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隣にいるのに届かない!10巻以上・完結の『幼馴染とのじれキュン恋愛漫画』12選【王道ぞろい】

編集: 漫画よしあし
公開日:更新日:

幼馴染の恋がじれったいのは、失うものが大きいからです。告白してふられたら、隣にいた時間ごと消えてしまう。だから二人はごまかし、はぐらかし、まわり道をします。読んでいるこっちは早く言えと叫びたくなるのに、そのじりじりした時間がいちばん甘い。ここで挙げるのは、10巻以上かけてその距離を縮めきった完結作ばかりです。野球のマウンドで交わる視線、余命に追われる初恋、同じ屋根の下で言えないままの好き。どれも読み終わったあと、しばらく本を閉じられませんでした。

時間がない人向け結論:おすすめTOP3

  1. それ以上に効いてくるのが、近づいては離れるもどかしい距離です。

  2. 長い長い初恋がやっと実る瞬間まで、手が離せません。

  3. 恋の話のつもりで読み始めると、家族のあたたかさが後からじわじわ効いてきます。

目次

選び方のポイント

  1. 1. 幼馴染の距離感で選ぶ

    ひと口に幼馴染といっても近さはばらばらです。隣の家で兄妹みたいに育った関係、家族ぐるみで食卓を囲んできた間柄、歳が離れていて最初から見上げる相手だったパターンもあります。近すぎる相手ほど恋だと気づくのに時間がかかり、少し離れていた相手ほど一歩を踏み出すのが怖い。自分がどの距離感にきゅんとくるかで、選ぶ一作はだいぶ変わります。

  2. 2. じれったさをどこまで待てるか決める

    十年越しで気持ちが届かない話もあれば、家の問題が片づくまで恋がぴたりと止まる話もあります。待たされるほど結ばれた瞬間は甘くなりますが、途中でいらいらしてしまうタイプの人には向きません。さっさと両想いになってからの日々を楽しみたいなら、序盤で関係が動く作品を選んだほうが気持ちよく読めます。

  3. 3. 恋の外にもう一本ある軸を見る

    この手の作品は、恋だけで進むものばかりではありません。白球を追う夏、命に期限のある体、ほどけかけた家族。恋の隣を走るその軸が、二人の距離を縮めもすれば止めもします。泣きたい気分なのか、笑いながら読みたいのか。読み終えたあとにどんな気持ちで本を閉じたいかを先に決めておくと、外しません。

