レビュー著者: 漫画よしあし
最終更新日:
TOUGH―タフ― の感想と評価(良いところ、悪いところ)
TOUGH―タフ―
著者: 猿渡哲也
連載: 週刊ヤングジャンプ
評価: 7.8/10
あらすじ
父・静虎が最強の怪物・鬼龍との死闘で廃人同然となって2年。19歳になった宮沢熹一は、灘神影流の当主として父の治療費を稼ぐため、ヤクザと手を組み、一晩で何億もの金が動く闇試合のリングに立つ。献身的な介護と灘の秘術で父がよみがえると、熹一は表の世界大会『ハイパー・バトル』へと舞台を移し、世界中の強豪や暗殺者とぶつかっていく。やがて明かされるのは、自分の本当の父親が静虎ではなく、灘の破壊をたくらむ鬼龍だったという出生の秘密。対をなす流派・幽玄真影流の刺客たち、そして生みの親を名乗る日下部覚吾が現れ、親子と流派の存亡をかけた戦いが始まる。多くの犠牲を越えて熹一がたどり着く、血と宿命の最終決戦!
読む前に確認したい相性
向いている人
- 肉体の描き込みが細かい迫力の格闘シーンを、スピード感とともにじっくり味わいたい人
- 主人公より目立つほどの強さと優しさをあわせ持つ父親像と、その正反対に立つ兄弟の対立に惹かれる人
- 紆余曲折やネットで話題になった独特のノリも楽しみつつ、長く続く闘いを最後まで見届けたい人
向いていない人
- 「実は」で明かされる後付けの設定が重なっていく展開に、ついていけなくなりがちな人
- 長く追いかけた物語だからこそ、重要な人物の行方まできっちり描き切られる結末を求める人
- 黒幕が次々と増えたり身近な人物があっさり退場したりする、勢いまかせの強引な展開が苦手な人
良い感想・レビュー
- 前作を読んでいなくても、スピード感のある格闘描写と緻密を超えた緻密と言いたくなる肉体の描き込みですごさがわかります。主人公の格闘も存分に味わえる一作です。
- 主人公を食うほどの存在感を放つ父・静虎と、その対極にいる双子の兄・鬼龍。正反対の兄弟ふたりが醸し出す存在感の大きさがとにかく強烈。まずは一度読んでみてください。
- 最終決戦は中身だけでなく、迫力ある画と水の演出の美しさがたまらなかった。終わり方まで含めていい闘いだったし、主人公の熱い生き様に魂がふるえる思いがする。
- 遠回りもあったし、終盤は精神世界にまで足を踏み入れるし、ネットでおなじみのノリに不意打ちもされた。それでも最後をきれいに礼で締めくくる場面には、つい胸を打たれた。
- 命を奪う技を持ちながら、心を癒やす拳を放つ父の姿が強く心に残る。強さと優しさを両立させるその哲学が胸に深く響くし、何よりオトンは強くて優しかった!
悪い感想・レビュー
- 体格とパワーを手にして多種多様な相手と戦う流れは、格闘もののお約束どおり。ただ「実は」で始まる後付けが多いのが気になるし、最終戦もいまひとつ盛り上がりに欠ける印象。
- 完結はしたものの、なんだかすっきりしない終わり方です。重要な人物の行方がうやむやなまま幕を閉じるので、尊鷹や鬼龍はどこへ行ったのかと首をかしげてしまいます。
- 最終決戦は最初こそ相手が優勢だったのに、途中から主人公が押しまくり、お年寄り相手に容赦のない一方的な試合になっていく。それが連載で何か月も続くうえ、祖父を死なせる必要があったのかも疑問だ。
- 日本社会を裏で動かすフィクサーが、話が進むたびに次々と増えていく。いったい何人いるのか。この調子では都道府県ごとにひとりずつ大物がいる計算になり、さすがにツッコまずにいられない。
- カウンター技で決着がつき、エピローグでは二つの流派が合流して主人公が宗家として君臨する。その陰で祖父の死がさらっと流されているのが、ちょっと悲しかった。
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