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レビュー著者: 漫画よしあし
最終更新日:

風と木の詩 の感想と評価(良いところ、悪いところ)

風と木の詩

風と木の詩

完結
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著者: 竹宮惠子

連載: 少女コミック/プチフラワー

ジャンル: 少女漫画/ヒューマンドラマ/耽美

評価: 8.9/10

あらすじ

19世紀末、南フランスの寄宿制の学院。貴族の父とジプシーの母の血を引くセルジュは、転入した寮でひとりの少年と同じ部屋をあてがわれる。名はジルベール。悪魔のような美貌で周りの男たちを惑わせ、乱れた暮らしを隠そうともしない学院の問題児だ。まっすぐな心で彼に向き合い、変えようとするセルジュ。けれどジルベールは嘲りと誘惑でそれをはねのける。生き方のまるで違うふたりは反発し合いながら、互いの生い立ちに刻まれた傷へ少しずつ近づいていく。肌の色への偏見、大人たちのゆがんだ欲望、そばで見守る友人たちの思い。すべてを巻きこんで、ふたりの絆は友情とも恋ともつかない形へ変わっていく。少女漫画の歴史を変えた、少年たちの愛と痛みの物語!

読む前に確認したい相性

向いている人

  • BLというジャンルの枠に収まらない、生い立ちの傷や偏見まで描いた重い人間ドラマを読みたい人
  • 純粋さと危うさをあわせ持つひと筋縄ではいかない美少年に、振り回されながら惹かれてみたい人
  • 少年愛を描いた少女漫画の古典を、映画のようなコマ運びや詩的な絵とともにじっくり味わいたい人

向いていない人

  • 後半に進むほど救いがなくなる、退廃的で破滅に向かう物語を読むと気持ちが沈んでしまう人
  • 子どもへの虐待や性暴力の描写がくり返し出てくる作品を読むのが、つらく感じてしまう人
  • 冒頭から何度も出てくる少年同士の濃い性描写や露出の多さに、どうしても抵抗を感じてしまう人

良い感想・レビュー

  • BLとひとことで片づけたくない作品です。少年愛の世界に最初は一歩引きましたが、読み進めると人種への偏見や生い立ちの傷まで抱えた人間ドラマだとわかり、ジャンルの枠に収まらない重みを感じました。
  • ジルベールは可哀想で小悪魔で、純粋さと狂気が同居する唯一無二の少年だ。絵の上手さだけでは説明できない艶っぽさがあり、奔放さの裏にはだれにも心を開かない孤独がのぞく。
  • 激しい恋だけでなく、友人たちの静かな愛情まで描かれているのがうれしいところ。身分や支配、依存がからみ合う寄宿舎で、登場人物が多いのにひとりずつ中身が違い、それぞれの育ち方まで見えてきます。
  • 生い立ちを知るほどつらくなるのに目が離せず、読後は心に大きな穴があいたような喪失感に襲われました。しばらく日常に戻れないほど揺さぶられ、出会わなければ幸せだったのかと考えこんでしまいます。
  • 最初から演出の完成度が高く、独特のコマ割りがリズムよく流れて、映画を見ているような感覚になります。冬の町の冷たさまで伝わってくる背景も美しく、二十代でここまで詩的に描き切ったことに驚かされます。

悪い感想・レビュー

  • 退廃的で破滅的な話が続き、後半に進むほど救いがなくなっていきます。読んでいると生きるのがつらくなるほどの重さで、読後は明るくて人が死なない話が欲しくなりました。読み返すにも勇気がいります。
  • 少年愛というより、児童虐待の連鎖が生む悲劇として読んでしまう。大人の目線で見ると性暴力の描写はかなりひどく、幼いころに受けた仕打ちの場面は見ていられない。読み切るのに二、三日かかった。
  • ジルベールの行動原理がなかなか理解できず、周りが嫌がるのもわかる。主役ふたりのどちらにも心が動かなかった。こんなに同性から欲情されるものかと、冷めた目で見てしまう場面もある。
  • 前半はいい子すぎて応援したくなったセルジュが、後半は朴念仁ぶりにいらいらさせられる。誰かの人生を背負うなら、もう少し自由への覚悟を持ってほしかった。登場人物みんなが少しずつ可哀想な結末も歯がゆい。
  • 冒頭からいきなり濡れ場で、ジルベールは登場するたびにはだけているか半裸。服を着ていると思えばたいてい脱ぐし、無理やりな性行為の場面も多い。初めて読んだときは戸惑ったし、男性が読んだらどうなのかと思う。

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