全12作品の比較表

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順位作品名ジャンル完結状況評価特徴向いている人
1タッチタッチ少年漫画/青春ラブコメディ/スポーツ完結9.4/10それ以上に効いてくるのが、近づいては離れるもどかしい距離です。白球を追う熱さと、言えないままの初恋。その両方を手加減なしで浴びたい人に向いています。説明を減らして間や表情で語る描き方が好きで、行間を自分で埋めながら読める人ならまず外しません。
2僕の初恋をキミに捧ぐ僕の初恋をキミに捧ぐ恋愛/少女漫画/青春/闘病・医療ドラマ完結9.1/10長い長い初恋がやっと実る瞬間まで、手が離せません。恋の物語というだけでなく、限られた時間をどう生きるのかという問いまで一緒に受け止めたい人に。涙をこらえずに読める幼馴染ものを探しているなら、迷わずこれです。
3たいようのいえたいようのいえ恋愛/少女漫画/家族・ヒューマンドラマ完結8.9/10恋の話のつもりで読み始めると、家族のあたたかさが後からじわじわ効いてきます。家に居場所をなくした主人公が、恋と家族の再生を同時に手にするまでを見届けたい人向け。歳の離れた幼馴染同士がゆっくり縮めていく距離を、焦らず待てるならこれ以上ない一作です。
4クロスゲームクロスゲーム少年漫画/青春・学園/スポーツ・野球/ラブコメ完結8.6/10言い合いの裏に隠れていた本心がほどける場面では、紙の上の二人によかったねと声が出ました。言葉にしない気持ちのやりとりが好きなら、間や表情で語る恋の描き方にどっぷり浸れます。大切な人を失った痛みを抱えたまま進む物語と、最後の一言で報われる読後感。その二つを求めているならこれです。
5ラストゲームラストゲーム恋愛/少女漫画/学園完結8.5/10十年越しの一人相撲がおかしくて、同時に少し切なくなります。小学生のころから積み上がった両片思いのじれったさを、焦らずじっくり味わいたい人に。きゅんとする場面と笑える場面が同じ濃さで詰まっているので、やさしい気持ちのまま読み終えられます。
6ハチミツにはつこいハチミツにはつこい恋愛/少女漫画/学園完結7.8/10やきもちを妬く幼なじみ男子のかわいさにやられますし、飾らず一途に想ってくれるところもいい。幼なじみが恋に変わる瞬間のじれったさを、時間をかけて味わいたい少女漫画好きに。誰も悪意を持たないやさしい世界で、両想いになってからの甘い日々まで見届けたい人向けです。
7ういらぶ。―初々しい恋のおはなし―ういらぶ。―初々しい恋のおはなし―恋愛/少女漫画/学園完結7.2/10最初は偉そうな態度にイラッとしますが、イラッとした頃に必ずデレが来るので手が止まりません。両想いなのになかなかくっつかないもどかしさを、じりじり味わいたいならここです。素直になれない男子が少しずつ優しさを覚えていく変化を、時間をかけて追いかけたい人にどうぞ。
8覆面系ノイズ覆面系ノイズ少女漫画/音楽・バンド/青春・恋愛/学園完結8/10紙の上なのに音が流れてくる感覚があって、画角からはみ出す歌声の勢いにライブの場面で引きずり込まれます。幼馴染との再会がバンド活動と重なる展開に、紙の上から音が鳴り出すようなライブの迫力を求める人に向いています。片想いの行き来を最後まで見届けたい人にもおすすめです。
9ラフラフ少年漫画/スポーツ/青春/ラブコメ完結9.3/10好きだと思ったらちゃんと言葉にして渡す人ばかりで、読み終わりまで後味がにごりません。因縁のある相手が、実はずっと近くにいた幼なじみだったと分かっていく展開に弱い人に向いています。競技と恋が半分ずつ進んでいく青春を、急がずゆっくり追いかけたい人にもどうぞ。
10BLACK BIRDBLACK BIRDファンタジー/恋愛/少女漫画完結8.9/10強くて頼りになるだけでなく、彼女に向ける執着とふいに見せる優しさの落差にやられます。幼い日に守ってくれた相手との再会から動き出す恋を、命懸けで守り抜かれる甘さごと浴びたい人に。着物姿の男たちが並ぶ和風のあやかしものが好きで、線のきれいさまで込みで浸りたいならこれです。
11僕に花のメランコリー僕に花のメランコリー恋愛/少女漫画/学園完結8.8/10恋の話としてだけでなく、人がもう一度立ち直っていくまでを見せてもらった気になりました。幼い日の約束を胸に再会したら、相手が変わり果てていた。その始まりに弱い人へ。傷を抱えた相手にまっすぐ寄り添う恋が長い時間をかけて実るまでを、じっくり見届けたい人に向いています。
12ヒロイン失格ヒロイン失格恋愛/少女漫画/ラブコメ/学園完結7.6/10腹黒くて口が悪くて自己中、それでも必死にもがくとことん愚かなダメヒロインから目が離せません。幼なじみを五年も想い続けた末に暴走してしまう、本音がだだ漏れの邪道ヒロインを見てみたい人に。もつれた関係を顔芸とギャグで笑い飛ばす軽さごと楽しめるなら、王道に飽きた口にちょうどよく効きます。
1

タッチ

完結

双子の兄弟と幼なじみの少女。ままならない想いと白球が交差する、青春漫画の原点

タッチ
作者
あだち充
掲載誌
週刊少年サンデー
ジャンル
少年漫画/青春ラブコメディ/スポーツ
完結
完結
評価
9.4/10

良い点

結末を知っているのに、試合の場面ではまた落ち着かなくなります。それ以上に効いてくるのが、近づいては離れるもどかしい距離です。会話はいつもはぐらかされるのに、ふいにど真ん中の直球みたいな一言が飛んできます。台詞のないページで語る引き算の描き方に、大人になって読み返すとぼろぼろ泣かされました。

