レビュー著者: 漫画よしあし
最終更新日:
ここは今から倫理です。 の感想と評価(良いところ、悪いところ)
ここは今から倫理です。
完結著者: 雨瀬シオリ
連載: グランドジャンプ
評価: 9.3/10
あらすじ
「倫理」とは人倫の道であり道徳の規範。学ばずとも将来、困ることはほぼない学問。しかし、この選択授業の教室には、生きづらい現代社会に傷つき葛藤する高校生たちの人生の真実が詰まっていた。リストカットなどの自傷行為、性的依存、ネグレクト、孤独感といったリアルで重厚な問題を抱える生徒たち。彼らの前に現れたのは、常にミステリアスで冷めた眼差しを持つ倫理教師・高柳。高柳は生徒たちに寄り添いすぎず、しかし先人たちの哲学や思想の言葉を差し出しながら、彼らが自らの意志で問い、立ち上がるまでを静かに見守る。心を深く揺さぶる新時代の異色スクール教師劇!
読む前に確認したい相性
向いている人
- 生きづらさを抱える若者の物語を通じ、哲学者の言葉が生きた言葉として心に刺さる体験がしたい人
- 問題を解決しすぎず静かに生徒を見守る、ミステリアスな教師のスタンスに深く惹かれる人
- 自傷行為や孤独感など現代のリアルな生きづらさを、重さと向き合いながらじっくり読める人
向いていない人
- 自傷・虐待などの重苦しい描写が続くため、精神的に削られやすくメンタルが弱い時には読めない人
- 明確な解決やハッピーエンドのカタルシスを求め、答えの出ない余韻に強いもやもやを感じる人
- 熱血型の教師への共感を期待し、突き放したような冷めた教師像に感情移入できない人
良い感想・レビュー
- 他人に言えない重い悩みを抱える高校生たちに、高柳先生が哲学者の言葉を差し出す構成が実に秀逸だ。ただの綺麗事ではなく、生きるための生きた実学として倫理が心に染み渡り、深く感動した。
- 常に冷淡でどこか人間嫌いオーラを放つ高柳先生のミステリアスな佇まいが最高に魅力的だ。生徒にベタベタと寄り添いすぎず、少し突き放しながらも静かに見守る彼の独特なスタンスに惹かれた。
- 雨瀬シオリ先生ならではの、少し退廃的で繊細かつ生命力溢れる作画が素晴らしい。キャラクターたちの苦悩に満ちた表情や、ふとした瞬間の眼の描き込みに圧倒的な説得力があり、引き込まれる。
- いじめや自傷、愛への飢えといった現代のリアルな生きづらさが容赦なく描かれており、他人事と思えず胸が締め付けられた。先人たちもこうやって悩み、問い続けてきたのだと知って凄く救われた。
- 全10巻で綺麗に完結しており、物語の着地が本当に完璧だった。劇的なハッピーエンドではなく、それでも少し前を向いて生きていこうと思わせてくれる余韻が素晴らしく、何度も読み返している。
悪い感想・レビュー
- 自傷行為や性的問題、ネグレクトなどの非常に重苦しくショッキングな描写が多いため、読んでいる内に精神をひどく削られた。自分のメンタルが弱っている時に読むと、かなりどんよりしてしまう。
- 倫理という学問を扱う以上、明確な白黒をつけず曖昧で答えの出ない結末が多いのが少しもやもやした。すっきりとした大団円や、勧善懲悪のようなわかりやすいカタルシスを求める私には合わなかった。
- 高柳先生が生徒を突き放す態度やどこか生気のない表情が、私にとっては冷酷で不気味に感じられる時があった。一般的な熱血教師の頼もしさを期待して読むと、彼の意図を掴みかねて感情移入しにくい。
- 悩みを哲学者の名言で解決に導く流れが、一部のエピソードにおいてやや説教臭くて理屈っぽいと感じてしまった。思想を強引にキャラクターの悩みにこじつけているように見えて、少し冷める部分がある。
- 一話完結の短編連作としては高い完成度だが、中盤を過ぎるとお話の流れがワンパターンに感じられてマンネリを覚えた。登場する生徒たちの悩みの切り口が変わるだけで、全体の展開予想がつきやすい。
良い感想・レビュー
悪い感想・レビュー
他人に言えない重い悩みを抱える高校生たちに、高柳先生が哲学者の言葉を差し出す構成が実に秀逸だ。ただの綺麗事ではなく、生きるための生きた実学として倫理が心に染み渡り、深く感動した。
自傷行為や性的問題、ネグレクトなどの非常に重苦しくショッキングな描写が多いため、読んでいる内に精神をひどく削られた。自分のメンタルが弱っている時に読むと、かなりどんよりしてしまう。
常に冷淡でどこか人間嫌いオーラを放つ高柳先生のミステリアスな佇まいが最高に魅力的だ。生徒にベタベタと寄り添いすぎず、少し突き放しながらも静かに見守る彼の独特なスタンスに惹かれた。
倫理という学問を扱う以上、明確な白黒をつけず曖昧で答えの出ない結末が多いのが少しもやもやした。すっきりとした大団円や、勧善懲悪のようなわかりやすいカタルシスを求める私には合わなかった。
雨瀬シオリ先生ならではの、少し退廃的で繊細かつ生命力溢れる作画が素晴らしい。キャラクターたちの苦悩に満ちた表情や、ふとした瞬間の眼の描き込みに圧倒的な説得力があり、引き込まれる。
高柳先生が生徒を突き放す態度やどこか生気のない表情が、私にとっては冷酷で不気味に感じられる時があった。一般的な熱血教師の頼もしさを期待して読むと、彼の意図を掴みかねて感情移入しにくい。
いじめや自傷、愛への飢えといった現代のリアルな生きづらさが容赦なく描かれており、他人事と思えず胸が締め付けられた。先人たちもこうやって悩み、問い続けてきたのだと知って凄く救われた。
悩みを哲学者の名言で解決に導く流れが、一部のエピソードにおいてやや説教臭くて理屈っぽいと感じてしまった。思想を強引にキャラクターの悩みにこじつけているように見えて、少し冷める部分がある。
全10巻で綺麗に完結しており、物語の着地が本当に完璧だった。劇的なハッピーエンドではなく、それでも少し前を向いて生きていこうと思わせてくれる余韻が素晴らしく、何度も読み返している。
一話完結の短編連作としては高い完成度だが、中盤を過ぎるとお話の流れがワンパターンに感じられてマンネリを覚えた。登場する生徒たちの悩みの切り口が変わるだけで、全体の展開予想がつきやすい。


