レビュー著者: 漫画よしあし
最終更新日:
新のぞき屋 の感想と評価(良いところ、悪いところ)
新のぞき屋
完結著者: 山本英夫
連載: 週刊ヤングサンデー
評価: 8.4/10
あらすじ
依頼人が指定した相手を、盗聴も尾行もピッキングも使って徹底的にのぞく。そんな稼業で食う男たちの物語。主人公の見(ケン)が張り込みの先に見つけるのは、まっとうな顔で暮らす人間が隠してきた欲と嘘。依頼のたびに現れる相手は一筋縄ではいかず、のぞく側とのぞかれる側の腹の探り合いが続く。のぞかれる側の化けの皮が剥がれるたび、依頼した側の心の奥まで一緒に暴かれていく。九十年代の街の匂いごと写し取った絵には、目をそらしたくなる生々しさがある。それでも技術と駆け引きで相手を追い詰める手際に引っぱられ、いつのまにか人の心をのぞいているのは読者のほう。人の醜さを正面から掘り起こす、ひりついた心理サスペンス!
読む前に確認したい相性
向いている人
- きれいごとを剥がして人間の欲や弱さを正面から描く話を、目をそらさずに読み切りたい人
- 尾行や盗聴の腕を駆使し、嘘を暴く駆け引きが一手ずつ積み上がっていく展開を楽しめる人
- 危ない仕事に手を染めながらも、登場人物の誰もが傷や弱さを抱えている物語に惹かれる人
向いていない人
- 人の欲や汚さを直視する場面が続くと疲れてしまい、読後感の良さを何より大事にする人
- 絵のきれいさや動きのなめらかさを重く見ていて、絵の完成度の高さから作品に入りたい人
- 発表当時の街の様子や道具立てがそのまま出てくるので、今の時代の感覚で描かれた話を読みたい人
良い感想・レビュー
- のぞきの技術と人の心理と本能が絡まり合って進んでいく作りに引き込まれました。ただの探偵ものだと思って読み始めたのに、のぞく側の心まで一緒に暴かれていく構造にやられた気分です。
- 主人公たちが全員どこかにトラウマや弱さを抱えていて、危ない仕事をしているのに憎めない。後ろ暗い稼業なのに人物が薄っぺらくならないところが好きで、中学生の頃に読んで以来ずっと虜になっている。
- 登場人物が入れ替わるたびに主人公との駆け引きが生まれて、そこが面白いんです。相手が一枚上手か格下かで緊張の度合いが変わるので、依頼が変わるたびこちらの読み方まで変えさせられます。
- 絵柄が特別きれいというわけではないのに、話の力でぐいぐい引っ張られた。題名からしてヤバい匂いがするのに中身は骨太で、初めて読む作家だったが高評価の理由がわかった気がする。
- 学生時代に読んだきり忘れていたのに、なぜかたまに読み返したくなるんです。懐かしさで無料分だけ開いたつもりが、昔読んだときと同じ引力がまだ残っていて、そのまま最後まで買い進めました。
悪い感想・レビュー
- 全体的に下品というのか、読んでいて嫌悪感のほうが先に立ちました。人間の汚い部分ばかりを見せられる息苦しさがあって、一度読んだらもうお腹いっぱいというのが正直な感想。
- 話の筋には力があるのに、生々しい場面が意味もなく散りばめられているのがきつくて途中で折れた。必要な描写なら我慢もできるが、そうでない場面が多すぎて読み進める気力が続かなかった。
- もう少し絵が良ければもっと広く受け入れられたと思う。描写が硬くて人物の動きがぎこちないので、緊迫した場面でも絵が話の速度に追いついていない印象を受けた。
- かなり前の作品なので、盗聴に使う道具立てが古びて見えるのは仕方がないと思います。話そのものはさほど古くなっていないぶん、機材まわりの描写だけが時代に取り残されて浮いて見えます。
- 人のあれこれをのぞきたいと思わないタチなので、題材そのものに気持ちが乗りませんでした。登場人物の下衆さが直球で刺さってくるぶん、生理的に受けつけない相手が出てくると読む手が止まりがちです。