気になる点

兄を想っているはずなのに弟にも気があるように見える、ヒロインの思わせぶりな態度。ここでつまずく人はけっこういます。盛り上げるために都合よく転がる展開や、竹刀を振りかざす理不尽な特訓も引っかかりどころ。終盤で控え投手があっさり退場する流れには、拍子抜けが残ります。

こんな人におすすめ

白球を追う熱さと、言えないままの初恋。その両方を手加減なしで浴びたい人に向いています。説明を減らして間や表情で語る描き方が好きで、行間を自分で埋めながら読める人ならまず外しません。

こんな人には不向き

思わせぶりに見えるヒロインの言動が気になりだすと、そこから物語に入りづらくなります。試合の決着まで一直線に進む話を求めている人には、寄り道の多い日常の場面が長く感じるかもしれません。

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2

僕の初恋をキミに捧ぐ

完結

二十歳まで生きられない少年と、彼を諦めない少女。命に期限のある初恋を描く物語

僕の初恋をキミに捧ぐ
作者
青木琴美
掲載誌
少女コミック
ジャンル
恋愛/少女漫画/青春/闘病・医療ドラマ
完結
完結
評価
9.1/10

良い点

気持ちが強すぎて傷つけ合う二人ですが、限りある時間を正面から受け止める姿に胸を打たれます。長い長い初恋がやっと実る瞬間まで、手が離せません。恋の話だと思って開くと、残された日々をどう使うのかという問いまで突きつけられます。重くなりすぎないよう、くすっと笑える場面がちゃんと挟まるのも助かりました。

気になる点

読み手に判断を委ねるぼかし方で終わるので、はっきりしたハッピーエンドを待っていた人にはもやもやが残ります。自分といては不幸にすると言い聞かせ、わざと冷たくする展開が延々と続く点もじれったいところ。筋書きの型が読めてしまうぶん驚きは薄く、事故のくだりでの亡くなった人の扱いにはどうしてものれませんでした。

こんな人におすすめ

恋の物語というだけでなく、限られた時間をどう生きるのかという問いまで一緒に受け止めたい人に。涙をこらえずに読める幼馴染ものを探しているなら、迷わずこれです。

こんな人には不向き

はっきり決着のついた結末でないと落ち着かない人には向きません。すれ違いが長く続く展開にじれてしまう人や、病と死が軸にある重さを避けたい人も、別の一作にしたほうが無難です。

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3

たいようのいえ

完結

居場所をなくした女子高生と、家族を待ち続ける年上の幼馴染。二つの家族がほどけていく同居物語。

たいようのいえ
作者
タアモ
掲載誌
デザート
ジャンル
恋愛/少女漫画/家族・ヒューマンドラマ
完結
完結
評価
8.9/10

良い点

悪意のある人がひとりも出てきません。みんな自分の想いにひたむきで、それでも間延びせずに気持ちの流れを追えます。恋の話のつもりで読み始めると、家族のあたたかさが後からじわじわ効いてきます。やわらかい絵と短いやりとりだけで不器用な二人の距離が伝わるので、読み終えたあとは胸の奥があたたかいまま残りました。

気になる点

向けられる好意にヒロインがとにかく鈍く、気づかないまま人を待たせる展開が続きます。家の問題が片づくまで恋は一歩も進まず、足止めの構図に歩みの遅さを感じます。ほんわかした絵柄のわりに、娘を便利に置いておく親たちの空気は重く、そこはさすがにきついです。

こんな人におすすめ

家に居場所をなくした主人公が、恋と家族の再生を同時に手にするまでを見届けたい人向け。歳の離れた幼馴染同士がゆっくり縮めていく距離を、焦らず待てるならこれ以上ない一作です。

