レビュー著者: 漫画よしあし
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ゴールデンカムイ の感想と評価(良いところ、悪いところ)

ゴールデンカムイ

ゴールデンカムイ

著者: 野田サトル

連載: 週刊ヤングジャンプ

ジャンル: サバイバル青年マンガ歴史グルメアクション

評価: 8.9/10

あらすじ

明治時代後期の北海道。日露戦争において「不死身の杉元」と恐れられた元軍人・杉元佐一は、ある目的のために大金を求めて砂金採りに明け暮れていた。そんな中、彼はアイヌ民族が隠した莫大な金塊の存在と、その在処を示す刺青を彫られた脱獄囚たちの噂を耳にする。ヒグマに襲われたところをアイヌの少女・アシㇼパに救われた杉元は、金塊を巡り行動を共にすることに。大自然の脅威、第七師団の猛者たち、そして凶悪な死刑囚たちが立ちはだかる中、金塊を手にするのは誰か。アイヌ文化や狩猟グルメ要素を織り交ぜながら描かれる、前代未聞の生存競争サバイバル活劇!

本音のガチ長文レビュー(ネタバレ有)

最終31巻まで読了済み。 結構読むの大変だったなという感想です。 面白かったけど、そんなに話題になるほどでは…?という印象でした。 序盤は非常に面白い。 アイヌの生活という今までに触れたことのない世界が、 斬新で興味深く、楽しめるポイント。 現代の日常生活では全く知らない世界なので、 へぇーこんなことしてるんだぁ、という部分がいっぱいです。 その分、説明の長いセリフも多いので、 真面目に読もうとすると非常に疲れます。 私はそのあたりは絵をメインで追いつつ、説明台詞は斜め読み。 ストーリーと直接絡むことはあまりないので、それでもOKでした。雰囲気で楽しめる。 序盤はそういった日常のワチャワチャとか、 冒険ロマンっぽい流れが面白いポイント。 戦闘シーンとか狩りのシーンもありますが、コミカル多めなので、 シリアスにはほとんどならない。 中盤からは、金塊をめぐるグループごとの争奪戦。 アイヌ暮らし関連は減っていきます。 コミカルさが全体的に減って、展開が目まぐるしく変化したり、 直接的な戦闘や、目論見あうような場面が多くなり、漫画の雰囲気が変わってきます。 序盤のほんわかコミカルが好きな人はここで離脱かなと。 かなり青年漫画感が強くなってきます。 ただ、本筋のストーリー展開はここから醍醐味という感じ。 登場人物も増えて、普通に読んでても「コイツ味方だっけ?」と混乱したり、 そもそもスパイでした、みたいな時もあるのでちゃんと読む必要あり。 誰がいまどこにいるのかも、合間に整理のイラストとか入れてくれるけど普通にわからなくなる。 でもわからなくなっても、大枠の展開は理解できるかなと。 終盤は、ストーリーが一気に(突然?)佳境になって、 序盤のノリはもう無い。 あと、いままでほとんど無かったのに、回想シーンみたいのが長々を入ってくるので、 このあたりはダルかったです。 すごいストーリー展開が熱くなってきて、先がどうなるのか読みたいのに、 長々と1キャラの昔話とかいらないなと思った。 そういうのが必要なのもわかるけど、もうちょっと短くできなかったのだろうか。 そういう深掘りがあるわりに、つまりどういう心情で何しているのかをハッキリ言わないので、 結局いまどっち側の人間なのかがわかりづらい。 何度か読んだらわかると思うけど、一読では掴みづらい。 一番最後、スピード感のある展開はすごく良かった。 ここまでの登場人物が死にまくるんだけど、 それ1つ1つに構っている暇がないぐらい一気に進んでいき、 ほんとにこれで終わるというのが伝わってきた。 終わり方については、好み次第だと思うけど、 個人的には、「で、結局だれか何かを意味あるものを手に入れたんでしたっけ?」って感じ。 キレイにまとまった感はあるけど、 これだけ長く激しく争ってきたわりに、何の遺恨もなく終わった感あるし、 具体的になにかを手に入れたの白石だけっていう。 権利書とか意味なくはないけど、結局その後にアシリパのやりたいことに直接つながらないし。 これを手に入れたことで、この先こんな展開が繰り広げられるんだろうなぁ、というのが無かったのが終わり方としては残念。 ネットでは、アイヌの民族としての扱い方が~みたいな話もあるみたいですが、 そういう系の知識や思想は良くも悪くも何も持っておらず、あまりわからないんで触れません。 基本的には勢いや展開を楽しむ漫画として読むのが良い作品だと思います。 新選組のキャラも出てきますがそこは深掘りされないので注視しても意味無いし、 アイヌ文化を深く知るために読むものでもないです。(キッカケとか元から興味がある人は取っ掛かりにしてもいいと思います) 面白いか、つまらないかでいうと間違いなく面白いに入ります。 ただ、結局は青年漫画のノリなのでそこが合わない人はダメだろうというのと、 一時期異常に持て囃された(マーケティングの都合?)ほどではないというのは把握して読んでもらうのが良いです。 あと、余談としては、アイヌの人の名前、全然覚えられない。っていうか読めない。 あとさらに余談で、個人的に一番好きなのはロシアから付いて来ちゃったスナイパー。あの知能戦、すごい好き。でもそういう漫画ではない。

