レビュー著者: 漫画よしあし
最終更新日:
地獄楽 の感想と評価(良いところ、悪いところ)
地獄楽
完結著者: 賀来ゆうじ
連載: 少年ジャンプ+
ジャンル: 少年漫画/バトル・アクション/時代劇/忍者/ダークファンタジー
評価: 8.7/10
あらすじ
時は江戸後期。石隠れ衆最強と恐れられた抜け忍の画眉丸は、刃も炎も通さない体のせいで死ねぬまま牢につながれていた。処刑人の佐切が持ちかけたのは、極楽浄土と噂される孤島へ渡り、不老不死の仙薬を持ち帰れば無罪放免という取り引き。だが花の咲き乱れる島は、人を養分に変える異形と、不老不死の仙人たちが待ちかまえる地獄だった。生き延びるために罪人と処刑人は背中を預け合い、万物に流れる気の扱いを学びながら、勝ち筋の見えない相手へ挑んでいく。迷いを捨てられない人間が、死なない化け物にどこまで届くのか。妻にもう一度会いたい、その願いひとつで刃を振るう男の、血と花にまみれた忍法浪漫!
この作品が載っている特集
読む前に確認したい相性
向いている人
- 強さとは何かを問い直す物語が好きで、迷いを抱えたままでも前に進めるのだと信じたい人
- 敵味方どちらにも譲れない事情があり、悪役の動機にまで情が移ってしまう話を読みたい人
- 大勢の登場人物それぞれに過去があって、戦いのなかで人が変わっていく過程を追いたい人
向いていない人
- 人の体が作りかえられるような怪奇まじりの残酷な絵が続くと、読み進めるのがつらくなる人
- 戦いの仕組みを解説する場面ばかりが挟まると、物語の進行が止まったように感じてしまう人
- 終盤で新しい人物が次々と増えていく運びに、広げすぎて散らかった印象を持ちやすい人
良い感想・レビュー
- 最後まで立っていた顔ぶれを眺めて、迷いも弱さも抱えたまま強くなれるのだと腑に落ちました。他人の想いごと背負う覚悟の重さが、ずっと胸に残っています。
- 人数がどんどん増えるのに誰ひとり顔がぼやけず、敵の側にも守りたい相手がいたと知った瞬間に肩の力が抜けた。最後まで読んでよかったと思える終わり方。
- 不老不死の側にもそばにいてほしい人を手放せない弱さがあって、家族のために命を張る兄弟と重なってしまう皮肉が切ない。読み進めるほど敵の顔が違って見えてくる。
- ただ戦いに飢えていただけの剣士が、斬ることへの執着をゆっくり手放していくのがしみじみよかったです。読み終えたあとしばらく、この世界がもう続かないのかと寂しくなりました。
- 他人同士だったはずの面々が、いつのまにか互いを案じて助け合うようになっていく変化にぐっときました。会いたい人がいるというだけの飾らない動機が、かえってかっこよく思えてしまう。
悪い感想・レビュー
- 人の体から花が咲き出す造形がどうにも受けつけず、目を細めながらめくった箇所がいくつもあった。主要な顔ぶれが次々といなくなる容赦のなさもこたえる。
- 山場を越えたあとで新しい敵の一団が送り込まれてきて、片づいたはずの話をもう一段引き延ばされた感じが残りました。素直に乗れないまま終盤へ進みます。
- 時代に縛られる側と自由を求める側という筋は早くから見えているのに、後から現れた人物に主題を語らせる運びは弱い。長い寄り道のあいだに軸までぼやけてしまった。
- 気の理屈をめぐる説明が続く時期があって、戦いと講義が交互に来る中だるみにすっかりだれてしまった。ここは流し読みで抜けた、というのが正直なところ。
- 終わってみれば夫婦の愛を軸にした話で、少年向けの作品としては重すぎる犠牲や渋さがのしかかってくる。死んでいく人の多さに、読んでいて気持ちが沈む瞬間もあった。