こんな人には不向き

恋の進展が早い話が好みなら、家族の問題が片づくまでの待ち時間は退屈に映ります。親が子どもを傷つける描写が苦手な人も、やわらかい絵柄に油断しないほうがいいです。

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4

クロスゲーム

完結

亡き幼馴染が見た夢を追って、嫌い合っていた二人がマウンドと本音にたどり着く青春野球漫画

クロスゲーム
作者
あだち充
掲載誌
週刊少年サンデー
ジャンル
少年漫画/青春・学園/スポーツ・野球/ラブコメ
完結
完結
評価
8.6/10

良い点

嫌いという言葉だけでここまで好きを描けるのか、と唸らされます。言い合いの裏に隠れていた本心がほどける場面では、紙の上の二人によかったねと声が出ました。ばらまかれた小さな仕掛けが終盤で一本につながる手際も鮮やかで、最後をまっすぐ言い切る幕引きが気持ちいい。脇の一人ひとりが互いを引き立てる配置も心地よく残ります。

気になる点

最悪の監督と留学生という燃える下地があるのに、敵役が敵役として立っていないぶん、倒したときの手応えが薄いままです。高校まで野球をしてこなかった主人公が実力の底を見せずに勝ち上がる流れにも、どうにも乗り切れません。同じ作者の野球ものと比べると投球や打席の描写は淡白で、想いを向けていた子が置き去りにされる終盤の後味も苦めです。

こんな人におすすめ

言葉にしない気持ちのやりとりが好きなら、間や表情で語る恋の描き方にどっぷり浸れます。大切な人を失った痛みを抱えたまま進む物語と、最後の一言で報われる読後感。その二つを求めているならこれです。

こんな人には不向き

敵チームや競争相手まで濃く描かれていないと物足りない人には、勝負の緊張感が薄く映ります。主人公が汗をかいて伸びる過程を見たい人や、同じ作者の別の野球ものを読み込んで似た筋立てに飽きている人も合いません。

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5

ラストゲーム

完結

完璧な御曹司が鈍感すぎる少女に十年間振り回され続ける、じれったい両片思いの学園ラブコメ

ラストゲーム
作者
天乃忍
掲載誌
LaLa
ジャンル
恋愛/少女漫画/学園
完結
完結
評価
8.5/10

良い点

闘志がいつのまにか恋心に変わっても、当の相手には少しも伝わりません。十年越しの一人相撲がおかしくて、同時に少し切なくなります。外ではそつなくこなせるのに好きな子の前でだけ崩れる、ちょっと残念な御曹司はほかで会えないタイプ。最初の勝負から最後の告白まで線がきれいにつながり、付き合ってからのべたべたな甘さまで楽しめます。

気になる点

人物が平面的に見えて、絵柄のところで引き返してしまう人がいます。引き延ばしに感じる足踏みも長く、序盤は恋の気配がないまま進むので手ざわりがつかみにくいです。ヒロインの度を越した鈍さには、そろそろ気づいてと何度も言いたくなります。

こんな人におすすめ

小学生のころから積み上がった両片思いのじれったさを、焦らずじっくり味わいたい人に。きゅんとする場面と笑える場面が同じ濃さで詰まっているので、やさしい気持ちのまま読み終えられます。

こんな人には不向き

告白までがすばやく進む恋愛ものが好みなら、十年ぶんの足踏みはしんどいと思います。恋心にとことん気づかない主人公が苦手な人も、途中でいらだってしまいます。

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6

ハチミツにはつこい

完結

隣に住む幼なじみへの気持ちに気づいてしまった少女の、じれったくて甘い初恋物語

ハチミツにはつこい
作者
水瀬藍
掲載誌
Sho-Comi
ジャンル
恋愛/少女漫画/学園
完結
完結
評価
7.8/10

良い点

お互いの気持ちにだんだん気づいていく流れが、たまらなくきゅんとします。やきもちを妬く幼なじみ男子のかわいさにやられますし、飾らず一途に想ってくれるところもいい。彼の兄も友達もまるごとヒロインの味方につくので、読んでいて心細くなりません。悪い人がひとりも出てこないまま、ほわっとしたものだけが残ります。

気になる点

対象年齢の低さが気になり、現実ではまず通じない話がすらっと進みます。お互いの気づきが鈍すぎて、きゅんとするより先にいらいらしてくる場面もありました。胸のモヤモヤの正体を探る時間が長いうえ、キャラの描き分けが弱くてみんな同じ顔に見えます。伏線の回収もあっさりしていて、ライバルの押しは中途半端に終わります。