良い所

  • アイヌ文化や北海道の歴史について非常に細かく描かれていて、勉強になります。厳しい大自然の中で生き抜くための知恵や狩猟グルメの描写がリアルで、読んでいてワクワクが止まりません。最高の作品です!
  • 金塊を巡るサバイバルというシリアスなテーマですが、登場人物たちの掛け合いや狂気じみたギャグが絶妙で笑えます。不死身の杉元とアシリパさんのコンビが最高で、彼らの絆の深さに何度も胸が熱くなりました。
  • 歴史モノは苦手でしたが、個性豊かで時には変態的なキャラクターたちが魅力的で一気に引き込まれました。アクションシーンの迫力はもちろん、ジビエ料理を食べるグルメ漫画としても楽しめる唯一無二の傑作です。
  • それぞれの勢力が己の正義や欲望のために命を懸ける群像劇として、めちゃくちゃ面白いです。ただの善悪では語れない人間たちの泥臭い生き様が丁寧に描かれており、最後までどうなるか目が離せませんでした。
  • 残酷な暴力シーンもありますが、それを中和するようなアシリパさんの変顔や料理シーンがたまらないです。史実とフィクションの融合が見事で、大河ドラマを見ているような圧倒的なスケール感に大満足です。

悪い所

  • グロテスクな描写や残酷な殺戮シーンがかなり多いので、血や内臓が苦手な人には少しキツいかもしれません。痛々しい戦闘シーンに目を背けたくなる瞬間があり、読むのに体力が要る作品だと感じました。
  • 個性的なキャラクターがたくさん登場するのは良いのですが、時折下品すぎるギャグや変態的な性癖の持ち主が出てくるため、人によってはドン引きしてしまうかも。もう少し真面目な歴史劇を読みたかったです。
  • アイヌの言葉や歴史的な背景の説明が多くて、セリフの文字数がびっしり詰まっているページは読むのが疲れます。じっくり読めば面白いのですが、サクサク読みたい人には少しテンポが悪く感じるかもしれません。
  • 中盤以降、金塊探しの本筋から外れたキャラクターの過去編やギャグ回が長引き、ストーリーがなかなか進まないように感じる時期がありました。もっとテンポ良くサバイバルを描いてほしかったです。
  • 登場人物が次々と死んでいくので、お気に入りのキャラクターができてもすぐに退場してしまうのが悲しいです。救いのない展開も多く、もう少し明るい結末を迎えるキャラクターがいても良かったのになと思います。

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