レビュー著者: 漫画よしあし
最終更新日:
ナナマル サンバツ の感想と評価(良いところ、悪いところ)
ナナマル サンバツ
完結著者: 杉基イクラ
連載: ヤングエース
評価: 8.2/10
あらすじ
読書好きで人前が苦手な高校一年生の越山識は、入学早々に怪しい先輩とクラスメイトに引っ張られ、クイズ研究会の早押しを体験する。戸惑いながら眺めるうちに、問題文には答えが一つに絞られる瞬間があると気づき、自分の知識が武器に変わる手応えをつかむ。他校との合同大会では天才・御来屋のスピードに叩きのめされ、コンマ数秒を削り合う競技クイズの深みへはまっていく。仲間が増え、例会や合宿で戦術を磨いた先に待つのは、全日本U-18大会の舞台。押すか、待つか。ボタンに指をかけたまま迷う一瞬に青春を丸ごと賭ける高校生たちの、机の上で燃え上がる知力戦!
この作品が載っている特集
読む前に確認したい相性
向いている人
- ただ物知りなだけでは勝てないと知って、知恵比べが競技として成立する瞬間にわくわくできる人
- 運動部ものとは違う汗のかき方で、部室から全国大会まで駆け上がる青春を追いかけたい人
- テレビのクイズ番組を見て自分も答えられると思ったことがあり、その裏側の練習量と駆け引きを覗いてみたい人
向いていない人
- 勝負の形式やルールの説明が続くと疲れてしまい、細かい決まりごとを覚えずに物語へ入っていきたい人
- 主人公とヒロインの関係が進むところを楽しみにしていて、恋の行方がはっきり動く展開を求める人
- 登場人物の内面をじっくり追う物語が好きで、競技の面白さより人物の掘り下げを大事にしたい人
良い感想・レビュー
- クイズなんて早押しするだけだろうと侮っていた僕が恥ずかしい。答えが確定する手前を狙って指を落とす、押す位置そのものを競う競技だと知ってから、早押しの一秒がレースの映像みたいに見えてきた。
- ルールが変わるたびに出題の狙いを読み、攻めるか固く行くかを選び直す。誤答の仕方にまでその人らしさが出るほどの描き込みで、俺はいつのまにか自分ならどこで押すかを考えながら読んでいた。
- クイズものは外れが多いと思っていた僕には驚きだった。作中の問題が半分は解けるかもしれない絶妙な難しさに揃えてあって、つい声に出して答えてしまう。書き手が競技を知っているだけで読み味がここまで違う。
- 終盤のライバルとの一対一では、読んでいる僕まで前のめりになった。勝負が決まったあとの静かな時間まで丁寧に描いてくれるから、読み終えたときには彼らの三年間を見届けた気持ちになる。
- 俺はテレビのクイズ番組を見ながら自分もいけると思ってしまう口で、これは刺さった。知識より先に度胸と読みが問われる世界を味わわせてもらって、昔クイズに熱くなった頃の気分がよみがえってきた。
悪い感想・レビュー
- 大会の形式が凝りすぎていて、ルール説明を読み返さないと勝敗が飲み込めないのがしんどかった。陣取りと早押しを重ねたような設計はリアルなのかもしれないが、少し都合よく転がって見える場面もある。
- 新しい形式が出てきて、慣れて、対策して勝つ。この流れが続くと相手ではなくルールと戦っている気分になってくる。文化系の競技ものにありがちな型で、途中で少し飽きてしまった。
- 一話目で恋の話を持ち出しておきながら、主人公とヒロインの距離が最後まで動かないのは正直もやもやする。後半になるほど男子キャラばかり増えていって、私が読みたかった方向からは離れていく。
- 戦略やクイズ作りの裏側は面白いのに、人物の描き方が薄いのは気になった。役割どおりに動くだけの脇役が多くて、言動が場面ごとにぶれる子もいる。俺が引っ張られたのは競技の熱さの方だけだった。
- あれだけ積み上げてきた全国大会なのに、決勝だけあっさり要約されて終わるのは僕には物足りない。文化祭の回や部の成長は楽しかっただけに、一番見たかった勝負を駆け足で流されたのが惜しい。