こんな人におすすめ

幼なじみが恋に変わる瞬間のじれったさを、時間をかけて味わいたい少女漫画好きに。誰も悪意を持たないやさしい世界で、両想いになってからの甘い日々まで見届けたい人向けです。

こんな人には不向き

すれ違いが長く引っぱられる展開を待てない人にはきついです。大人びた駆け引きや、伏線がきっちり回収される作り込みを恋愛ものにも求める人には物足りません。

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7

ういらぶ。―初々しい恋のおはなし―

完結

好きすぎて意地悪してしまう幼なじみと、自信ゼロの美少女。こじれきった初恋がようやく動き出す学園ラブ。

ういらぶ。―初々しい恋のおはなし―
作者
星森ゆきも
掲載誌
Sho-Comi
ジャンル
恋愛/少女漫画/学園
完結
完結
評価
7.2/10

良い点

最初は偉そうな態度にイラッとしますが、イラッとした頃に必ずデレが来るので手が止まりません。好きすぎてテンパり優しくできない男子の、足掻きまくっている裏の顔がとにかくピュアです。いじめたあとにひとりで反省している姿は可愛く、タイトルどおりの初恋ムズムズが最後まで続きます。

気になる点

絵柄が可愛いので油断していると、「ゴミ」「クズ」と浴びせる言葉の暴力が続きます。照れ隠しで片づけるには重く、ツンデレというよりモラハラ寄りに映る場面も少なくありません。うじうじするヒロインの態度や、妬かれて浮かれ調子に乗る姿でも気持ちが冷めます。

こんな人におすすめ

両想いなのになかなかくっつかないもどかしさを、じりじり味わいたいならここです。素直になれない男子が少しずつ優しさを覚えていく変化を、時間をかけて追いかけたい人にどうぞ。

こんな人には不向き

きつい言葉が飛び交うやり取りが続く恋愛の描き方は、読んでいてしんどくなります。ヒロインが自分を否定して落ち込む時間の長さも、人によってはかなり重く響きます。

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8

覆面系ノイズ

完結

声を頼りに再会を願う少女が、覆面バンドのボーカルとして走り出す青春音楽ラブ!

覆面系ノイズ
作者
福山リョウコ
掲載誌
花とゆめ
ジャンル
少女漫画/音楽・バンド/青春・恋愛/学園
完結
完結
評価
8/10

良い点

紙の上なのに音が流れてくる感覚があって、画角からはみ出す歌声の勢いにライブの場面で引きずり込まれます。片想いの矢印が絡み合っても誰も悪者にならないから、じりじりしながらも嫌いになれません。読み終えてからも一ヶ月ほど余韻が抜けませんでした。

気になる点

音のない紙の上で盛り上がりを追いかけるのが難しく、序盤は画面の熱量と自分の温度差が埋まらないまま話が進みます。覆面で活動する理由の薄さや、親に内緒で芸能の仕事を始めてしまう展開にも引っかかりが残ります。

こんな人におすすめ

幼馴染との再会がバンド活動と重なる展開に、紙の上から音が鳴り出すようなライブの迫力を求める人に向いています。片想いの行き来を最後まで見届けたい人にもおすすめです。

こんな人には不向き

感情の振れ幅が大きい主人公を追いかけるのがしんどい人には向きません。恋の後始末に筋道を求める人も、都合よく見える着地が気になるかもしれません。

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9

ラフ

完結

因縁を背負わされたふたりが、水泳と恋のあいだで少しずつ距離を縮めていく青春物語

ラフ
作者
あだち充
掲載誌
週刊少年サンデー
ジャンル
少年漫画/スポーツ/青春/ラブコメ
完結
完結
評価
9.3/10

良い点

嫌な人がひとりも出てこないうえに、みんな引き際が潔いです。好きだと思ったらちゃんと言葉にして渡す人ばかりで、読み終わりまで後味がにごりません。話の運びに無駄がないのに、余白や遊び心はきちんと残っています。水泳に詳しくなくてもテンポよく読めましたし、脇にいる友人たちの事情まで拾ってあるので、読み返すたび同じ場面で泣かされました。

