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最終更新日:

外道の歌 の感想と評価(良いところ、悪いところ)

外道の歌

著者: 渡邊ダイスケ

連載: ヤングキング

ジャンル: バイオレンス復讐劇サスペンス

評価: 8.8/10

あらすじ

表向きは古書店、裏では法が見逃した凶悪犯へ被害者の代わりに私刑をくだす復讐屋。鴨ノ目と島田のふたりが、闇に沈んだ依頼を淡々とこなしていく。妻子を奪われたカモの凄惨な過去、猟奇殺人を重ねる殺人鬼、被害者を組織ぐるみで支える巨大な集団、街の浄化を叫ぶ歪んだ正義漢まで、次々と現れる強者が裏社会の抗争を泥沼へと引きずり込む。復讐を遂げても奪われた命は戻らず、依頼者の心も晴れない。それでも自らを外道と知りながら手を汚し続けるふたりの覚悟と生き様から、目をそらせなくなる。痛快さと後味の重さが同時に押し寄せる、剥き出しの報復劇!

読む前に確認したい相性

向いている人

  • 法で裁ききれない凶悪犯へのやり場のない怒りを、せめて物語の中だけでも晴らしたい人
  • スカッとする痛快さだけでなく、その裏側にずっと張りついた復讐のむなしさまで味わいたい人
  • 実際の凶悪事件を下敷きにした、むき出しのバイオレンス描写を正面から受け止められる人

向いていない人

  • 拷問やグロテスクな描写がえんえんと続く作品を読むと、気分が重く沈み込んでしまう人
  • 悪人が精神から追いつめられていく頭脳戦を求め、暴力一辺倒の展開を単調に感じてしまう人
  • 読み終えたあとに後味すっきりを望み、胸に残る澱のようなむなしさが苦手だと感じる人

良い感想・レビュー

  • 復讐を果たしても依頼者の心は晴れない。それでもカモが遺族にかける言葉はやさしくて、屑どもへの容赦ない仕打ちとの落差にぐっときた。救われなさへ寄り添う静けさが長く胸に残った。
  • 「悪を始末するのは更なる大悪」という台詞に唸った。現実の事件を露骨に下敷きにするぶん胸くそ悪さは増すけれど、二度と被害者を出さないという理屈に、私刑の理念が妙にかみ合っていく。
  • 悪党が平然と生きているのが許せなかったが、気持ちいいくらいに一掃してくれる。拷問はグロテスクなのに、犯した罪のほうが酷すぎて罰として正しく思えた。最後は被害者の救われなさに泣かされた。
  • 法がまともに裁かない凶悪犯を、現代の必殺仕事人が始末していく代理復讐もの。やり口はグロいのにその描写は抑えめで、後味のいい幕引きが私の好みにはまっている。
  • 絵のタッチが最初は苦手だったのに、読み出したら止まらなくなった。無言の狂気とチャラさの同居というトラの塩梅がよくて、ふたりの距離感にすっかり引き込まれてしまう。

悪い感想・レビュー

  • 相手が救いようのないクズだとしても、目には目をで拷問する彼らを手放しでは褒められない。それでも共感させようとするテーマ性が私には合わなかった。エンタメか批判かの中途半端さが引っかかる。
  • 実際の凶悪事件を露骨に下敷きにしているから、読むだけで気分が重くなる話が多い。復讐しても失った命は戻らないと突きつけられ、スカッとより胸に残る重い澱だけがのしかかった。
  • ターゲットを痛めつけて殺すという手口の繰り返しで、進むほどワンパターンに感じた。頭脳戦や犯人が精神から崩れていく展開も欲しくて、復讐して終わりの単調さが惜しい。
  • ヤクザの抗争と復讐屋の跡目争いばかりが続く巻があって、主人公たちがほとんど絡んでこない。これのどこが外道の歌なのかと、主役不在の入り組んだ展開に戸惑ってしまう。
  • 荒っぽい殺し方が多くて、これで警察に捕まらないのかと心配になる。悪人も単純な記号的クズに寄りがちで、リアリティを欠く粗さがノイズになってしまった。

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