レビュー著者: 漫画よしあし
最終更新日:
九条の大罪 の感想と評価(良いところ、悪いところ)
九条の大罪
著者: 真鍋昌平
連載: 週刊ビッグコミックスピリッツ
評価: 9.3/10
あらすじ
『闇金ウシジマくん』の真鍋昌平が描く、法と道徳の限界を暴く社会派法廷サスペンス!鼻持ちならない知識人や半グレ、薬物密売人など、世間が『悪人』と指弾するクズばかりを弁護する偏屈な弁護士・九条間人。彼のスタンスはただ一つ。『私は法律の擁護者であり、道徳の擁護者ではない』。飲酒ひき逃げの罪逃れや、弱者を食い物にする介護詐欺、AV搾取など、現代社会の最暗部をこれでもかとリアルに抉り出す。冷徹な法廷のルールの前で、正義とは何か、悪とは何かを突きつける。罪なき弱者が泣き寝入りし、法の抜け穴を知る悪党が笑う、あまりに非情で息が詰まる司法の真実!
読む前に確認したい相性
向いている人
- 法律と正義は必ずしも一致しないという冷徹な現実を、物語を通して突きつけられたい人
- 感情を排し損得だけで動く徹底的にドライな主人公の流儀に痺れ、その仕事ぶりを見届けたい人
- 社会の底辺で起きる搾取や詐欺の構造を、緻密な取材に基づいて描く重厚な作品を求める人
向いていない人
- 罪なき者がさらに奈落へ追い詰められる救いのない展開に、強い心の痛みを感じてしまう人
- 卑劣な側に悪知恵を貸して罪を逃れさせる主人公の手法に、倫理的な抵抗を覚えてしまう人
- 生々しく陰惨な現実を描く物語の重い読後感よりも、明るく前向きで爽快な読み心地を好む人
良い感想・レビュー
- 俺は第1話の飲酒ひき逃げ犯が法の抜け穴で執行猶予になる理不尽さに怒りと共に脳をぶん殴られた。綺麗事の一切通用しない、法律の冷徹なリアルを突きつけてくる切れ味に鳥肌が立ちっぱなしだった。
- 「法とモラルは別物」と割り切る九条の、感情を一切挟まない冷徹な弁護士像がマジで痺れるほど格好いい。悪人を救うプロセスを通して、法治国家の歪みを白日の下に晒す構成が本当に知的で素晴らしい。
- ウシジマくん同様、風俗ビジネスの搾取構造や介護詐欺の恐ろしすぎる取材力の厚みが凄まじい。現実に起きていそうな闇をそのまま漫画に落とし込んでいるから、一コマ一コマの情報密度に引き込まれる。
- 九条を支えながらも自分の正義感と仕事の冷酷さの間でボロボロに引き裂かれる烏丸の葛藤が本当にしんどい。烏丸が常識人の視点を代弁してくれるからこそ、九条の異端さが際立つバディの描き方が秀逸。
- 実写ドラマ版を観て原作を読んだけど、紙面から漂う、救いようのない圧倒的な退廃感と不気味さの説得力は真鍋先生にしか描けない。悪が法で守られていく不条理に、社会の不都合な真実を見た気がする。
悪い感想・レビュー
- 法を盾にしてクズや半グレを無罪放免にし、罪なき被害者をさらに奈落の底へ追い詰める展開が多すぎて、僕は読んでいて正直かなり胃が痛くなった。勧善懲悪のスカッとするカタルシスはゼロの劇薬漫画。
- いくらそれが仕事とはいえ、卑劣な犯罪者に悪知恵を与えて罪逃れさせる九条のやり方にはどうしても倫理的に嫌悪感が勝ってしまった。主人公として感情移入できないし、読んでいて不快感しか残らない。
- ネットのAV搾取や半グレの生態など、描かれる社会の闇がどれも生々しくグロテスクすぎて、私は読了後にどんよりと暗い気持ちになってしまった。精神的なストレスが強すぎて、エンタメとして気楽に読めない。
- 一話ごとの訴訟内容や法律の解釈、判例などの文字量がめちゃくちゃ多くて読むのにかなり体力を使う。ただサクサクと絵でバトルを楽しみたい読者には、この理屈っぽさと情報量の多さは退屈に感じるかも。
- 毎回悪党たちが上手く逃げおおせて、「誰も救われない胸糞悪い終わり方」ばかりが続くので、閉塞感が強すぎる。たまには被害者が少しでも報われるような、司法の正義を見せて欲しかったというのが本音。
良い感想・レビュー
悪い感想・レビュー
俺は第1話の飲酒ひき逃げ犯が法の抜け穴で執行猶予になる理不尽さに怒りと共に脳をぶん殴られた。綺麗事の一切通用しない、法律の冷徹なリアルを突きつけてくる切れ味に鳥肌が立ちっぱなしだった。
法を盾にしてクズや半グレを無罪放免にし、罪なき被害者をさらに奈落の底へ追い詰める展開が多すぎて、僕は読んでいて正直かなり胃が痛くなった。勧善懲悪のスカッとするカタルシスはゼロの劇薬漫画。
「法とモラルは別物」と割り切る九条の、感情を一切挟まない冷徹な弁護士像がマジで痺れるほど格好いい。悪人を救うプロセスを通して、法治国家の歪みを白日の下に晒す構成が本当に知的で素晴らしい。
いくらそれが仕事とはいえ、卑劣な犯罪者に悪知恵を与えて罪逃れさせる九条のやり方にはどうしても倫理的に嫌悪感が勝ってしまった。主人公として感情移入できないし、読んでいて不快感しか残らない。
ウシジマくん同様、風俗ビジネスの搾取構造や介護詐欺の恐ろしすぎる取材力の厚みが凄まじい。現実に起きていそうな闇をそのまま漫画に落とし込んでいるから、一コマ一コマの情報密度に引き込まれる。
ネットのAV搾取や半グレの生態など、描かれる社会の闇がどれも生々しくグロテスクすぎて、私は読了後にどんよりと暗い気持ちになってしまった。精神的なストレスが強すぎて、エンタメとして気楽に読めない。
九条を支えながらも自分の正義感と仕事の冷酷さの間でボロボロに引き裂かれる烏丸の葛藤が本当にしんどい。烏丸が常識人の視点を代弁してくれるからこそ、九条の異端さが際立つバディの描き方が秀逸。
一話ごとの訴訟内容や法律の解釈、判例などの文字量がめちゃくちゃ多くて読むのにかなり体力を使う。ただサクサクと絵でバトルを楽しみたい読者には、この理屈っぽさと情報量の多さは退屈に感じるかも。
実写ドラマ版を観て原作を読んだけど、紙面から漂う、救いようのない圧倒的な退廃感と不気味さの説得力は真鍋先生にしか描けない。悪が法で守られていく不条理に、社会の不都合な真実を見た気がする。
毎回悪党たちが上手く逃げおおせて、「誰も救われない胸糞悪い終わり方」ばかりが続くので、閉塞感が強すぎる。たまには被害者が少しでも報われるような、司法の正義を見せて欲しかったというのが本音。





