レビュー著者: 漫画よしあし
最終更新日:
木根さんの1人でキネマ の感想と評価(良いところ、悪いところ)
木根さんの1人でキネマ
著者: アサイ
連載: ヤングアニマル
評価: 8.5/10
あらすじ
会社では「有能で隙のない美人」を演じている30代独身の木根さん。しかし彼女の真の姿は、映画のことになると早口で語り出し、他人と解釈違いを起こしては一人で勝手に苦悩する、拗らせまくった重度の映画オタクだった!アサイが描く、映画愛とオタクの「業」に満ちた日常コメディ。映画好きなら「わかる!」と膝を打ち、そうでない人も木根さんの面倒くさい人間性に爆笑してしまう快作。
良い所
- 映画オタクの「あるある」が詰まりすぎていて、読んでいて自分のことかと思うほど共感してしまいました。映画の感想で他人とマウントを取り合ってしまうあの面倒くささ、痛いほど分かります。
- 木根さんの、外での完璧な姿と家での自堕落なオタク姿のギャップが最高に面白いです。彼女の「面倒くさい人間性」が愛おしくなってきます。
- 実際に存在する映画(スターウォーズ、ターミネーター等)を題材にして、その魅力を全力で語ってくれるので、読んだ後にその映画を無性に観たくなります。最高の映画紹介漫画でもあります。
- オタクの心理描写が秀逸。「にわかファンへの嫉妬」や「好きな作品が批判された時の怒り」など、オタクなら誰しも経験のある感情をコメディに昇華する手腕が見事です。
- 木根さんの周囲の人たち(特に元夫やオタク仲間の友人)も個性が強くて、彼らとの映画を巡る不毛な議論や掛け合いが毎回笑わせてくれます。
悪い所
- 作中で語られる映画を全く観たことがない人にとっては、ネタバレを含んだ熱い語りやマニアックな視点が「置いてけぼり」に感じられてしまうエピソードが多いです。
- 木根さんの性格が本当に「面倒くさくて痛いオタク」なので、そういう自己中心的なキャラクターのノリが苦手な人には、彼女の言動にイライラしてしまうかもしれません。
- 映画の解釈や評価に対して木根さんがかなり極端な(時には偏見に満ちた)持論を展開するため、自分の好きな映画が作中でイジられた時に不快に感じる人もいるかもしれません。
- コメディとしては非常に面白いですが、恋愛要素や大きなストーリーの進展はほとんどないため、キャラクターの成長や変化を楽しみたい人には少し単調に感じるかも。
- セリフの量が尋常ではなく多く、コマの中に文字がぎっしり詰まっているため、読むのにかなりエネルギーを使います。「読む」というより「浴びる」感覚の漫画です。





