レビュー著者: 漫画よしあし
最終更新日:
今夜は月が綺麗ですが、とりあえず死ね の感想と評価(良いところ、悪いところ)
良い所
- 「愛と殺意が同居する」という衝撃的な設定に、一気に世界観に引き込まれました。大切な人を守りたいのに殺したいという、神城の極限の葛藤と苦悩が痛いほど伝わってきて、読む手が止まりませんでした。
- ただのパニックホラーではなく、緻密に練られたサスペンス要素が非常に秀逸です。殺意の感染の謎が少しずつ明らかになっていく過程のワクワク感と、絶望的な展開の連続に、常に心臓がバクバクします。
- 作画が非常に美麗で、狂気に染まったキャラクターの表情描写が本当に凄まじいです。特にヒロインの花園さんの純真さと、それを取り巻く凄惨な状況の対比が鮮やかで、画面から目が離せなくなります。
- 愛しているからこそ殺したくない、という究極の純愛の形を見せられた気がします。極限状態での人間ドラマが熱く、絶望の中でもがき続ける少年たちの姿に、何度も胸が熱くなって泣いてしまいました。
- 結末がどうなるのか全く予想がつかない、スリル満点のストーリー展開が最高です。ダークなファンタジーやサスペンスが好きな人なら、間違いなくハマる圧倒的なパワーを持った傑作だと思います。
悪い所
- 設定がかなり残酷で、大切な人を殺めるような描写が頻繁にあるため、精神的にかなりキツかったです。物語の面白さは分かりますが、生理的な嫌悪感を強く感じてしまう場面があり、人には勧めにくいです。
- 物語のスケールが大きくなるにつれて、初期の切実な恋愛サスペンス要素が薄れてしまい、少し大味な展開になってしまったのが残念でした。もっと二人の狭い世界での葛藤を、最後までじっくり見たかったです。
- 一部のキャラクターの行動が支離滅裂というか、殺意に支配されすぎていて感情移入が難しい場面がありました。もう少し理性を保った状態での駆け引きや、心理的な攻防が欲しかったなと思います。
- 伏線の張り方が少し強引で、後付けのように感じる設定がいくつか気になりました。衝撃的な展開を優先するあまり、物語としての論理的な整合性が少し犠牲になっているように感じるのが不満点です。
- 救いのない展開が延々と続くため、読後感が非常に重くて憂鬱な気分になります。ハッピーエンドを期待している人には絶対に向かない、徹底したダークさに心が折れてしまいそうになる作品です。





