レビュー著者: 漫画よしあし
最終更新日:
岳 の感想と評価(良いところ、悪いところ)
岳
著者: 石塚真一
連載: ビッグコミックオリジナル
評価: 9.2/10
あらすじ
北アルプスなどの山々を舞台に、山岳救助ボランティアとして活動する島崎三歩の姿を描いた感動のヒューマンドラマ。三歩は世界中の巨峰を登り歩いてきた超一流の登山家だが、今は日本の山を愛し、遭難者の救助に命を懸けている。山を甘く見るなと叱るのではなく、「よく頑張った」と遭難者の健闘を称える三歩の言葉は、傷ついた人々の心を深く癒やしていく。雄大な自然の美しさと、一歩間違えれば死に直結する圧倒的な厳しさを、リアリティたっぷりの描写で活写。命の尊さと、山に魅せられた人々の熱き想いが交錯する、読む者の人生観を変えてしまうほど圧倒的な力を持った山岳ロマンの傑作!
良い所
- 三歩の「よく頑張った」という言葉に、読むたびに涙が止まらなくなります。救助の厳しさと同時に山の美しさが完璧に描かれていて、登山をしない私でも人生の大切なことを教わった気がする最高のバイブルです。
- 山の恐ろしさを誤魔化さずに描いている点に凄みを感じます。一話完結ながら、毎回映画を一本観たような深い感動と余韻が残ります。三歩の超人的なカッコよさと優しさに触れて、明日を生きる勇気をもらえました。
- 救助される側だけでなく、残された家族の想いや救助隊の葛藤まで丁寧に描かれていて、人間ドラマとして非常に深いです。大自然の描写が圧巻で、白黒の紙面から空気の冷たさや風の音が伝わってくるようでした。
- ただの美談で終わらず、救えない命がある現実を突きつけてくる誠実な作風に痺れました。それでも山に登り続ける人々の業のようなものを感じ、命を懸けて向き合うことの尊さに、心から震えるほど感動しました。
- 自分も山に登るので、装備や天候の判断などリアリティのある描写がとても参考になりました。三歩のような大きな器を持った人間になりたいと憧れます。全巻読み終わった後の喪失感と多幸感が本当に凄かったです。
悪い所
- 救助できずに亡くなってしまうエピソードがかなり多く、読んでいて精神的にかなり削られました。遺体の描写も生々しくて重苦しいため、心が元気な時じゃないと最後まで読み進めるのはしんどい作品だと感じます。
- 主人公の三歩が身体能力も精神も超人すぎて、後半になるほど少しリアリティに欠ける気がしました。また、山の怖さを知らない軽率な遭難者の行動にイライラしてしまう場面が多くて、読んでいて少しストレスでした。
- 毎回誰かが遭難して三歩が助けに行くというパターンの繰り返しなので、全18巻を一気に読むと流石にマンネリを感じました。もう少し三歩自身の過去や私生活を深く掘り下げた長編エピソードも欲しかったです。
- 救助隊のメンバーが三歩に対して少し厳しすぎたり、ギスギスした人間関係が描かれることがあり、少し不快に感じる瞬間がありました。もっと三歩を中心とした平和な山の日常回があっても良かったのにと思います。
- 最後の一区切りとしての終わり方が、個人的には少し唐突で寂しく感じてしまいました。もう少し彼らのその後をじっくり見届けたかったので、感動しつつもどこか不完全燃焼な気持ちが残ってしまったのが残念です。
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