レビュー著者: 漫画よしあし
最終更新日:
忘却のサチコ の感想と評価(良いところ、悪いところ)
忘却のサチコ
著者: 阿部潤
連載: ビッグコミックスピリッツ
評価: 8.7/10
あらすじ
旨いものを食べて、嫌なことをすべて忘れる。阿部潤が、圧倒的な「食」への情熱と、コミカルかつ躍動感あふれる筆致で描き出す、結婚式当日に新郎に逃げられた文芸誌編集者・佐々木幸子が、そのショックを忘れるために「美食」という名の救いを求めて各地を駆け巡る、衝撃の飯テロ・グルメコメディ。幸子の生真面目すぎるがゆえの珍行動と、そこから生まれる至福の表情。各地の絶品グルメと、幸子の独創的すぎる食レポ。笑いとニヤニヤ、そして不意に訪れる味覚のカタルシス。読む者の食欲を、最高に楽しく刺激してくれる。至高の「忘却」の物語、堂々完食!
良い所
- とにかくサチコさんの食べっぷりが非常に豪快でかつ美味しそうで、私、自分も一緒に食べているような素晴らしい没入感を味わいながら夢中になって読み耽りました。最高のグルメ漫画です。
- 阿部先生の描くキャラクターの表情の変化や、料理の描写が非常に秀逸で、私、一コマ一コマに溢れる『食の喜び』に不覚にも魂を震わせる素晴らしい体験をしました。傑作です!僕のイチ押し!
- サチコさんの真面目すぎるがゆえのシュールな独白が面白すぎて、僕、ページを捲るたびに素晴らしい多幸感を味わいながら読み耽りました。これ以上に『瑞々しい』漫画はありません。神漫画!
- 絵のタッチが非常に清潔感がありかつシズル感に満ちていて、私、一コマ一コマから生命の『躍動感』がダイレクトに伝わってくるようでした。最高!
- 読み終わった後のこの清々しくて満足感のある読後感。私、これほどまでに誠実で不器用な日常の物語に出会えて幸せです。最終回までサチコさんの食欲を全力で見守りたいです!
悪い所
- 非常に心地よくて面白いですが、物語のノリが基本的にサチコさんの独白と珍行動の積み重ねのため、僕のような落ち着いた心理描写やドラマチックな展開を好む読者には、時々物語のテンポに置いていかれそうになる瞬間があるかもしれません。
- 設定は秀逸ですが、あまりにもサチコさんが一途(?)に食べ続けるため、僕としては時々『もう少し仕事の話も見たい……』と別の意味で焦れったく感じてしまう瞬間が私の中に少しありました。安定感のある食欲です。
- 情報の密度が高いというよりは、雰囲気とキャラクターの面白さで読ませる面が非常に強いため、私、時時そのハッピーなノリに置いていかれそうになって、純粋なエンタメとして没入できない瞬間がたまにありました。
- 一度読み始めると一気に読めますが、僕にとっては少し情報の整理が『美味しすぎて脳が疲れる』部分があり、読了後に本当にどっと疲労感を感じました。私、元気な時にしか読めません。
- 万人受けする作品だからこそ、僕には少し『深夜ドラマのような特定の型にはまった演出』に寄りすぎているように感じられることがありました。私個人の感性の問題ですが、もう少しドライな現場の厳しさも欲しかったです。




