レビュー著者: 漫画よしあし
最終更新日:
ワールドトリガー の感想と評価(良いところ、悪いところ)
ワールドトリガー
著者: 葦原大介
連載: ジャンプSQ.
評価: 8.5/10
あらすじ
異次元「近界」から現れる侵略者・近界民(ネイバー)から人々を守るために設立された防衛組織・ボーダー。トリオンと呼ばれるエネルギーが低く正隊員になれない三雲修は、「近界民」の少年・空閑遊真と出会い、その力を借りながら戦闘実績を積み始める。遊真の帰郷という目標を共有した修は、ボーダー内のランク戦で仲間と共に腕を磨き、近界遠征チームへの選抜を目指す。能力差を戦術・連携・人間関係で補う主人公像を軸に、個性豊かな隊員たちによるチーム戦の緻密な駆け引き、派閥争いや外交を含む組織政治まで丁寧に描かれる重層的なSFバトル漫画。連載継続中。
良い所
- 戦闘が根性論に頼らず、キャラ固有の能力と戦術を緻密に組み合わせることで決着がつく設計のため、バトルシーンが純粋な頭脳戦として高い読み応えを持つ。
- トリオン体で戦うためキャラが死なない設定が生む安心感と、その仕様を逆手に取った連携技の多彩さが、バトル展開を爽快かつ戦略的なものにしている。
- キャラクターが非常に多いにもかかわらず、各人の背景・能力・個性の掘り下げが充実しており、お気に入りを見つけるとより一層楽しくなる作品構造だ。
- 主人公・三雲修が最強でないジャンプ漫画として異色であり、能力の低さを補う戦術・交渉・仲間連携という方向性が一貫することで成長の説得力が高い。
- ボーダーという組織内での派閥争い・隊内政治・外交交渉が緻密に描かれており、バトルだけでなく組織ドラマとしても楽しめる重層的な作品構造が魅力だ。
悪い所
- 世界観・専門用語・登場人物が膨大であるため序盤の設定把握のハードルが非常に高く、馴染む前に離脱してしまう読者が一定数出てしまうのは否めない。
- 中盤以降のランク戦では対戦相手の詳細分析や戦術解説の描写が長くなりがちで、展開テンポが落ち、アクション目当ての読者には読み進めが重く感じる章が続く。
- 過去に作者の体調不良による長期休載が2年以上に及んだ経緯があり、連載ペースへの不安が読者のモチベーション維持に影響を与えてしまう作品でもある。
- 連載の長期化により未登場キャラクターや未解決の伏線が積み重なっており、物語全体の収束に向けた道筋が見えにくくなっていると感じる読者は少なくない。
- ランク戦や遠征準備など戦略シミュレーション的な要素が続く章では、アクションより会議・分析シーンが主体となりテンポが単調に感じられる箇所が目立つ。




