レビュー著者: 漫画よしあし
最終更新日:
本屋の森のあかり の感想と評価(良いところ、悪いところ)
本屋の森のあかり
完結著者: 磯谷友紀
連載: Kiss
評価: 8.4/10
あらすじ
地方の支店から東京の本店へ移ってきた新米書店員のあかり。大型書店の仕事は毎日が大忙しで、とまどうことばかりです。そんな彼女の心のよりどころは、やさしくて物知りな本オタクの副店長・杜三。人間より本が好きなその人に思いを打ち明けるものの、恋は届かずフラれてしまいます。ぎくしゃくするあかりに、いつもどおりやさしい彼。それがありがたくて、かなしい。同期の緑も加わり、三人の思いが少しずつ動き出します。各話には実在の本が一冊ずつ、物語にからめて登場します。東京本店から名古屋支店、さらにソウル支店へと舞台を移しながら、本屋さんの裏側ものぞける、本と恋をめぐる書店員ライフ!
読む前に確認したい相性
向いている人
- 読むと紹介された本も読みたくなる漫画を探している、本屋さんや本そのものが好きな人
- 普段は見えない書店員の仕事の裏側をのぞいてみたい人や、書店で働いた経験があり共感したい人
- 派手な展開よりも、ほのぼのとした恋と仕事の物語をゆっくり、やさしい気持ちで味わいたい人
向いていない人
- キャラが濃く描き分けのはっきりした作品を好み、登場人物の存在感の薄さが気になる人
- 先が読めないスピード感ある展開を求め、まったりしたお約束の進み方では物足りない人
- お仕事ものに現実の職場の厳しさやリアルさを求め、恵まれた大型書店の描写に引っかかる人
良い感想・レビュー
- 1話ごとに1冊の本が物語にからめて出てきて、読むと本が無性に読みたくなります。古典から日本の作品、海外の詩集まで幅広く、実際に紹介された詩集を買いました。
- 本の紹介が文章だけで終わらず、装丁や挿絵にまで触れてくれるのが本好きにはうれしいところ。これまであまり好きではなかった詩が、雪景色のイメージと一緒に引用されたことで、魅力的な印象に変わりました。
- 本屋さんの業務のひとつひとつに『へぇ〜』と感心できる。細々した仕事の大変さも伝わる。書店に勤めていた身としては『そういうことあった!』と、働いた人ほど共感できる書店の裏側が詰まっている。
- 洋書担当のおじさん書店員など、新しく出てくる人たちがみんな等身大で一生懸命。何より本が好きな人ばかりで、哀愁漂うおじさんたちの奮闘を読んでいると心がほんわかしてくる。
- 本屋の仕事と恋という本筋に加え、各話に出てくる本が気になって、気づけばまた開いています。色気はないけれどふんわりしていて、昼間の本屋のようなあたたかさを感じる上質な少女漫画です。
悪い感想・レビュー
- 登場人物の存在感が全体に薄いのがどうしても物足りない。雰囲気も絵の感じも、なにもかもが希薄で、人物の描き分けもいまひとつ。主人公のキャラが薄いのも難点だ。
- 書店好きが共感するあるあるは好きです。ただ、話が進んでキャラクターが際立ってくるにつれ、なんだかモヤっとしてきました。主人公は一生懸命で、純粋ないい子なのになぜかイライラさせられるのです。
- 期待どおりほのぼのとしていて、動きはあってもどうもまったり進行。コンプレックスの描き方がステレオタイプすぎて先が読めてしまう。お約束だと、安心して読める保険のようなものだとわかってはいるけれど。
- 子どものころ読んだ本が題材なのはうれしい反面、現実の本屋と比べるとこの書店は恵まれすぎていると感じます。立地がよく、配本にも困らず、100面陳までできるゆとりは夢の中のお話のようです。
- パステルカラーの表紙絵が好きなのに、紙の本にある裏表紙や折り返しのイラストが電子版には入っていないのが、なんとももったいない。電子版の値段にも首をかしげたくなる。
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