レビュー著者: 漫画よしあし
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灼熱カバディ の感想と評価(良いところ、悪いところ)
良い所
- とにかく『熱い』!カバディという競技を全く知らなくても、試合中の執念や駆け引きの描写が凄まじくて一気に引き込まれます。キャラクター一人一人が抱える挫折と、そこからの這い上がりが本当に丁寧に描かれています。
- 「ネタスポーツ」だと思っていた自分を殴りたいほど、この作品のカバディは格好良い。息を止める、という独自のルールがもたらす極限の緊張感が、独自の作画表現でダイレクトに伝わってきます。
- 武蔵野創先生の描くキャラクターの個性がとにかく強い。味方も敵も、負けられない理由がしっかりあり、試合が決着する瞬間のカタルシスと切なさが混ざり合った感情は、他のスポーツ漫画では味わえません。
- 戦略性が非常に高く、緻密なルールに基づいた知略のぶつかり合いが見応え抜群。パワーだけではない、呼吸を読むような「静」と「動」の対比が素晴らしく、何度読み返しても新しい発見があります。
- スポ根の理想形。自分たちの弱さを認め、それを克服するために泥を啜りながら努力する姿に、大人になった今でも勇気をもらえます。読んでいる間、自分も一緒にコートに立っているような感覚になれる名作です。
悪い所
- 序盤の数巻は、カバディというスポーツを理解してもらうための解説や、少しコミカルな導入が多く含まれるため、本格的な試合の面白さが爆発するまでに少し時間がかかると感じる読者もいるかもしれません。
- 武蔵野先生独自の、非常に勢いのある、時として「荒々しい」筆致の作画が特徴。この熱量が最高だというファンが多い一方で、綺麗で洗練された絵柄を好む人には、少し暑苦しすぎると感じてしまう可能性はあります。
- 試合が非常に緻密に描かれるため、一つの対戦がかなり長く続くこともあります。物語の進行スピードを求める人には、少しじれったいと感じられる時期があるかもしれません。
- カバディのルールそのものが特殊なため、物語に没頭するあまりに自分も息を止めて読んでしまい、非常に疲れる(笑)という贅沢な不満も。それほどまでに臨場感が凄まじいです。
- 中盤以降、キャラクター同士の因縁が非常に複雑に絡み合うため、途中から読むと特定のキャラの「重すぎる想い」の背景を理解するのが少し大変かもしれません。最初からじっくり追うべき作品です。




