手な衝突だけでなく、新薬の治験プロセスや病院の裏事情にまで深く切り込む本格派のストーリー展開が非常にリアルだ。医療の綺麗事だけで終わらない、大人のための硬派な社会派ドラマだ。
外科医がメスを持つようなオペシーンがほとんどないので、医療ドラマとしては地味で静的に感じられた。カンファでの論破に終始する傾向があり、直感的なアクションや派手なドラマが欲しい私には少し退屈だ。
新人の宮崎先生や技師の森井くんが、それぞれの立場でもがきながらプロとして自立していくプロセスに熱く共感した。厳しくも確かな指針を背中で示す、岸の厳格でありながら愛のある指導が素晴らしい。
作者の絵柄が非常に精密で緻密な分、線が多くて全体的に画面が硬く見える。近年のすっきりとしたクリアなデジタル絵に慣れている若い世代にとっては、やや取っ付きにくさを覚えるかもしれない。
恵三朗先生の描く、登場人物たちの感情豊かな説得力ある表情描写がとにかく大好きだ。特に不敵な笑みを浮かべる岸の表情や、緊迫した診断シーンでのキャラクターたちの眼の描き込みに毎度ゾクゾクさせられる。
一話完結や患者ごとの各パートは抜群の面白さだが、長年連載されているため全体のストーリー進展にマンネリを覚えてきた。同じようなカンファ論破シーンが定番化していて、先が読みやすく驚きが減った。



