漫画よしあし10巻以上の漫画レビュー専門サイト
レビュー著者: 漫画よしあし
最終更新日:

ジパング の感想と評価(良いところ、悪いところ)

ジパング

著者: かわぐちかいじ

連載: モーニング

ジャンル: ミリタリータイムスリップ青年マンガ歴史改変SF

評価: 8/10

あらすじ

西暦200X年、海上自衛隊の最新鋭イージス艦「みらい」は、演習に向かう途中で謎の嵐に飲まれる。抜けた先は1942年、太平洋戦争の分かれ目となった海戦の真っ只中だった。副長の角松は海に落ちた帝国海軍の参謀を助け、命を救うために未来の資料を見せてしまう。敗戦の行方を知った参謀は、負けない日本を作るため歴史そのものを書き換えにかかる。人命優先と不干渉を貫こうとする乗組員たちは、旧日本軍と米軍の双方に追われ、否応なく戦火に巻き込まれていく。現代兵器の強さと、あの時代の軍人たちの覚悟。その落差の中で、二人の男が譲れない正義をぶつけ合う。歴史のもしもを描きながら、命の重さを問い直してくる海戦大河!

読む前に確認したい相性

向いている人

  • 現代の兵器で過去の戦争をやり直せたらどうなるのか、歴史のもしもを突き詰めて読みたい人
  • 細かく積み上げた軍事と政治の描き込みに浸りながら、重たい人間ドラマもじっくり味わいたい人
  • 正義のかたちが違う二人の男が、互いの信念をぶつけ合う大河のような長い物語を求める人

向いていない人

  • 戦争の重さや人が死んでいく描写のつらさが苦手で、そういう題材からは離れていたい人
  • 現代の力で気持ちよく勝ち進む話が読みたくて、縛りの中でひたすら耐える展開が苦手な人
  • 長い物語で舞台がどんどん広がっていく作りが苦手で、一本の筋に絞られた短い話のほうを好む人

良い感想・レビュー

  • 現代の装備であの時代の戦いをやり直せたらどうなるか。素朴な問いを痛快に描いてくれます。もしもの設定がよく練られていて、現代兵器と当時の軍人たちの気構えの対比にぐっと引き込まれます。
  • ただ歴史を変えて無双するだけの話ではありません。乗組員たちの葛藤が生々しく描かれていて、譲れない信念のぶつかり合いが最後まで見ごたえ十分。人間ドラマとして飛び抜けています。
  • 専守防衛の建前と、目の前で人が死んでいく現実。その間で揺れる姿に打たれます。軽やかに読めるのに考えさせられる深みがあって、軍事と政治の描き込みにも引きつけられました。
  • 突飛な設定なのに、細部まで調べ抜かれた軍事考証と重たい人間ドラマのおかげで確かな手ざわりがあります。当時の名機と現代兵器がぶつかる場面の迫力にも終始押されました。
  • どう終わらせるかが難しい題材で、こういう形になるのかと納得しました。人命最優先の信念を、その時できる最善のかたちでやり切った結末。歴史のもしもの果てに残るものを静かに考えさせられます。

悪い感想・レビュー

  • 中盤から先は風呂敷を広げすぎて収まりがつかなくなった印象です。もしもを描くにも時代考証や無理のない流れは要るはずで、空想で埋めた継ぎ目が気になって入り込めない。
  • 主人公の不干渉主義と人命第一が、過酷な戦場ではどうにも場当たり的に見えてやきもきした。目の前の一人を助けて歴史を狂わせるくらいなら、最初から何もしない方がよかったと今でも思う。
  • とにかく長い話です。最初は現代兵器の強さと歴史が変わるひやひや感で引っ張られましたが、舞台が南方や大陸まで広がるとテンポが落ちます。間延びしていく後半でだれてしまいました。
  • 乗組員が次々に戦死していく流れに救いがなくて、読んでいて重苦しい。専守防衛の縛りで反撃もできず、息の詰まる我慢の展開が長く続くのがしんどい。
  • 前作が一つの問いに絞って傑作になったのに比べ、こちらはいろいろ入れすぎで架空戦記の色が濃い。乗組員の顔が見えるだけに結末が苦しくて、心をえぐられて再読できない気持ちだけが残った。

同じジャンルの漫画

該当作品はありません。

この作品が載っている特集