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ペリリュー ─楽園のゲルニカ─ の感想と評価(良いところ、悪いところ)

ペリリュー ─楽園のゲルニカ─

ペリリュー ─楽園のゲルニカ─

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著者: 武田一義平塚柾緒

連載: ヤングアニマル

ジャンル: ドラマ戦争歴史

評価: 8.8/10

あらすじ

昭和十九年の夏、サンゴ礁に囲まれた南の島ペリリューへ、漫画家を夢見る気弱な青年が兵士として送られる。美しい楽園はやがて日米五万の兵がぶつかり合う戦場へと変わる。彼に与えられた任務は、死んでいく仲間の最期を絵と言葉で書き残す功績係。飢えと病、絶え間ない砲火のなか、頼れる同期とともに生き延びようともがく。補給は途絶え、組織的な戦いが限界を超えても、終戦すら知らされないまま洞窟にひそみ、食糧を探し続ける日々。やがて敗戦の事実を知り、投降を巡る葛藤の果てに、彼らは故郷への帰還を果たす。かわいい絵柄の奥から立ちのぼる、忘れてはいけない記憶と記録!

読む前に確認したい相性

向いている人

  • やわらかな絵柄だからこそ胸に迫ってくる戦争のリアルを、目をそらさずに受け止めてみたい人
  • 過酷な状況のなかにも物語としての面白さや、人の生きようとする力を感じ取りたい人
  • 遠い昔の悲劇で終わらせず、今の暮らしへつながる記憶と記録として戦争を考えたい人

向いていない人

  • グロテスクな描写や、じわじわと精神を削ってくる心理的なショックがとにかく苦手な人
  • 明るい展開や救いを期待していて、最後まで続く逃げ場のない重さに耐えるのがつらい人
  • かわいい絵柄で凄惨な戦場を描くことに、読み始めからどうしても違和感が消えない

良い感想・レビュー

  • やわらかい三頭身の絵で描かれるのに、戦場の惨さは下手なリアル調よりずっと胸に迫ってきた。この絵柄と地獄のギャップがあるからこそ、私は最後まで目をそらさずに読み通せた。
  • 日本へ帰ったあとの人生までていねいに描いてくれたのが嬉しくて、私は最初から何度も読み返した。戦後まで地続きの物語として、敵だった相手もまた戦争に苦しんだ一人の人間だと感じられた。
  • まずは旅行気分で一ページめくってほしい。日本にはない生き物が暮らす美しい島が、文字どおり地獄へ変わっていく。この楽園から地獄への落差に、読み終えたいまも私は何かを考え続けている。
  • 戦いの悲惨さを描くだけでなく、敵陣から食料を盗み出す場面の冒険活劇のようなドキドキにも私は引き込まれた。キャラがしっかり立っていて、気づけば一人ひとりに情が移っている。
  • かわいらしいキャラだからこそ、勇ましい軍人という鎧がはがれていくのが伝わってくる。その奥にいる柔らかい心を持つ人間の姿を、僕はまっすぐに突きつけられる。

悪い感想・レビュー

  • 良作だとわかっていても、史実をなぞる内容がとにかくつらくて、私には何度も読み返す気力が湧かなかった。一読入魂でしっかり読むしかない、心を削る重さがあった。
  • 戦争を扱う作品がもともと苦手で、私はふとした時に場面が頭によみがえって日常が手につかなくなった。メッセージ以上に心へのダメージを負いすぎてしまう。
  • 肉体的な残酷さ以上に、精神をえぐってくる描写が多くて、私は読みながら何度も苦しくなった。ある登場人物の運命は特に重く、心にずっと居座る痛みとして残った。
  • 最初に見たとき、こんなに可愛い絵で戦争を描くのかと私は戸惑った。悲惨な戦場をやわらかい絵柄で包むことに、読み始めはどうしてもなじめなかった。
  • 南の島の飢えと渇き、過酷な環境の描写がひたすら続くので、明るい展開や救いを期待して読むと私はただ打ちのめされた。息つく間もない重さがあって、気軽には人へ勧めにくい。

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