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最終更新日:

拳闘暗黒伝セスタス の感想と評価(良いところ、悪いところ)

拳闘暗黒伝セスタス

拳闘暗黒伝セスタス

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著者: 技来静也

連載: ヤングアニマル

ジャンル: ドラマ歴史アクション格闘

評価: 8.3/10

あらすじ

紀元54年、帝政ローマ。闘技場では拳ひとつで殴り合う古代ボクシングが娯楽として売られ、最下層の奴隷たちは負ければその場で死ぬ舞台に立たされていた。十五歳のセスタスが握りしめたのは「百勝すれば自由になれる」という細い糸ひとつ。元最強の拳奴だった師から理詰めの技を叩き込まれ、小柄な体を速さと柔らかさで補いながら格上を崩していく。だが勝つたび誰かが死ぬ現実は、少年の心を確実に削っていく。闘技場の砂の外では、幼くして玉座に就いた皇帝を軸に帝国が軋みはじめる。自由と誇りを取り戻すため、痩せた両拳だけで運命に殴りかかる古代ローマ拳闘譚!

読む前に確認したい相性

向いている人

  • 一手ごとに理由が示される理詰めの格闘描写を、細かいところまで噛みしめながら読みたい人
  • 当時の暮らしや権力争いまで描き込まれた、歴史ものとしての厚みを格闘漫画にも求める人
  • 命が軽く扱われる世界で、それでも尊厳を取り戻そうとする主人公の歩みを見届けたい人

向いていない人

  • 殴り合いの場面だけを軽快に追いたくて、闘い以外の描写が長く続く展開を退屈に感じてしまう人
  • 登場人物や政治の絡みが多い物語が苦手で、筋を整理しながら読む手間を負担に思ってしまう人
  • 物語の決着まできっちり見届けたい気持ちが強く、余韻を残したまま閉じる終わり方が苦手な人

良い感想・レビュー

  • 殴り合いの理屈が一手ずつ絵で示されるので、格闘に詳しくない私でも展開を追えました。理詰めで相手を崩す拳闘の面白さを、この作品ではじめて知った気がします。
  • 石畳の匂いまでしそうな古代ローマの空気が濃い。奴隷が紙のように軽く扱われる残酷さも省かずに描くから、娯楽として消費される命の重さが読み終えてもずっと残る。
  • 師匠が弟子に投げる言葉がいちいち骨太で、私は何度も手を止めて読み返してしまう。生き延びるための技術論として語られるので、精神論に逃げない筋の通り方が信用できる。
  • 体格で劣る主人公が速さと柔らかさで格上を食う。小さい者が勝てる理由が毎回きちんと用意されているから、勝ち上がりに嘘くささがなく、自然と肩入れしてしまった。
  • 拳闘の話だと思って読み始めたら、若き皇帝が暴君へ傾いていく過程まで並走しはじめる。闘技場と宮廷が地続きになる構図で、格闘漫画の枠を越えた読み応えがある。

悪い感想・レビュー

  • 追いかけていた頃は間が空くうえに一回分が短く、正直なところ熱が冷めました。待たされる時間の長さにつまずくたび、前の展開を読み返して思い出す作業が要ります。
  • 拳闘一本で登り詰める話として夢中だったのに、後半は団体戦や政争へ軸が移っていく。話の焦点がぼやける感覚が拭えず、私は序盤ほど乗り切れなくなった。
  • 面白かっただけに、決着を見ないまま終わる閉じ方にはもやもやが残ります。ここからどう畳むのかと構えていた分、途中で置いていかれた気分になりました。
  • 奴隷の暮らしや歴史のやり取りが長く、闘いと闘いの間隔がずいぶん空く。試合までの助走が長いぶん、殴り合いだけを軽く追いたい気分の日にはどうしても重たい。
  • 人物がとにかく多く、政略と史実が細かく絡み合うので頭の整理が要る。誰が誰の側かを覚える手間が最後まで付いて回るから、ながら読みだと筋を見失う。

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