気になる点

くっつきそうでくっつかない距離が延々と続くので、待たされる時間の長さは覚悟がいります。飄々として熱をあまり見せない主人公なので、汗くさい熱血を求めていると肩透かしに映るかもしれません。男子寮から女子寮をのぞく悪ふざけは、今の目で見るとさすがに引っかかります。まだ十八歳なのに先の人生まで一気に決まっていく運びも、少し急ぎ足です。

こんな人におすすめ

因縁のある相手が、実はずっと近くにいた幼なじみだったと分かっていく展開に弱い人に向いています。競技と恋が半分ずつ進んでいく青春を、急がずゆっくり追いかけたい人にもどうぞ。

こんな人には不向き

二人の距離が縮まるまでとにかく待たされるので、じれったさに耐えるのが苦手な人にはつらいです。勝ち負けをはっきり見せて終わるスポーツものを求めている人や、昔の学生ノリの悪ふざけが気になる人にも向きません。

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10

BLACK BIRD

完結

妖が見える少女と、命懸けで守り抜く天狗の当主。溺愛と執着が渦を巻く少女漫画!

BLACK BIRD
作者
桜小路かのこ
掲載誌
ベツコミ
ジャンル
ファンタジー/恋愛/少女漫画
完結
完結
評価
8.9/10

良い点

強くて頼りになるだけでなく、彼女に向ける執着とふいに見せる優しさの落差にやられます。着物をまとった男たちの線がきれいで、当主だけでなく脇を固める面々まで揃って格好いい。跡目争いでハラハラしたかと思えば溺愛もギャグも挟まってきて、中だるみを感じないまま最後まで走り切れます。泣かされて、その合間に笑わされて、読み終えるころには天狗の見方まで変わっていました。

気になる点

一度ひどい目に遭ったのにまた同じ危なさへ足を踏み入れるので、そろそろ学んでほしいと何度も言いたくなります。むき出しの執着とエゴでお腹いっぱいになる人もいるはずで、関わりのない相手が二人の恋に口を出しすぎるところも気になります。苦しい時間が途切れないまま争いごとが並ぶ後半は、見届けたい気持ちと疲れが半々でした。きわどい色っぽさの押しの強さも、はっきり好みが分かれます。

こんな人におすすめ

幼い日に守ってくれた相手との再会から動き出す恋を、命懸けで守り抜かれる甘さごと浴びたい人に。着物姿の男たちが並ぶ和風のあやかしものが好きで、線のきれいさまで込みで浸りたいならこれです。

こんな人には不向き

甘い場面だけをさらっと読みたい人には、苦しい時間が長く続く重さがこたえます。危ないと分かっていて人を信じてしまう主人公にいらだつ人や、きわどい色気が繰り返される描き方が苦手な人にも向きません。

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11

僕に花のメランコリー

完結

約束を胸に再会した幼なじみ。荒んだ心がほどけるまでを描く、痛みと甘さの純愛

僕に花のメランコリー
作者
小森みっこ
掲載誌
マーガレット
ジャンル
恋愛/少女漫画/学園
完結
完結
評価
8.8/10

良い点

約束を交わした相手と再会したら荒みきっていた、という出だしから心の動きが細かく描かれます。恋の話としてだけでなく、人がもう一度立ち直っていくまでを見せてもらった気になりました。いい子に見えた彼女が負の感情をさらけ出す一方で、実は相手のほうが重たすぎる愛を抱えている。きれいごとで済まない手ざわりですが、やわらかい絵のおかげで切なさが少し和らぎます。

気になる点

相手の気持ちを考えない身勝手さは、自覚がない分だけ残酷に映ります。横やりを入れてくる少女の立ち回りもしつこく、出てくるたびに読むペースが落ちました。絵は可愛いのにコマがごちゃっとして読みにくく、進み方もカタツムリのように遅いです。重いシリアスと甘い場面が交互に来て、話の温度が定まらないまま進みます。親の件に落とし前がつかないのも引っかかりました。

こんな人におすすめ

幼い日の約束を胸に再会したら、相手が変わり果てていた。その始まりに弱い人へ。傷を抱えた相手にまっすぐ寄り添う恋が長い時間をかけて実るまでを、じっくり見届けたい人に向いています。

こんな人には不向き

まっすぐ好きになれる相手を求めていると、身勝手なふるまいにもやもやします。甘い時間をたくさん読みたい人や、殴り合いと重たい家庭の事情がしんどい人にはきついです。

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12

ヒロイン失格

完結

王道から外れた邪道ヒロインが、幼なじみをめぐって暴走しつづける恋の泥仕合。

ヒロイン失格
作者
幸田もも子
掲載誌
別冊マーガレット
ジャンル
恋愛/少女漫画/ラブコメ/学園
完結
完結
評価
7.6/10

良い点

腹黒くて口が悪くて自己中、それでも必死にもがくとことん愚かなダメヒロインから目が離せません。誰にでも身に覚えのある思い上がりをそのまま出してくるので、呆れながらつい自分を重ねてしまいます。何もしなくても好かれる王道への皮肉みたいな作りにうなりつつ、崩れたブサ顔と友人の冷めたツッコミで笑わされました。まっすぐな言葉がズシッと来ても重くならないのは、ギャグが中和剤になっているからです。

気になる点

主人公の言動があまりに身勝手で、最後まで付き合うのがしんどくなる人はいます。あっちこっちフラフラする幼なじみの態度も煮え切らず、最後くらい男のほうから決めてほしいというもやもやが残ります。テンポのよかった序盤に比べて後半はドロドロが濃くなり、前半とのギャップに置いていかれました。気持ちさえあれば許されるという押し切り方や、うやむやのまま消えた人物にもがっかりします。

こんな人におすすめ

幼なじみを五年も想い続けた末に暴走してしまう、本音がだだ漏れの邪道ヒロインを見てみたい人に。もつれた関係を顔芸とギャグで笑い飛ばす軽さごと楽しめるなら、王道に飽きた口にちょうどよく効きます。

こんな人には不向き

純粋な主人公に寄りそって素直にきゅんとできる王道を求める人には合いません。はっきりしない態度にやきもきするのが苦手な人や、筋の通った結末でないと落ち着かない人も避けたほうが無難です。

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目的別のおすすめ

よくある質問

幼馴染ものは結局くっつくのか、先に知りたいのですが+

ここで挙げた12作はすべて、幼馴染同士が結ばれるところまで描き切って完結しています。途中でどれだけすれ違っても行き先は同じなので、安心してじれったさを味わってください。ただし結末の見せ方は作品ごとに違います。はっきり幸せな日々まで描くものもあれば、その先を読み手に委ねる終わり方をするものもあります。

10巻以上と聞くと長そうです。途中でだれませんか+

巻数が多いぶん、恋以外の軸がしっかり組まれている作品を選びました。野球や水泳の試合、家族の再生、病との向き合い、バンドの音楽活動。恋が足踏みしている間もそちらが動くので、手持ち無沙汰にはなりません。それでも足踏みの長さが苦手なら、各作品の「不向きな人」欄を先に読んでおくと失敗しません。

少女漫画と少年漫画、どちらから読むか迷います+

気持ちの揺れをたっぷり浴びたいなら少女漫画側の9作、言葉にしない距離感を行間で読みたいなら少年漫画側の3作が合います。前者は心の声が丁寧に書き込まれ、後者は台詞のないページや噛み合わない会話で語ってきます。読み口がまるで違うので、両方に手を伸ばすと同じテーマでも二度おいしいです。

古い作品も入っていますが、今読んでも楽しめますか+

描かれる高校生の暮らしぶりに時代を感じる場面はあります。それでも、隣にいる相手を好きになってしまったときの落ち着かなさは今と変わりません。むしろ携帯もSNSもないぶん、会いに行くか黙っているかしか手がなく、じれったさは濃く出ます。絵柄で敬遠せずに一冊めくってみてください。

まとめ

幼馴染の恋がここまで長引くのは、二人が臆病だからではありません。隣にいる時間を守りたい気持ちと、その先へ進みたい気持ちが、同じ強さでぶつかっているからです。だからじれったさに悶えながらも、二人を嫌いになれない。ここで挙げた12作はどれも完結済みなので、続きを待つ苦しみだけは味わわずに済みます。気になった一作から、隣の席の距離が縮まっていく時間をどうぞ。

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